カルトの集団死亡数としては人民寺院に並ぶか超える可能性
アフリカのケニアで、どんな教団かは、はっきりとはしないのですが、キリスト教系のカルト教団の指導者が、
「イエス・キリストに会うために信者たちに餓死を勧めたあと、多くがそれに従い死亡した」
という出来事が報じられています。
AP通信によると、6月16日にまで、303人の遺体が発掘されたとのことで、いまだに、613人が行方不明となっているとのことです。
この事件は、私は今日初めて知りましたが、AP 通信の過去の報道ですと、3月に最初の犠牲者が明らかとなり、餓死を勧めたとされるポール・マッケンジー牧師という人は、 4月にはすでに逮捕されていたようです。
5月2日、裁判所に出廷したポール・マッケンジー牧師
AP
行方不明の 600人以上の人たちが仮に死亡していたとする場合、報道の数字が正しければ、ジム・ジョーンズ氏率いるカルト教団の人民寺院が、1978年11月に、ガイアナで決行した集団自殺での死亡数の 914人と並ぶか、あるいは超える可能性があります。
人民寺院のことも含めて、「カルト」という定義については、In Deep の以下の記事で記したことがあります。コロナ禍、ワクチン禍のこの社会は完全にカルト的支配のもとにありました。
[記事] カルトを超えて
In Deep 2022年8月23日
このケニアの事件は、詳細がまだわからないですので、報道をご紹介するに留めますが、こういうのも増えていくのですかね。
なお、事件が起きたのは、ケニアのインド洋に面するキリフィ郡という海岸の近くの場所です。
ケニア・キリフィ郡
Google Map
この事件の状況をまとめていたキリスト教系メディアのクリスチャンポストの報道をご紹介します。
カルト指導者が「イエスに会う」ために断食を促し、300人以上が死亡
Over 300 dead after cult leader urged fasting to ‘meet Jesus’
Christian Post 2023/06/16
ケニアでカルト牧師が信者たちにイエスに会うために餓死するよう勧めた後、300体以上の遺体が発見された。
ケニア当局は今後さらなる発掘調査を計画しており、犠牲者の数はさらに増加すると予想されている。
ケニアの海岸に位置するキリフィ郡の広大な森林地帯にある集団墓地から、さらに 19人の遺体が回収され、死亡者数は 303人に増加したと AP通信が報じた。グッド・ニュース・インターナショナル教会として知られる教会を率いるポール・マッケンジー牧師と彼の信者たちは、この地域に居住コミュニティを設立していた。
この地域の委員のローダ・オニャンチャ氏はメディアに対し、この地域に関係のある約 613人が行方不明になっていると語った。
敷地内から救出された教区民 95人のうち 65人は、拘禁への抗議行動として避難所でハンガーストライキを行った後、自殺未遂の罪で起訴された。これらの容疑の後、彼らは刑務所施設に移送されたと伝えられている。
4月、集団餓死に関する通報を受けて、 地元の警察がマッケンジー牧師の敷地に介入した。数十人の衰弱した信者が発見され、マリンディの地元病院で治療を受けた後、避難所に搬送された。
3月に、両親の保護下で 2人の子供が餓死した後、マッケンジー牧師は警察に自首した。彼は当初、10万ケニア・シリング (約 10万円)の保釈金を支払って釈放された。しかし、さらに 4人の遺体が発見された後、4月15日に再逮捕された。
警察は 、通報された情報に基づいて行動した。警察が得た情報によると、「教区の人々がマッケンジー牧師により洗脳されており、イエスに会うためという口実で餓死している」と知らされていた。
テレビ伝道者でもあったマッケンジー牧師は、より早く天国に行くために信者に食事を控えるよう奨励する教義を広めたとして捜査を受けている。
警察当局は、この人道危機の全容を評価し、調査を継続することに取り組んでいると述べた。
昨年 7月にもナイジェリアで同様の事件があり、ナイジェリア警察は 牧師たちから教会の地下に留まってイエス・キリストの再臨を待つよう命じられた、子供 23人を含む少なくとも 77人を救出した。