2016年5月20日のオーストラリアの地震の震源
地震という自然現象は、頻繁に発生する場所と、ほとんど発生しない場所がはっきりとしていて、基本的にプレート境界上や環太平洋火山帯の上で頻繁に発生し、他の場所ではほとんど発生しません、
それは下の「過去1ヶ月の地震発生状況」を見てもわかる通り、日本を含めて、起きるところではムチャクチャ起きて、起きないところでは、まったくといっていいほど起きないというのが地震です。
2016年5月21までの30日間のM2.5以上の地震(1289回)
・USGS
その「ほとんど地震が起きない」地域のひとつであるオーストラリアに、上の図で大きな印が記録されていることがおわかりになると思いますが、5月20日、オーストラリアで、マグニチュード 6.1の規模の地震が起きたのでした。
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地震の発生した場所は、人がほとんど住んでいないエリアでしたので、被害は報告されていませんが、マグニチュード 6以上の地震は 1988年以来、28年ぶりということで、現地では大きく報道されています。
過去のオーストラリアのマグニチュード6以上の地震は、オーストラリアの政府機関である地球科学気候のデータベースによりますと、以下のようになっていました。
過去のオーストラリアのM6以上の地震
1941年1月27日 マグニチュード6.4 震源の深さ 0キロ
1988年1月22日 マグニチュード6.6 震源の深さ 5キロ
1988年1月22日 マグニチュード6.3 震源の深さ 4キロ(上と同じ日)
1988年1月22日 マグニチュード6.2 震源の深さ 5キロ(上と同じ日)
1988年1月22日に「同じ日に3回の大きな地震が発生する」という出来事があったようですが、結局、過去 100年くらいで、「オーストラリアでマグニチュード6以上の地震が起きたのは2日だけ」ということになりそうです。
九州での地震でも、マグニチュード6レベルであれだけの被害が出てしまいましたが、オーストラリアを含め、ふだんあまり地震の来ない国や地域のほとんどには、ビルなどを含めて「耐震設計」という概念が基本的にありませんので、もし都市部にそのような規模の地震が発生した場合には、どのようなことになるのか想像もつかないです。
地震の起きない場所では確かに「ほとんど」地震は起きませんが、「まったく起きない」わけではないことを、今回のオーストラリアの強い地震で再認識します。