動物の異常 大量死 異常な現象

アメリカ西海岸のオレゴン州に深海魚ミズウオが次々と打ち上げられる。理由は不明

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オレゴン州に打ち上げられたミズウオのひとつ

livescience.com




 

異例の打ち上げ

英語でランセットフィッシュ、日本ではミズウオと呼ばれる巨大深海魚が、オレゴン州の海岸に何匹も打ち上げられており、それまでなかったことだけに、「異例の事態」だと、科学メディアのライブサイエンスが報じています。

冒頭の写真が打ち上げられたミズウオのひとつです。

写真を見ますと、深海魚であるリュウグウノツカイと似たような感じですが、以下のような品種だそうです。なお、ここには記載されていないですが、ライブサイエンスによると、このミズウオというのは、雌雄同体(男性と女性の両方の性器を持つ)なんだそうです。しかも、共食いまでする。

ミズウオは、ヒメ目ミズウオ科に属する硬骨魚類の一種。海底から離れて生活する、中層遊泳性の深海魚である。

広い生息範囲をもち、北海道以南を含む北太平洋から、インド洋・大西洋・地中海にかけて分布する。成魚は水深900〜1,500mの深みに棲息する深海魚である。

深海魚の中では大型の部類で、体長1.5〜2.5mにまで成長する。体は細長く、やや左右に平べったく側扁する。体表には鱗がなく、銀色の光沢をもつ。他の多くの中層遊泳性深海魚の例とは異なり、発光器はもたない。

ミズウオ

 

リュウグウノツカイの場合は、地震との関係を言われることもありますが、東京学芸大学の織原義明氏が、7年の時間をかけて調査したことが報じられていたことがあり、その結果、少なくとも「地震と深海魚の直接的な関係は見られなかった」と結論付けられました。こちらに記事があります。

ただ、ミズウオにしてもリュウグウノツカイにしても、深海魚であるわけですので、深海から浅瀬に出てくる「理由」はあるはずです。

水温の変化や地底の震動、海底からのガスなどの噴出など、何らかの理由はあるはずで、また、今回のオレゴン州の場合、「複数匹」となっていて、海の方に理由が何か存在していそうです。

オレゴン州

 

なお、先ほど、「地震と深海魚の直接的な関係はない」とする調査について書きましたが、これは深海魚の出現から 30日以内の地震 (M6.0以上)発生との関係を調べたものでしたが、

「長いスパン」

だと何となく何らかの関係もないではないのかもしれないとも思います。

というのも、以前、東海大学の海洋研究所が、1928年から 2011年までの深海魚の目撃情報をまとめた論文を見たことがあります。

そのグラフでは、「 2010年の目撃情報が突出」していました。


東海大学海洋研究所

翌年の 2011年は、日本の歴史上で最大の地震であった東北沖の大地震が起きた年です。

何となくですけれど、長いスパンで海底の変化が進んでいるというようなこととの関係はあるのかもしれません。

もちろん、今は海水温にしても海の汚染 (マイクロプラスチックや人間の薬剤を含む)にしても極端な状態ですので、深海魚を含めた海洋生物たちに異変が起きることも不思議なことでもないのかもしれません。

いずれにしても、多くの深海魚の生態はほとんどわかっていないですので、不要な心配は必要ないのでしょうけれど。

ライブサイエンスの記事をご紹介します。




 


中深海水層からのとらえどころのない複数の共食い魚がオレゴン州のビーチに打ち上げられているが、その理由は誰にもわからない

Elusive cannibal fish from the twilight zone are washing up on Oregon beaches and no one knows why
livescience.com 2023/05/05

オレゴン州立公園当局によると、ここ数週間で数匹のランセットフィッシュが浜辺に打ち上げられ、非常に異例の座礁が相次いでいるという

巨大な目と短剣のような牙を持つ奇妙でめったに見られない深海魚が、オレゴン州の海岸に打ち上げら続けており、専門家たちは困惑している。

オレゴン州立公園当局のフェイスブックへの5月1日の投稿で、オレゴン州立公園では、ここ数週間、南のネハレムからバンドンまでの海岸で数匹のミズウオが発見されたと書いている。

「なぜ彼らが岸に打ち上げられているのか、その理由は誰もわからない」と彼らは書いた。

ロングノーズ・ランセットフィッシュ (学名 Alepisaurus ferox ) は通常、熱帯および亜熱帯の海域に生息している。彼らは通常、海面下約 200 から 1,000 メートル の中深海水層を好む。

オレゴン州で最近発見されたランセットフィッシュの 1匹は、打ち上げられたときにまだ生きており、助けられて海に戻り、泳いで逃げることができたとオレゴン州立公園は書いている。

ランセットフィッシュは非常に奇妙な生き物だ。彼らは最大の深海魚の 1つで、長さ 2メートルまで成長し、ほぼ全身に広がる帆のようなヒレを持っている。彼らは雌雄同体(男性と女性の両方の性器を持つ)であり、ゼラチン状の筋肉を持ち、体は毛穴で覆われている。

そして、彼らは悪名高い共食い種でもある。小さなランセットフィッシュが大きなものの胃に現れることが多いことからもそれは明らかだ。

アメリカ海洋大気庁 (NOAA)のノースウェスト漁業科学センターの研究漁業生物学者であるダニエル・J・カミカワ博士は、 通常、海岸の広い場所に 1~ 2匹の個体が見られるという。

カミカワ博士の調査によると、「オレゴン州やその他の場所での座礁は、一般的ではありません」と述べている。

長さ約 290キロメートルの海岸線に数匹のランセットフィッシュが打ち上げられた理由はわかっていないが、カミカワ博士は、ミズウオが岸に打ち上げられた理由について、3つの潜在的な要因が考えられると述べた。

1つ目は、これらの魚が怪我や病気のために効果的に泳ぐことができず、岸に押し出されたことだ。 2つ目は、嵐が魚を飲み込んだこと。3つ目は、魚が通常の温度範囲よりもはるかに低い水に突然さらされる温度ショックとして知られる現象に関連している可能性があるという。

「これにより、魚はショック状態になり、魚の能力が大幅に低下したり、致命的になったりする可能性があります」とカミカワ博士は言う。

「しかし、これらはすべて証明されていない推測でしかありません」

これらのランセットフィッシュが洗い流された理由の謎は決して解決されない可能性があり、分析のために収集されたかどうかも不明だ。

オレゴン州立公園は、人々に、ミズウオを目撃した場合、写真を撮り、公園当局か NOAA 海洋漁業局に送るように依頼した。







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