少し前に、ヨーロッパで世界最大級の肥料企業が次々と操業を停止、あるいは操業を縮小していることをご紹介しました。
[記事] 天然ガス価格高騰で次々と肥料の生産が停止。世界最大の英国肥料企業の子会社と、EUで二番目に大きなポーランドの肥料メーカーも操業を停止すると発表
投稿日:2022年8月28日
この最大の理由は、エネルギー価格の異常な高騰によるものですが、ここにきて、金属精錬の企業や工場なども次々と操業停止、操業の縮小に至っていることを知りました。
それ以前には、世界中の食料生産施設や農場などで、相次いで火災や爆発、時期的に考えられないようなときの鳥インフルエンザの拡大による大量殺処分などで、営業や操業が停止されていました。
[記事] 偶発的な火災、破損あるいは殺処分等により操業停止となったアメリカの食品関連施設の数が「 100 」に達する
投稿日:2022年6月29日
そして、近代文明の象徴ともいえる金属精錬が世界中で止まりつつあるようです。
この9月までに、操業を停止した金属精錬関係の企業や施設の一覧が、アメリカのサイトに掲載されていました。
それをご紹介したいと思います。
すべてに報道や企業サイトのニュースリリース等のリンクがあります。
対ロシア制裁という名の自爆行為は、いよいよ、文明の根本的な部分にまで影響が及んできているようです。
2022年のこれまでの金属および鉄鋼工場の閉鎖
2022年1月2日 モンテネグロ UNIPROM社 KAP アルミ製錬所
閉鎖
> モンテネグロの Uniprom社は、電力会社 EPCG との新しい電力価格に関する合意に達しなかった後、12月30日までに手続きを完了し、モンテネグロ唯一のアルミニウム製錬所である KAP を閉鎖した、と公共放送局RTCGが報じた。
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2022年2月7日 ペルー MMG社 LAS BAMBAS銅鉱山
操業停止
> MMG Ltd 社は 2月7日、地元コミュニティが鉱山労働者が使用していた道路を再び封鎖したため、ペルーのラス・バンバス銅鉱山での生産が停止する可能性があると述べた。
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2022年3月3日 ウクライナ アルセロールミッタル SA 社 鉄鋼工場
閉鎖
> アルセロールミッタル社が所有する巨大なウクライナの製鉄所が 3月3日に閉鎖された。ロシアの侵攻に直面して他の外国企業が撤退したため、同国最大の産業の 1つが閉鎖となった。
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> ウクライナの産業はロシアの侵攻によって大きな打撃を受けており、自動車部品メーカー、醸造所、アルミナ精製所、その他の外国企業が生産を停止している。
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2022年3月4日、スペイン MEGASA 社 NARON製鉄所
生産停止
> ヨーロッパプレスの報道によると、Megasa 社は 3月4日、年間 700,000 トンの Naron 鉄鋼工場での生産を停止した。
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2022年3月10日 英国 リバティ・スティール社 鉄鋼工場
生産停止
> 英国のロザラムにあるリバティ・スチール社の工場が、電力コストの高騰により生産を停止せざるを得なくなった。
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2022年3月10日 ドイツ ザルツギッター社 製鉄企業
減産
> ドイツのザルツギッター社が 3月10日にパイネ工場での溶解作業を縮小したと同社の広報担当者は語った。
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2022年3月10日 スペイン アルセロールミタル SA社 製鉄所
閉鎖
> スペインのアルセロールミタル SA 社のセスタオ工場は、電気料金の高騰のため、当初予定されていた操業を再開できないとスポークスマンがブルームバーグの質問に答えた。
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2022年3月10日 スペイン CELSAグループ 鉄鋼メーカー
減産
> バルセロナ工場の年間生産能力が 250 万トンである Celsa 社は、耐え難いエネルギー・コストを理由に生産量を削減した。
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2022年3月11日 スペイン アセリノックス社 製鉄所
操業停止
> アセリノックス社は、ウクライナでのロシアの戦争によって引き起こされたエネルギー価格の急騰により、スペインでの操業を停止した。同社の組合は AFP に対し、電力価格の高騰により、アンダルシア南部のカディスにある工場での生産を停止したと語った。
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2022年3月14日 ペルー サザン・カッパー・コーポレーション 銅鉱山
操業停止
> サザン・カッパー・コーポレーションのペルーのクアジョン鉱山は、同社の水へのアクセスを遮断し、主要な鉄道を封鎖した地元コミュニティの抗議により、操業を停止しているとペルー鉱山会議所は述べた。サザン・カッパーは、国内トップの銅生産者の 1つで、クアジョンは同社にとって国内で 2番目に大きな鉱山だ。
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2022年4月2日 米国 リオティント社 銅陰極
不可抗力を宣言
> リオティント社は、3月の地震の後、ユタ州のケネコット工場から出荷された銅陰極 (電解精錬によって得られる高純度の銅)の不可抗力を宣言した。ケネコットは米国の銅生産量の約 11% を占める。
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2022年4月21日 オーストラリア BHP グループ 鉄鉱石
減産
> BHP グループは、西オーストラリア州の鉱物資源が豊富な Pilbara 地域で、パンデミック関連の労働力不足によって圧迫されたため、3月四半期の鉄鉱石生産量の見積もりを下げた。
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2022年5月4日 マレーシア FORTRESS MINERALS 社 鉄鉱石
減産
> ORTRESS MINERALS 社の 2022年第4四半期の販売数は、労働者へのコロナの拡散と悪天候による稼働率の低下により、前年同期比で 72.2%減少した。
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2022年6月18日 チリ コデルコ社(国有) 銅精錬所
閉鎖
> 世界最大の銅メーカーであるチリの国有企業コデルコ社の主要機関は、混乱したベンタナス製錬所の閉鎖の準備を開始することを決定したと述べた。
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2022年8月1日 イタリア ACCIAIERIE D'ITALIA社 製鉄所
閉鎖
> 年間 400万トンの鉄鋼生産能力を持つ ACCIAIERIE社のプラントは、需要の低迷と生産コストの高さから、操業中の高炉が 1つしか残っていなかったが、同社は、2番目の高炉も閉鎖した。
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2022年8月17日 スロバキア NORSK HYDRO社 アルミニウム製錬所
閉鎖
> ヨーロッパのエネルギー危機は、電力を大量に消費する金属産業に新たな犠牲者を出している。Norsk Hydro 社は、9月末にスロバキアのアルミニウム製錬所を閉鎖する計画を立てている。
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2022年8月25日 米国オレゴン州 コロンビア・スティール社 製鉄所
事業停止
> 100年以上の歴史を持つポートランドの金属鋳造会社、コロンビア・スティール社は、州の規制当局に対し、鋳造工場の操業を停止し、従業員のほとんどを解雇する計画を立てていると語った。
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> 同社によると、2つの異なる組合に所属する 225人の従業員が 10月から解雇される予定だ。また、資料では、閉鎖が恒久的であることを示している。
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2022年8月25日 スロベニア タルムTLBR社 アルミニウム製錬所
減産
> スロベニアのタルムTLBR.LJ は、一次アルミニウムの生産を製錬所の能力の約 20%まで削減した、と広報担当者は述べた。アルミニウムの製錬は非常にエネルギーに依存しているが、その中で、ヨーロッパの電力価格は 2021年初頭から最大 10倍に上昇しており、一部の精錬所での生産が実行不可能になっている。