2018年4月6日の報道より
4月に入り北半球は暦の上では本格的な春に入りましたが、アメリカの、特にその中央部では、この冬に何度か直撃を受けている「北極からの異常に冷たい大気」にまたも見舞われています。
そのため、アメリカの中部では、場所により平年より 10℃以上気温が低いような状態となっている場所があり、ネブラスカ州の中心都市オマハでは 4月5日、最低気温が -10.5℃にまで下がりました。これは、今から約 120年前の 1899年に記録された -8.3℃を下回り、4月としては記録的な低温となりました。
ネブラスカ州のオマハは下の位置にあります。
オマハの場所
・Google Map
そして、下が現在の北極からの大気の状態です。
4月6日から8日の北極からの大気の影響の予測
・accuweather.com
記録的な低温だったオマハの位置は、北極の大気「極渦」のコースを直撃で受けている場所だったようです。
下は、4月6日のアメリカ各地の平年との気温差で、表示が華氏ですが、摂氏では、オマハも平年より 10℃ほど低いことになります。
4月6日の米国各地の平年との気温差
・washingtonpost.com
下の図は、4月のアメリカで「観測史上の気温の記録」が示された地点です。
・数字が □ で囲まれている場所は「高温の記録」を観測した場所
・数字が 〇で囲まれている場所は「低温の記録」を観測した場所
となります。。
2018年4月5日までのアメリカの平均気温の状況
西部は、□で囲まれている場所が多く、気温が高い場所が多かったことを示しますが、中央部は多くが 〇 で囲まれていて、観測史上で最も低い気温を記録した場所が相次いだようです。
このアメリカの気温で注目すべきことは、これは「アメリカで春の訪れが遅れているわけではない」ということです。
季節は通常のように春として進んでいるのに、「絶え間なく北極からの大気が流れ込むことで、それによって気温が下がり続けている」ということです。つまり、イレギュラーな状態が「冬から繰り返し起きている」ということにより、気温が上がることができなくなっているというものです。
もし、この先も北極からの大気の干渉がたびたび起きるような場合、今起きているような歴史的な低温の記録が今後も更新されていく可能性があります。
先のことは起きてみなければわからないですが、この「北極からの大気」の影響は、アメリカだけではないですので、今後が気になりますが、結局、今後も北半球の多くの場所で「暑さや寒さが不自然に繰り返すような不安定な気温や気象」が続いていく可能性があるのかもしれません。