「イスラエル軍の複数の軍用車両を破壊した」として11月7日にハマスが公開した動画より。
War Monitor
ガザ中心部での市街戦が進行中
ガザへの地上侵攻を開始したイスラエル国防軍ですが、最新の報道では、ガザの中心部にまで進み、武装集団ハマスとの戦闘が繰り広げられているようです。
一方で、ハマスは、イスラエル軍を迎撃している動画を公開し、「複数のイスラエル戦車や軍用車両を撃破した」と主張しています。
炎上するイスラエル軍の軍用車両とされる画像
War Monitor
以下は、イスラエル国防相が「軍はガザ中心部にいる」と述べたことを伝えた AFP ニュースです。
イスラエル軍は「ガザ市中心部に」:国防相
パレスチナ領土内でハマスとの戦争が 1カ月続いていることを受け、ヨアフ・ギャラン国防相は 11月7日、イスラエル軍が「ガザ市の中心部」にいると述べた。
「軍はガザ市の中心部にいる」と国防相は記者会見で述べた。「ガザはこれまでに建設された最大のテロ基地だ。我々はハマスを破壊するつもりだ」と彼は述べた。
イスラエル・ハマス戦争は10月7日、イスラム過激派戦闘員がガザ地区からイスラエル南部に突入したことで始まった。
AFP 2023/11/07
国防相はまた、人道的「一時停戦」を実施するよう求めるアメリカの圧力を拒否したようで、ギャラン国防相は、
「人質の帰還なしに人道停戦は成立しない」
と強調したことが報じられています。また、ネタニヤフ首相も「停戦はない」と述べています。
国防相はさらに、イスラエル国防軍は現在、ハマスの指導者であるヤヒヤ・シンワル氏のいる地下壕を囲んでいると述べたと報じられており、現在、ガザの住宅地で戦闘が起きていると指摘しています。
ガザでは、この 1ヵ月で、1万人以上(ほぼ民間人)が死亡していますが、亡くなったうちの約 3700人が子どもであることがわかっています。
現在、戦闘が行われているガザ中心部に、どれほどの民間人がいるのかはわからないですが、いずれにしても、ハマスの公開した動画では、とても住めるような状況ではないほど荒廃していることがわかります。
ハマスが公開した動画より街の様子
一方、イスラエルは、イエメンの武装組織フーシ派からも攻撃を受けており、新たな無人機攻撃が活発化しています。
(記事)イエメンのフーシ派が、イスラエルに対して新たな大規模無人機攻撃を開始
BDW 2023年11月7日
このフーシ派のミサイルを「大気圏で迎撃した」ことを、イスラエルのエルサレム・ポストは伝えていて、「宇宙戦争」という言葉を入れて報じていました。
11月6日のエルサレム・ポストの報道より
jpost.com
他に、レバノンの武装組織ヒズボラは、その指導者がまだ正式には参戦の態度を表明していませんが、ガザの状況次第では、周囲の圧力に押されての参戦というのはあるかもしれません。
あるいは、すでにヒスボラ自身が、イスラエル軍の猛攻撃を受けており、これが続くような場合、ヒズボラとイスラエル軍との本格的な戦闘にも発展する可能性があります。
いずれにしても、イスラエルは周辺をくまなく敵対勢力に囲まれているわけで、そのすべてが参戦した場合、勢力の数は数十万人になると思われ、厳しいことになりそうです。
G7 などの西側諸国が「停戦を」と呼びかけ続けていますが、イスラエル政府に停戦の意志がないのですから、停戦など叶うわけもなく、そもそも、もはや G7 やアメリカの言うことなど聞く人など今ではほとんどいなくなっており(アメリカのお金だけ欲しがる)、それ以外の国による仲介しかないのかもしれません。
それがなければ、この戦争はひたすら拡大するしかなくなっていきます。