2016年12月10日のロシアの報道より
米国カリフォルニア大学の研究者たちが、アメリカの淡水域に生息する魚たちの大規模な生態の状況をおこなったところ、「汚染に安定した耐性を持つ魚類」が生まれていることが判明したことが報じられています。
汚染への耐性を獲得したのは、カダヤシ目という目のキュプリノドン亜目に属する魚だそうです。
詳しいことはよくわからないですが、カダヤシ目というのは、グッピーなど淡水魚として知られているものも含まれる、わりとポピュラーなものでもあります。
カダヤシ目キュプリノドン亜目の一種
・Cyprinodontoidei
これらの小さな魚たちが、毒性に対して「通常の魚の 8000倍の耐性を持つ」ことがわかったというもので、これも汚染し続ける環境に対しての進化というべきなのかどうか。
今回はその記事をご紹介したいと思います。
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ちなみに、今回の魚は淡水のものですが、海域の現在の世界の汚染状況は下のようになっています。
青から緑色の海域はあまり汚染されておらず、黄色が濃くなればなるほど汚染が激しくなり、赤の部分は深刻な汚染状況となっていることを示します。
世界の海の汚染状況
上の地図から特に汚染のひどいとこをピックアップしますと下のようになります。
特に汚染がひどい海域
中国沿岸から東南アジアの汚染がかなりのものですが、意外なことに、ヨーロッパの北部海域の汚染も深刻であることがわかります。
そして、アメリカ側の大西洋沿岸も赤色の状況の部分が出てきています。大西洋のこの海域にすむ魚が、「汚染に打ち勝つ突然変異」を起こしたようです。
今回の魚たちは淡水で採取されたものですが、海でもそういう魚がひそかに増えているのかもしれません。
gismeteo.ru (ロシア) 2016/12/10
突然変異した魚が有毒廃棄物への強力な耐性を安定して持つようになった
米国カリフォルニア大学の研究者たちは、大西洋のキュプリノドン亜目の魚類が他の魚よりも 8000倍も毒性廃棄物に対しての耐性を持っていることを発見した。
これらの魚の化学物質を体内で除去する能力は、通常の魚では致命的となるような極度の汚染の中でも生き残ることができることを示していた。
生物の進化の成功の歴史とも似ているが、現実にこのような例は生物の世界では非常に稀なことだ。
進化的プロセスは、人為的な生態学的変化に適応することが困難なために、通常はゆっくりと進行する。しかし、この大西洋の魚たちは、急速に汚染への耐性を獲得している。
カリフォルニア大学の研究者たちによれば、キュプリノドン亜目の魚は、他の脊椎動物より遺伝的変異性のレベルが高いことを見出したという。昆虫や植物、および細菌などと比較しても、これらの魚はあらゆる種類の生態学的ストレスに素早く適応できるという。
研究中、科学者たちはマサチューセッツ州、ニュージャージー州、コネチカット州などの川の、汚染された場所と、汚染されていないそれぞれの場所から採取した 400匹の魚のゲノム配列を決定した。
これらの場所にある水路のいくつかは、1950年代から1960年代にかけて、ダイオキシン、重金属、炭化水素およびその他の産業汚染物質で汚染された。
遺伝的分析によれば、住居水域を大きく変えた魚たちが環境に適応していた。そして、それらすべての魚が同様に有毒な水に適応したということは驚くべきことだと研究者たちは述べている。