2016年10月18日のクリスチャン・サイエンス・モニターより
・Peru investigates death of 10,000 Titicaca water frogs
南米最大の湖であるチチカカ湖(ペルー、ボリビア)と、その流域にのみ生息している地域固有のチチカカミズガエルというカエルの種類があります。
これは世界最大のカエルのひとつでもあり、また、絶滅危惧種に指定されているそうなのですが、そのチチカカミズガエルが、チチカカ湖周辺で大量に死亡していることが最近報じられています。
死亡しているチチカカミズガエルたち
・AP Photo/Juan Karita
大量死が発見されたのは、ペルー南部を流れるコアタ川の川岸流域の 50キロメートルという広範囲にわたる場所で、環境保護団体などはコアタ川の水質汚染が原因だとして、当局に対応を求めているようです。
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死亡したカエルの数は1万匹に上ると見られています。
原因については、環境保護団体は水質汚染が原因としていますが、これだけ広範囲に、しかも「突然」ということになりますと、それだけの理由なのかどうかは微妙です。
現在、ペルーの森林野生動物局が大量死の原因を調査していますが、当局から原因の発表はありません。
ちなみに、このチチカカミズガエルというのは、その「ルックスの特有さ」でも、以前からわりと有名なカエルでした。
下のようなカエルです。
チチカカミズガエル(学名: Telmatobius culeus )
かわいい・・・というようなものとは違いますが、独特な容貌ではあります。
このカエルたちが1万匹以上死亡している光景・・・。
先ほども書きましたように、このチチカカ湖のカエルの大量死の原因は今のところわかりませんが、しかし、こういう形ではなくとも、「現在、カエル含む両生類はものすごいスピードで減少していっている」ことが最近の研究で示されています。
絶滅に進んでいるといっても過言ではないのかもしれません。
下は今年5月の科学メディアの「新しい研究は、継続的で大規模な両生類の減少を確認した」という記事です。
これによりますと、たとえば、アメリカでは毎年 4%弱の両生類が減り続けているということで、「 4%」といいますと、大したことがないようにも聞こえますが、「継続的に」という言葉から、
4% × 20年
というように考えますと、20〜 30年後には、世界の両生類が絶滅に近い状態になっていても不思議ではないことにも気づきます。
今でも両生類は十分に少ないですけれど。
私が東京に来た 30数年前は、都市部にも、ガマガエルを含めて、カエルはたくさんいましたし、田舎の北海道には小さなカエルがいくらでもいましたが、今は、双方共に見かけることがありません。
自然のカエルを何年くらい見ていないのかわからないくらいです。
今回のペルーのような大量死の例に関しては特殊な例なのかもしれないですが、それは別としても、カエルという生物は、地球から消えていってしまうものになるのかもしれません。