2017年3月14日の報道より
オーストラリアの北部に群生しているマングローブが、約 1,000キロメートルという広大な面積に渡って「集団で枯死」をしていることがわかりました。
何が起きたのかというと、この海域で「極端な海面低下」が起きていたのです。
水がなければ生きられないマングローブはそれによって大量死をしてしまったということのようですが、「地球温暖化による海面上昇」が言われ続ける中で何が起きているのか。
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マングローブの枯死が起きているのは、オーストラリアのカーペンタリア湾という海域に沿って起きていて、その範囲は 1,000キロメートルに及んでいます。
カーペンタリア湾
・Google Map
マングローブが枯れる前と枯れた後のカーペンタリア湾
写真から、エリア全体が「完全な枯死」に見舞われていることがおわかりかと思います。
マングローブは、主に暖かい地域の河口近辺の湿地に育つ樹木で、たとえば、下の写真のような光景を見せてくれます。
マングローブの群生(石垣島)
・tabiji.info
世界中の熱帯地域などの水辺に繁っていて、水がなければ生きられない植物ですが、オーストラリアの海辺にも長い間、マングローブの群生が存在していたのですけれど、ここにきて大量に死滅してしまいました。
原因は「極端な海水面の低下」でした。
南太平洋などでは「海面上昇で国が水没する話」などをよく耳にするわけですけれど、オーストラリアもそれらの海域に近いわけで、「海面上昇の話はどうなったんだ?」とも思いますが、実際に海面低下で海の緑は消えました。
今回は、冒頭の報道をご紹介します。
この記事の中では、海面低下の原因は、エルニーニョ現象によるものと説明されていますが、ちょっと海面低下の規模が激しすぎる気はします。
ちなみに、オーストラリアでは、グレートバリアリーフのサンゴ礁も大量死を初めていて、植物たちの大規模な消滅が続いています。
ここからです。
'They died of thirst': Extreme conditions wipe out 1000km of Australian mangrove forest
stuff.co.nz 2017/03/14
「彼らは水不足で死んだ」:極端な環境状況がオーストラリアのマングローブの群生を1000キロメートルにわたって消し去った
オーストラリアの北部沿岸に 1,000キロメートル以上に広がっていたマングローブ林が、記録的な気温を含む極端な状況のせいで消え去ろうとしている。
カーペンタリア湾沿岸に約 7400ヘクタールにわたって繁ったマングローブの群生が 2016年初めに枯れてしまった。
原因は、異常な暖かさ、長引く干ばつ、そして、この地域の海面水位が約 20センチメートル下がったためだとジェームスクック大学マングローブ研究拠のノーマン・デューク博士は述べる。
デューク博士は、「本質的に、彼らは水不足により消えてしまいました」と述べ、この海域の海面水位の低下が「潮位の大幅な低下」を引き起こしたと付け加えた。
海面低下は「エルニーニョ現象」によるものだとされるが、それ以前に何度もあったエル・ニーニョ現象の際には今回のようにマングローブの大量死が起きたことはなかった。
マングローブ林の消滅は、漁業の喪失を含む複数の膨大な影響をもたらす可能性がある。
マングローブは極端な気象現象に脆弱であることを科学者たちは現在知っているとデューク博士はいう。しかし、これまで、オーストラリアのマングローブは比較的良好な状態にあると考えられていた。
科学者たちは、病気での大量死の可能性について調査したが、極端な天候と海面の低下以外の原因は見つからなかった。
デューク博士は、このマングローブの大量死は、世界中の海岸線の監視に関する行動の目覚めの呼びかけとなっていると指摘し、「世界的な海岸線のモニタリング・プログラムが緊急に必要とされています」と述べる。