予防してはいけない感染症の予防
ファイザー社の「 RSウイルスワクチン」の臨床試験の状況が報じられています。「妊婦さんに接種」して、赤ちゃんの発症を防ぐことを目的としたものです。
ちなみに、mRNAワクチンではなく、「組換え2価融合前Fタンパク質抗原含有RSウイルスワクチン」というものだそうですが、それはともかく、最初は日本の朝日新聞の報道で知りました。
内容を取り上げるようなものでもないですので、タイトルだけですが、「RSワクチン、妊婦に接種→赤ちゃんの発症予防効果「57%」の報告」とのものでした。
57%という数字は、どんな感染症のワクチンであっても、「報道するような数字か?」とも思いましたので、海外の報道を見てみましたら、米ロイターは、以下のようなタイトルで報じていました。
ファイザー RSV ワクチンは 82% の乳児の重症化への有効性の最終データを示している
Pfizer RSV vaccine 82% effective vs severe infection in infants, final data shows
読みますと、発症予防効果が 57%で、重症化予防効果が 82%だった、ということのようです。
なお、私自身の RSウイルスというものに対しての考え方は以下の通りで、「発症を予防してはいけない感染症」だと思っています。赤ちゃんは、これを発症しなければいけない。
2021年6月の記事「私たちの中の永遠の人工RNA」というものからの抜粋です。
2021年6月26日の In Deep 「私たちの中の永遠の人工RNA」より
RSウイルスの疾患は、いわゆる呼吸器感染症で、乳幼児で重症化しやすいと言われているものですけど、そもそもですね。こちらに、
> 2歳までにほぼ 100%の人が 1度は感染するとされています。
とあるように、「赤ちゃんは、ほぼ 100 %感染する」とあるわけですよ。
実際、モデルナ社の特許開示の書類にも、
> 米国では、ほとんどの子供が 3歳までにRSVに感染していると推定されている。
とありまして、もともと、ほぼ 100%の人間が感染する病気にワクチン? と思うわけで、 ほぼ 100%の人間が発症するというものは、もはや「病気」ではなく「自然のメカニズム」です。
人間の身体の成長の課程で自然とそうなるようにできている。全員が赤ちゃんのときに RS ウイルスに感染して、発症して何かを得る。だから、その後、正常な免疫と共に成長できる。
その「全員に与えられる自然のメカニズム」をワクチンで食い止めようとするわけですから、発想自体が異様なことなんです。
このような私個人の考えの前提があるということはともかくとして、今回の RSウイルスワクチンの臨床試験の結果が発表されている医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの記事を見てみたのです。
以下にあります。
乳児のRSウイルス感染症を予防するための妊娠中の二価プレフュージョンFワクチン
Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants
まず、最初に目についたのは、高らかに以下のように宣言されている部分でした。
「この研究は、ファイザーから研究助成を受けています」
それで、その「有害事象の数」なんですが、接種した妊婦さん本人と「その妊婦さんから生まれた赤ちゃん」の有害事象の率です。
注射後 1 か月以内または生後 1 か月以内に報告された有害事象の発生率
・ワクチン群 妊婦の 13.8%、乳児の 37.1%
・プラセボ群 妊婦の 13.1%、乳児の 34.5%
「ガーダシルとおんなじかよ」とつくづく思いましたが、「ワクチンとプラセボ群に有害事象に差異がない」ということで、安全性においての点はクリアされたようです……が、
「生まれた赤ちゃんの 4割近くに有害事象が出てるじゃねえかよ」
ということです。
メルク社の子宮頸がんワクチンの「ガーダシル」の、アメリカ食品医薬局による臨床試験の検証データを以下の記事で取り上げたことがあります。
「脳と生殖機能を破壊せよ」 : 青空の実験室と化した地球の中でポリソルベート80を調べる
In Deep 2021年3月7日
こうなっていました。
子宮頸がんワクチン「ガーダシル」の妊娠に関する臨床データ
胎児の喪失 ワクチン 375件(37.7%) / プラセボ 407件(40.0%)
ガーダシルの臨床試験では、4割が「生まれなかった」のですけれど (流産、死産など)、しかし、プラセボのほうが高いのが不思議でした。
「どんなプラセボなんだ?」と。
普通、プラセボは、生理食塩水など何の薬効もないものが使われます。そんなもので、40%の妊婦さんが胎児を喪失するなどあり得ないからです。
この理由は最近知りました。
以下の記事の中盤くらいにありますが、つまり、「このプラセボは、いわゆるプラセボではなかった」のでした。
アルミニウムとポリソルベート80の饗宴。作用と影響
In Deep 2023年3月6日
今回の RSウイルスワクチンは mRNA タイプではないですが、その成分は今はわかりません。先ほどのニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンには書かれていないですし、今のところ、成分表は見当たりませんので、わかりません。
しかし、今回もまた、プラセボに強烈な有害作用が見られるところからも、ガーダシルの試験事例を思い出します。
このワクチンは近いうちに承認されると見られます。