
テヘランでは降水量が100パーセント減少
以前、イランの水の危機について以下で取り上げたことがありました。
・イランが過去1世紀で最悪の「水危機」に陥り、首都テヘランの封鎖を宣言
地球の記録 2025年7月22日
これが、いよいよ本格化していて、首都テヘランでは、場合によって、「市民を他の地域に非難させる必要がある」と大統領が述べたと報じられています。

イランのペゼシュキアン大統領
イランは、まあ、対イスラエルとか対アメリカとか、軍事的にいろいろとある国ですけれど、人間が生きる根幹となる水がないようです。
先ほどリンクした記事を書いたのは、今年 7月で、その後どうなっているのかはわからなかったのですが、最近の報道で、「さらにひどいことになっている」ことが伝わっています。
今回ご紹介するアルジャジーラの記事では、そのことにふれてはいませんが、首都テヘランでは、人が生活できる水準ではないレベルにまで水の不足が及んでいるようです。イラン最大の飲料水ダムであるアミール・カビール・ダムは、映像を見る限り、ほとんど枯渇しています。
アミール・カビール・ダムの現在の状況
أعلن المدير التنفيذي لشركة المياه الإقليمية أنّ أكبر سد يزوّد العاصمة الإيرانية بالمياه الصالحة للشرب، وهو سد كرج (أمير كبير)لم يعد يحتوي سوى على 14 مليون متر مكعب من المياه فقط، ما يعني أنّه لن يتمكن من تزويد طهران بالمياه سوى لمدة أسبوعين آخرين.
pic.twitter.com/nKYFqzy4S1— طقس_العالم ⚡️ (@Arab_Storms) November 7, 2025
水資源の過剰利用など、いろいろな面はあるとしても、基本的には、「あまりにも雨が降らない」ことが原因のようで、私は気候変動という言葉は使わない人ですが、各地で、かつてとは違う気象の状況となっているようです。一方では「過度な降水」が記録されている地域がたくさんあります(ベトナムで過去最大の降雨量が記録、など)。
イランは地政学的(ぶっちゃけ戦争的)にも、いろいろと大変な時ですが、この水問題は地政学より大きいかもしれません。
報道をご紹介します。
イラン当局は、テヘランの飲料水は2週間以内に枯渇する可能性があると述べている
Drinking water in Tehran could run dry in two weeks, Iranian official says
aljazeera.com 2025/11/02
テヘラン地域では降水量が100パーセント減少し、歴史的な干ばつに陥っている

2025年7月29日、イランのテヘランに水を供給する5つの主要貯水池の一つ、アミール・カビール・ダム。
イラン国営メディアによると、イランの首都テヘランの住民の主な飲料水源は、同国を悩ませている歴史的な干ばつのため、2週間以内に枯渇する恐れがあるという。
テヘランに飲料水を供給する 5つのダムのうちの 1つであるアミール・カビール・ダムは、「貯水量はわずか 1400万立方メートルで、これはダムの容量の 8%に過ぎない」と、首都の水道会社のベフザド・パルサ社長がイラン通信に語ったと伝えられた。
この水位では、テヘランへの水の供給は「2週間」しか続けられないと彼は警告した。
この発表は、同国が数十年ぶりの最悪の干ばつに見舞われているさなかに行われた。テヘラン州の降雨量は「ここ1世紀でほぼ前例のない」ものだったと、地元当局者は先月発表した。
1,000万人を超える人口を抱えるこの巨大都市は、標高 5,600メートルにも達し、その川が複数の貯水池に水を供給している、しばしば雪を頂くアルボルズ山脈の南斜面に沿って位置している。
パルサ氏によると、1年前、アミール・カビール・ダムは 8,600万立方メートルの水を貯めていたが、テヘラン地域では「降水量が 100パーセント減少」したという。
パルサ氏は、システム内の他の貯水池の状況については詳細を明らかにしなかった。
イランメディアによると、テヘランの住民は毎日約 300万立方メートルの水を消費している。
節水対策として、ここ数日、複数の地区への給水が停止されたと報じられているが、この夏は断水が頻繁に発生していた。
7月と 8月には節水と節電のため 2度の祝日が宣言され、テヘランでは気温が 40℃を超え、一部地域では 50℃を超える熱波の中、停電がほぼ毎日発生した。
「水危機は現在議論されているものより深刻だ」とイランのマソウド・ペゼシキアン大統領は当時警告した。
水不足はイラン全土、特に南部の乾燥地帯で大きな問題となっており、水不足の原因は地下資源の管理不行き届きと過剰搾取、そして気候変動の影響の拡大にあるとされている。
イランの隣国イラクは、西アジアからペルシャ湾に流れ込むチグリス川とユーフラテス川の水位が降雨量不足と上流での取水制限により最大 27パーセント低下し、1993年以来最も乾燥した年となっている。このことがイラク南部で深刻な人道危機を引き起こしている。