徴兵免除の規定の変更を伝える9月3日のウクライナの国内報道
tsn.ua
疾病者から学生、難民まですべてを徴兵する方針を発表
昨日、ウクライナで 18歳未満の「出国禁止」に関する法案が出されていること、そして、軍事動員が現行の 18歳以上から 17歳以上に引き下げられる可能性について以下の記事で書きました。
(記事)ウクライナ政府が「18歳未満の国外への出国を禁止」。新たな軍事動員に向けた措置とする見方も
地球の記録 2023年9月3日
そうしましたら、この記事を投稿した数時間後、今度は、「病気による徴兵免除対象の変更」が、ウクライナ軍から発表されたことがウクライナで報じられていました。
それには、
「精神疾患、神経疾患、HIV患者などが徴兵免除の対象外となった」
ことが記されていたのでした。
もう少し詳しく書きますと、以下のようになっているようです。これらの病気の人びとは、これまでは兵役が免除されていました。
兵役に不適格と認定「されなくなった」病気のリスト
・臨床的に治癒した結核
・軽度の機能障害を伴うウイルス性肝炎
・無症候性 HIV
・軽度の機能不全を伴う内分泌系の疾患
・精神障害の軽度の短期的な痛みを伴う症状
・中等度の短期症状を伴う神経症性、ストレス関連性および身体表現性障害(恐怖症、不安、強迫性、適応性、身体表現性障害およびその他の神経症性障害、神経衰弱、強いストレスに対する反応)
・ゆっくりと進行する中枢神経系疾患 (※パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症などが含まれます)
・発作性障害
平たく書けば、パニック障害もうつ病も軽度の統合失調症もてんかんもパーキンソン病も ALS も「兵役免除の対象とはならない」ということです。
ウクライナ国防省の公式文章は、こちらにあります。
冒頭のウクライナの報道のタイトルに、「より多くの動員が行われるだろう」とありますが、こういう病気の人びとへの新たな動員で、かなりの数の兵士を作り出す試みだと思われます。
そして、前回の記事で懸念に感じていました「学生の動員」ですが、ウクライナ政府が、
「学生動員延期の権利を廃止する法案を採択」
したことが 9月4日に伝えられています。「学生の動員を正式に発表した」ということになります。
以下は、学生動員延期の権利を廃止をテレビで説明するヴェニスラフスキー人民代議員という人だそうです。
以下のように述べているようです。
ただ、当然ですが、ウクライナ語で話しているので、本当に以下のように正しく述べているのかどうかはわかりません。また、ここにある「第二、第三の高等教育」というのに該当する学校がどれなのかは明確にはわかりません。
ヴェニスラフスキー人民代議員の言葉
「この決定は第二、第三の高等教育を受ける学生に適用される。また、大学への入学を利用してウクライナ軍への勤務を逃れた者も動員される」
ウクライナがいかに追いつめられているのかがわかる話ですが、しかし、
「その後はどうするのか?」
という話でもあります。
精神や神経に障害を持っている方々や各種病気の方々、そして「子供」たちが、戦場でどれだけ有効な戦力となるのかは不明であり(戦争への有効性はほぼないと見られます)、すぐに行き詰まりそうな気はします。「その後」は?
もはや補充すべきウクライナ人がいなくなった時にどうするのか。
太平洋戦争末期の日本のような絶望的な展開にもなっているウクライナですが、いつまでこのような無謀な方策で突き進むつもりなのでしょうか。
前回の記事同様、各種の資料から記事を書いていたギリシャのメディアからご紹介します。
ゼレンスキー大統領が世界的な衝撃を引き起こす:HIV陽性者、神経変性疾患、精神疾患を持つ人々を軍に採用し、16万人の難民の帰還も要求した
warnews247.gr 2023/09/03
ウクライナは完全な崩壊に向かっている。数時間前、ゼレンスキー大統領は法令により、HIV 陽性者から神経変性疾患や精神疾患を持つ人々までを徴兵する法案を発表した。
このリストは民族虐殺の程度を示しているため、世界的な衝撃を引き起こしている。
もはや、ウクライナは「限界に達している」かどうかではなく 「完全な崩壊」に突き進んでいる。国民全員の入隊に突き進んでいる。
学生から、国外に逃れた多数の難民まで動員する考えのようだ。
ゼレンスキー氏は一般徴兵の対象者のリスト全体を変更し、ウクライナ軍当局は、これまでは、「兵役に適格ではない」とれさた男性の動員を開始することになる。
ウクライナ軍における軍人健康診断に関する規則が改正され、軍人の健康状態を評価するための病気のリストが更新された。
以前は、兵役に不適格とされていた以下のリストの疾患の人たちにも兵役が課される。(※ 数字と記号は、書類の分類番号)
2-c – 臨床的に治癒した結核
4-c – 軽度の機能障害を伴うウイルス性肝炎
5-c – 無症候性 HIV
13-c – 軽度の機能不全を伴う内分泌系の疾患
14-c – 精神障害の軽度の短期的な痛みを伴う症状
17-c – 中等度の短期症状を伴う神経症性、ストレス関連性および身体表現性障害(恐怖症、不安、強迫性、適応性、身体表現性障害およびその他の神経症性障害、神経衰弱、強いストレスに対する反応)
21- c – ゆっくりと進行する中枢神経系疾患
22-c – エピソード性および発作性障害
中枢神経系のゆっくりと進行する病気には、脳内のニューロンが進行的に死滅する神経系の致死的な疾患のグループである神経変性疾患が含まれる。最も一般的なのは、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)だ。
また、空挺部隊と海兵隊員の健康要件も簡素化された
ウクライナ国防省の政令第456号によって導入されたその他の変更が発効し、空挺突撃部隊、海兵隊、空襲部隊、歩兵特殊部隊、および空挺部隊と海軍の特殊部隊での勤務要件の簡素化が規定された。
ウクライナ国防省が限られた能力を持つ人々を召集するというこれらの決定は、前線の人員が深刻に不足していることを示している。
医学的制限のある個人を徴兵することは、軍部隊に大きな負担をかける可能性が高い。
その後、ウクライナ軍の人員不足は壊滅的となる。
ウクライナ政府はドイツに行った16万人の難民の返還を求めている
ウクライナ「国民の奉仕者」派のリーダー、デビッド・アラハミア氏は「偽造の兵役不適格証明書を持って出国したウクライナ人は、祖国に引き渡され徴兵される可能性がある」と明らかにした。
これに先立ち、多くの関係筋は、ウクライナ大統領がすでにこの問題をドイツ当局に正式に提起したと報じていた。
ドイツのタブロイド紙ビルトが引用したドイツ内務省によると、ロシア連邦の特別軍事作戦開始後、16万人以上の難民がウクライナからドイツに入国した。
ビルト紙は、この場合は徴兵の対象となる人々だけを対象としていると強調している。その数は現時点でウクライナ軍の半数以上を占める。
メディアによると、ドイツ政府はウクライナ大統領の要請に応えることを急いでいないと述べた。
ゼレンスキー大統領は、ポーランドおよびバルト諸国当局にもウクライナ難民の返還を求めている。