2022年7月19日の欧州の気温予測。 Copernicus EMS
現在、ヨーロッパが大変に暑くなっていることは日本でも報じられています。
仏各地で40℃超え ヨーロッパで記録的熱波続く
記録的な熱波がヨーロッパを襲っています。フランスでは各地で40度を超えたほか、イギリスでは猛暑による「非常事態宣言」が初めて出されるなど市民生活に影響が出ています。
パリでは18日、39度を記録し、19日には40度に達すると予想されています。フランス西部でも18日、ナントで42度になるなど各地で最高気温を更新しました。
イングランド地方で18日、38.1度を記録したなか、ロンドンで最も古いつり橋の修繕工事が行われています。記録的な暑さへの対策として、断熱ホイルで橋を包んだほか、冷却するシステムを一晩中稼働させるということです。 (テレビ朝日 2022/07/19)
7月19日には、イギリスの最高気温が、「 41℃」になると予測されています。
英国の今週の気温の推移の予測
Chris England
こういう異様な気温の場合、日本では、「適切にエアコンを使用し」というように言われているのですが、最近知ったこととして、英国ビジネスエネルギー産業戦略省による最近の報告では、
「イギリスでの一般家庭のエアコン設置率は 5%」
なのだそうです。
つまり、95%の家庭には、エアコンはないと。
私は、北海道出身なのですけれど、以前の北海道も、エアコンが設置されている一般家庭などはほぼありませんでした。私の住んでいたあたりの北海道では(以前は) 30℃などを超えるのは、8月の初頭の 1週間くらいだけで、夜は涼しいですので、エアコンなど必要なかったのです。
まあ、今は私の実家にもエアコンがありますし、設置する人も増えましたけれど、エアコンなど必要のなかった土地というのは世界にたくさんあります。
ヨーロッパもそういう国や地域が多い場所で、イギリスもそうだったようです。
しかし、今回の最高気温が 41℃とかいうような場合、最低気温もかなりのものとなると見られ、厳しいことになりそうです。
すでに、スペインとポルトガルでは、暑さで 1,000人以上が亡くなったことが報じられていますが、ヨーロッパの熱波での犠牲は、このレベルを大きく超えたものとなっていきそうです。
2003年のヨーロッパの熱波では、7万人以上が亡くなったとされていますが、そのような規模に拡大する可能性もないではないかもしれません。
ここまで気温が極端になっている原因は、完全にはわかりようがないですが、3年目に突入したラニーニャ現象も関係あるとはいえ、ラニーニャ現象は過去に何度も起きていることで、それだけでは説明できない面もあります。
先日、In Deep の記事で書きました「プランクトンの消失による大気中の二酸化炭素バランスの崩壊」なども関係しているとは思いますが、それだけでも説明はできないです。
[記事] 大西洋のプランクトンが「90%減少した」ことが英国の大規模調査で判明。そこから思い出す、地球の二酸化炭素の循環を支配しているものこそプランクトンだということ…
In Deep 2022年7月18日
現在、北半球の非常に多くの国や地域が、過去最高の気温に見舞われていますが、夏はまだ始まったばかりだということ、あるいはヨーロッパがロシアからの天然ガスの遮断により非常に厳しいエネルギー危機を迎えていることなどを考えますと、今後も苛酷な状況が続きそうです。