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複数のインドの主要な小麦生産州が、猛暑から一転して「雹(ひょう)嵐」に見舞われ、膨大な作物の損失が報告される

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雹(ひょう)嵐の被害を受けたパンジャブ州の小麦畑。 Times of India




 

この時期の雹は史上初めての州も

インドは、世界第3位の小麦生産国であり、主要な小麦の輸出国として知られています。

このインドでの小麦収穫は、3月の終わり頃までとなっているのですが、インドは季節としては異例の「熱波」に見舞われており、予想されていた収穫量から下振れしているために、

「小麦を輸入する」

という、小麦の大生産国のインドとしては異例の対応を取る可能性が以前報じられていました。

世界第3位の小麦生産国であるインドが、不作のため、小麦の「輸入」を開始する可能性が高まる (2023/03/07)

 

ところが、3月中旬から「気候が一転」します。

小麦の主要な生産地の数々で、雹を伴う暴風雨に見舞われたのです。しかも、連日のようです。

雹で被害を受けたマハラシュトラ州北部の畑

india.postsen.com

大雨による洪水も各地で発生しているようで、それによる農作物の被害も大きいようです。

洪水で全滅に近い被害を受けた小麦畑

hindustantimes.com

 

猛暑から突然そのような気象の変化を受けて、洪水や雪による農作物の被害が大規模に発生したことが報じられています。

インドの報道によると、過去 24時間に影響を受けた州は、パンジャブ州、ハリヤーナ州、オリッサ州、テランガナ州、ケララ州、アンドラ・プラデーシュ州、チャッティースガル州、タミル・ナードゥ州に及んでおり、非常に広範囲が大雨、雹、暴風の影響を受けたようです。

あまりにも広範囲で影響を受けたせいもあり、インド農業当局は、「被害は現時点ではどの程度かわからない」と述べています。

しかし、これにより、猛暑により不作気味だったインドの小麦生産がさらに打撃を受けたことは間違いなく、インドの小麦の「輸入」が加速する可能性もあります。

今後の小麦生産の状況次第では、世界的に小麦の価格や流通が荒れた展開になる可能性があります。

どうでもいいことですが、インドの報道によると、このインド史上でも珍しい農業災害と同時に、日本の首相がインドに赴いたそうです。

雹嵐についてのインドの報道をご紹介します。




 


雨、雹を伴う暴風雨が、主要な生産州で小麦の収穫に損害を与える

Rain, hailstorm damage wheat crop in key states
Hindustan Times 2023/03/20

インド気象局の最新情報によると、暴風雨、雨、または雹がさらに 2日間、ほぼ全土を襲う可能性があるという。

悪天候と雨により、ほとんどすべての主要な小麦生産州で収穫量が減少したが、予想される熱波を考慮して構成された委員会による予備評価によると、今回の悪天候での損失の範囲を特定するには数週間かかる可能性がある。

この 3月はインド各地で猛暑が観測されていたが、しかし、インド西部のグジャラート州とコンカン州の一部を除き、3月に小麦生産地域において猛暑が発生したことはかつてなかった。

インドは、経済、特に農業、発電、水供給に圧力をかける可能性のある熱波に警戒している。モディ首相は状況を見直し、緊急措置を打ち出している。

ところが、天候は 3月中旬に猛暑から急激に変化し、過去 1週間の強風と降雨により、小麦の最大の生産州であるウッタル・プラデーシュ州、2番目に大きな生産者であるマディヤ・プラデーシュ州、パンジャブ州、ハリヤナ州、ラージャスターン州の小麦が被害を受けた。

小麦不足と食料インフレの高騰の中、インドにとって、今年は十分な収穫が重要だ。

穀物価格は 1月の 16.12%の上昇に対して、2月に 16.73%上昇した。インド政府は、過去最高の 1億 1,230万トンの小麦生産量を予測していた。収穫は3月末までとなる。

インド農業研究評議会の科学者は匿名を条件に、「雨と強い嵐が完熟した小麦や水浸しの畑に被害を与えているだろうが、公式の調査報告がない限り、この段階では被害がどの程度かを言うのは難しい」と語った。

インド気象局によると、過去 24時間にパンジャブ州、ハリヤナ州、オリッサ州、テランガーナ州、ケララ州、アーンドラ・プラデーシュ州、チャッティースガル州、タミル・ナードゥ州で大雨が記録されている。

アムリトサルの生産者集団であるバラティヤ・キサン・ユニオンの地元リーダーであるブッド・シン氏は、「私の作物の半分はだめになりました。雨が作物を汚し、強風がそれらを吹き飛ばしてしまいました」と語った.

トレーダーらによると、小麦価格は下落した。「結婚披露宴の日に雨が降るようなものだ。それまで、すべてが正常だった。農家は収穫された穀物を野外で保管していた。スポット価格は下落した」とラージャスターン州コタの卸売業者は語った。

作物サイクルが早いマディヤ・プラデーシュ州では、生産者たちは収穫量の 50%近くを収穫したが、残りの半分については懸念があると別の当局者は述べた。

専門家たちは、雨が増えると収穫が遅れる可能性があると述べた。

ハリヤナ州農業・農民福祉局は、「現段階では作物の損失を評価することはできません。現在、州からの報告を求めています」と述べた。

この季節外れの大雨と雹はベンガル北部の茶畑にも被害を与えたと、茶畑の所有者は語った。

インド農業倉庫局のアミット・コーチャル氏は次のように語った。

「乾燥した暖かい冬の後、半島のインドでは、雨は土壌に水分を補充するため、雨そのものは悪いものではない。ただ、この夏、インドがモンスーンを破壊するエルニーニョ現象に直面する可能性があるという懸念がある」







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