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ノルウェーで「800万匹」の養殖サーモンが死亡するという同国史上最大の大量死事象が発生。原因は複雑である模様

投稿日:

2019年5月23日の英インディペンデントより


independent.co.uk




 

ノルウェーの海域で、突如、「藻」が大発生し、養殖されているサケ(サーモン)の、実に 800万匹が死亡するという出来事が報じられています。

このようなことが起きた理由は、現在、北欧の地域では、通常ではない「高温」が続いているため、藻が次々と大発生しているのだそうです。

藻の大発生は、海中の酸素を奪うために、水中生物の大量死を引き起こしやすい環境となるのですが、ノルウェーにおいては、このような 800万というようなサケの大量死が起きたことは、かつてない事態のようです。

藻の大発生によるサケの大量死は、少し前にスコットランドでも発生していたそうで、ヨーロッパの一部の海に何か普通ではない状態が発生しているようです。

それにしても、この「気温が高いための異常」という事態は何だか皮肉な話だとも思います。

というのも、以下の In Deep の記事でふれていますけれど、ヨーロッパでも、フランスやイタリアなどの中央ヨーロッパは、激しい寒波に見舞われ続けていることにより、農業生産品としての食糧流通に危機が起きているのです。

しかし、現在の北欧においては、「異常な暖かさ」が、水産品としての食糧の危機につながっているということになります。

寒い暖かいどちらにおいても、通常ではない状態が各地で出現しています。

英国インディペンデントの記事をご紹介します。

ここからです。


Eight million salmon killed in a week by sudden surge of algae in Norway
independent.co.uk 2019/05/23

ノルウェーで、1週間のうちに800万匹のサケが死亡する。原因は突然増殖し始めた藻による

スコットランドで同様の事案が発生した数週間後に、ノルウェーの大量死が起きた。

ノルウェー海産物協議会によると、藻の急増がノルウェーの海域で発生し、この 1週間のうちに、ノルウェーのサケ養殖場全体で、少なくとも 800万匹のサケが死亡した。

最近の北欧での暖かい天候のために、藻が大発生したことによるものだという。

藻が大発生した場合、自然の中にいる魚類は、その場から逃げることができるが、養殖魚は、その場から離れることができないために、このような大量死に結びついてしまったと考えられる。

ノルウェー漁業局は、「藻の発生はさらに拡大している」と述べている。

海産物協議会は、5月21日、被害額は 5,600万ポンド (77億6000万円)にのぼるとしたが、その後、損失はさらに大きくなるだろうと述べた。

専門家の推計によれば、藻は、すでに 2億ポンド (277億円)のサケを殺したかもしれないという。

この数週間、スコットランドの西海岸でも同様の藻の発生が報告されている。英国 BBC によれば、藻の発生後、何百トンもの魚類が死亡している。

ノルウェーは、世界最大のサケの輸出国であり、今回の大量死によって、サケの輸出量分の半分が失われたと予測している。

そして、専門家たちは、「間違いなく、世界のサケの価格に影響を及ぼすだろう」と分析している。

ノルウェーは 2018年に 124万トンの鮭を輸出しており、2017年から 2.5%増加していた。

また、世界最大のサケ養殖会社であるノルウェーのモウィ社が、スコットランドのサケ養殖場でサケの疾病に対処するために使用している化学薬品の量を偽って報告している件についての調査も進められている。

この薬物の過剰な使用もサケの大量死を招いている懸念があり、そればかりではなく、化学物質の過剰な使用は周囲の海洋環境に壊滅的な影響を与える。

ノルウェーの養殖サケは、以前から鮭ジラミの寄生が拡大していたが、それが、今度は野生のサケにも影響を与えているのだ。

モウィ社は、スコットランドの海域で捕獲されたサケの量が 1年で 36%減少したことを明らかにしている。

スコットランドの漁業連盟は、サケ養殖の全体的な影響が、海洋環境に深刻な影響を及ぼしている可能性について述べている。漁業連盟のアラスター・シンクレア (Alastair Sinclair)氏は、以下のように述べる。

「スコットランドの西海岸から漁業資源は基本的に消えてしまいました。そこにいた魚類はほとんど死んでしまったのです。サーモン養殖産業の化学物質の使用は、その状況を改善してはいません。むしろ、化学物質の使用は、それを悪化させています」


 

ここまでです。

この中にあります化学物質というのは、記事にも出てきます「鮭ジラミ」というものに対処するためのものらしく、要するに「殺虫剤」に近いものだと思われます。

そういうこともあるのか、昨年、アメリカのメディアが、

「養殖サーモンは、この世の食べ物の中で最も毒性が高い」

という報道をしていたこともあります。

以下の記事です。

Farmed Salmon — One Of The Most Toxic Foods In The World
養殖サーモンは、世界で最も有毒な食品の一つ

 

この記事では、養殖サーモンを食べること自体が、ガンを引き起こすリスクを高めることなどが書かれています。

ノルウェー大学の生物学者は以下のように述べています。

「妊娠した女性、あるいは子どもや若者が養殖サーモンを食べることはお勧めできません。養殖で使われている薬物によってサケに含まれている毒素の量が判明していませんし、また、その薬物が、子どもや若者、そして妊婦の方々にどのように影響するかはいまだに不明だからです」

今回の藻の大発生も、気温の問題だけではなく、この薬物の過剰な使用が海の生態系のバランスを崩したということなども関係あるかもしれません。

食べ物をめぐる問題は、いろいろなところで大きくなっていますね。







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