10月7日、イスラエル軍の空爆で炎上したガザ市。gulfnews.com
イスラエル側の死者は300人を超える
10月7日、ガザから武装組織ハマスによるものと見られるイスラエルへの大規模なミサイル攻撃があり、それを受けて、イスラエル国防軍は、ただちに「戦争準備体勢に入った」と宣言しました。
(記事)イスラエルがハマスに対して「戦争準備状態」を宣言
BDW 2023年10月7日
その日のうちに、ハマスからの攻撃はさらに激しさを増し、報道により数はまちまちですが、300人を超えるイスラエル人が死亡したと報じられています。また、イスラエルの報復攻撃により、ガザ地区で 200人以上が死亡したとも報じられています。
このようなハマスからの全面的攻撃は、「史上初めてのこと」で、中東のガルフニュースは、以下のように報じています。
> イスラエル・パレスチナ闘争史上初めて、パレスチナ武装勢力が空、海、陸からイスラエルに対して大規模な攻撃を開始した。
これを受けて、イスラエルのネタニヤフ首相は、
「我々は戦争状態にある」
と発言し、つまり、事実上の開戦であり、宣戦布告となります。
歴史的、あるいは聖書的な意味からも、イスラエルでの戦争というのは大きな意味を持ちますが、今後どうなりますかね。
まあ…アメリカの大統領が、「米国はイスラエルと共にある」と述べていたことが報じられたりしていて、「ウクライナの時と同じ表現を使っている」あたりは何だかあれですが、しかし、いずれにしても、世界的に戦争はさらに拡大しそうです。
いよいよ本格的な「戦争の時代」に突入したのかもしれません。
中東のガルフニュースの報道をご紹介します。
イスラエル・パレスチナ紛争:ハマスが前例のないイスラエル攻撃を開始し、530人以上が死亡、ネタニヤフ首相は宣戦布告
Israel-Palestine conflict: More than 530 killed after Hamas launched unprecedented attack on Israel, Netanyahu retaliates, declares war
gulfnews.com 2023/10/08
10月7日、ハマスが発射したロケット弾がイスラエルの防衛ミサイルシステムによって迎撃された。
パレスチナ飛び地のガザ地区保健省は 10月7日、ハマス武装勢力がイスラエルにロケット弾を撃ち込み、それに対してイスラエルが空爆で応じたため、ガザ地区で少なくとも 232人が死亡、1697人が負傷したと発表した。
同時に、報道によれば、土曜日初めに始まったハマスの攻撃でイスラエル人 300人が死亡、1,450人以上が負傷した。
イスラエルは「戦争中」
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザ地区からイスラエルにロケット弾が集中砲火されたことを受け、イスラエルはパレスチナ過激派組織ハマスと「戦争状態にある」と述べた。
イスラエル・パレスチナ闘争史上初めて、パレスチナ武装勢力が空、海、陸からイスラエルに対して大規模な攻撃を開始した。
ネタニヤフ首相は声明で「われわれは戦争中だ。作戦や巡回ではなく、戦争中だ」と述べ、ハマスがイスラエルとその国民に対して「殺人的な奇襲攻撃」を開始したと付け加えた。
戦闘は続く
イスラエル軍は、夜明けの大規模なロケット弾攻撃中にガザから侵入したハマスの武装勢力「数百人」とイスラエル国内の 22か所で依然として戦闘を続けていると軍が発表した。
軍報道官リチャード・ヘクト氏は記者団に対し、「海、陸、空からイスラエルに侵入したテロリストと我々が交戦している場所はまだ 22カ所ある」と述べ、ハマスの攻撃には「強力な地上侵攻」が含まれていたと付け加えた。
何人の武装勢力がイスラエルに入国したかを記者団に尋ねられたヘクト氏は、「数百人」がイスラエルに「侵入」したと述べ、「数百人」が依然としてイスラエル国内で軍隊と交戦していると付け加えた。
同氏は、ガザ国境から 20キロ離れたネゲブ砂漠にある 2つのイスラエル人コミュニティである「ベーリとオファキムでも深刻な人質状況」があったと述べた。
ネタニヤフ首相、ハマス打倒を誓う
イスラエルのネタニヤフ首相は、過激派組織ハマスを倒すと誓ったが、この戦争には「時間がかかる」とも述べた。
ネタニヤフ首相は安全保障高官たちとの会談で一日の大半を過ごした後、7日遅くに全国放送のテレビ演説でメッセージを伝えた。
同氏は、イスラエル軍はハマスの能力を破壊するために全力を尽くすと述べた。同氏はまた、イスラエル軍が「ハマスの隠れ場所をすべて瓦礫に変える」つもりであるため、ガザ地区のパレスチナ民間人に「今すぐ退去」するよう呼び掛けた。
同氏は、ハマスに捕らわれているイスラエル人の人質に「髪の毛一本でも」傷つけられた場合、多大な代償を払うと誓った。
「我々は彼らを徹底的に倒し、この暗黒の日に復讐するだろう」と首相は述べた。
少なくとも300人のイスラエル人が死亡
イスラエルメディアによると、これまでにハマスの攻撃で少なくとも 300のイスラエル人が死亡した。報道では、この攻撃で 1450人以上のイスラエル人が負傷したことも確認された。
イスラエルの報復砲撃で232人が死亡
ガザ保健省は、ガザ地区でのイスラエルの報復攻撃で 232人が死亡、1697人が負傷したと発表した。
ロケット弾の集中砲火が発射された
イスラエル軍は 7日、イスラエルにロケット弾が集中砲火された後、パラグライダーを使って陸海空からイスラエルに侵入したガザ武装勢力と交戦していると発表した。
ソーシャルメディアには、盗まれたイスラエル軍車両と思われる車両でハマスの戦闘員が街中をパレードする動画が公開されていた。軍は侵入者との戦闘を続けているため、死傷者や誘拐の詳細については明らかにしなかった。
軍報道官リチャード・ヘクト氏は記者団に対し、「パラグライダー、海、地中を通って行われた複合地上襲撃だった」と語った。
数十の航空会社がテルアビブ便をキャンセル
ハマスがイスラエルに対して大規模奇襲攻撃を開始したことを受け、大手航空会社は今週末、テルアビブ行きの便の運行を停止した。
テルアビブのベングリオン空港の到着ボードでは、エールフランス、ルフトハンザドイツ航空、エミレーツ航空等の他、いくつかの米国企業が便をキャンセルした。
しかし空港当局は、イスラエル第二の国際空港で紅海に面した観光地であるエイラートとの民間航空便の運行は停止しなかった。
ドイツの航空会社の広報担当者は、「テルアビブの現在の治安状況を考慮し」、ルフトハンザはフランクフルト行きの1便を維持したが、「今週土曜日のテルアビブ発着のルフトハンザの他の便はすべてキャンセルされた」と述べた。
エールフランス・KLMグループの格安航空会社トランサヴィアも土曜夕方、パリ発テルアビブ行きの便を欠航した。