グアテマラの火山活動を報じるメディア。その後死者は100名に達する
Sponsored Link
グアテマラで 6月3日で溶岩流を伴う噴火を発生させたフエゴ山は、その後も繰り返し噴火を続けています。
6月3日 噴火が始まった際のフエゴ火山
このフエゴ山の噴火の人的被害について、以下の記事でご紹介した時には、死者 25名ということで報じられていました。
火山と人類の共存が崩壊する時代に : 記録のある過去500年で最悪の被害を出している中米グアテマラのフエゴ火山がもたらした光景が、これから世界中で加速すると思われる理由
その後、時間と共に死者、行方不明者はどんどん増え、6月7日には、死者は 100名にのぼり、行方不明者は 200名を超えています。
あるいは、この数もまだ増えていく可能性があるようです。
死者の多くは溶岩流によるものだったと思われます。
救出活動は続いていますが、生存者の救出確率は極めて低くなっているようです。
下は 6月6日の報道の写真で、フエゴ火山の救助活動を行っているレスキュー隊員たちが泣きながら現場から戻ってくる姿です。どうして彼らが泣いているのかは書かれていません。
・CNN
激しく降り積もる火山灰の中で捜索活動をおこなうレスキュー隊員たち
このような状況となっているグアテマラですが、同国にある二つ目の火山が活動を開始したことが報じられています。
それは、グアテマラの首都グアテマラシティ近郊にあるパカヤ山という火山で、6月6日に噴火を起こしました。
6月6日 噴火したグアテマラ・パカヤ山の様子
パカヤ山から流れる溶岩
パカヤ山はグアテマラの首都グアテマラシティから 30キロメートルの場所に位置しており、大きな被害を出しているフエゴ山とも比較的近い距離にあります。
フエゴ火山とパカヤ火山の位置
・Google Map
パカヤ山からグアテマラシティまで 30キロということですので、パカヤ山とフエゴ山の距離もおおよそ同じ程度のものといえそうです。
こうなってきますと、「連動して噴火しているのでは」という考えが出てきますが、6月6日、グアテマラの防災当局は、
「パカヤ火山の噴火は通常の範囲の活動であり、今回のフエゴ山の噴火とは関係はありません」
と動揺する市民たちに呼びかけました。
しかし、当局が「関係がない」と強調したとしても、この距離の火山で「3日間のうちが立て続けに噴火が起きる」ということになれば、まったく関係がないというように考えるのも、むしろ難しい感じがします。
このくらいの距離ですと、共有したマグマのエリアを持っていたとしても不思議ではないです。
いずれにしても、このふたつの火山の活動は現在も続いています。
これはグアテマラで出来事でありながら、実は環太平洋火山帯の火山全体、ある意味では「共有」しているということからも、他の国や地域の火山活動の動きとも関係がないとは言い切れないことなのかもしれません。