PM2.5に覆われるタイの首都バンコク。 bumrungrad.com
こんなに人々の状態が悪化した理由は
いわゆるコロナ後の経済の回復に伴うものなのかどうかわからないですが、東南アジアのタイで、大気汚染が過去最悪の状況になっていることが報じられています。
1週間で 20万人近くが呼吸器疾患で入院したそうで(コロナより、はるかに数が多いという)、大変な状況のようです。
どっちに転んでも、現代の人間生活というのは何だかあれですね。
最新の PM2.5 の大気汚染の状況を見てみましたら、タイもひどいですが、インドや中国などを含めて、とても大気の状態が悪いようです。
以下は、3月14日のアジアの PM2.5の大気汚染状況です。色が、赤や紫だと、非常に PM2.5濃度が高いことを示しています。
アジア各地のPM2.5濃度の状況
aqicn.org
まあしかし、今後、世界景気は急速に悪化していくでしょうから(タイがどうなるのかはわからないですが)、大気汚染もやや収まっていくのではないでしょうか。
少しずつ人も減っていきますし。
タイでも、超過死亡は劇的に増えています。以下は、2021年のものですが、コロナの影響もあるのですが、時期を考えると、他の影響も大きく関係している感じです。
2021年10月までのタイの超過死亡数の推移
mdpi.com
あるいは、タイの大気汚染は今に始まったことではないですが (コロナ以前から大層なものでした)、 20万人などの人々がそれにより入院したという報道は、初めてふれました。こんなにたくさんの数の人たちが入院するほど「人々が弱くなってしまった」という理由も何かあるのかもしれません。原因は不明ですが。
関係ない話ですが、タイの2回のワクチン接種率は 75%、と実はかなり高いです。そして、どの地域でも、人間が少しずつ弱くなっているようです。
タイの大気汚染についての報道をご紹介します。
タイで約20万人が大気汚染で入院
Nearly 200,000 People in Thailand Hospitalized Because of Air Pollution
Epoch Times 2023/03/11
タイ保健省は 3月10日、激しいスモッグが国の広大な地域を覆ったため、先週、20万人近くの人々が汚染関連の呼吸器疾患で病院に入院したと述べた。
ラジオ・フリー・アジアは、同省の情報を引用して、タイの 130万人以上の人々が危険なほど高いレベルの大気汚染のために 1月以降に病気になったと報じた。
「 PM2.5 レベルは、15の県で 3日以上連続して大気 1立方mあたり 51マイクログラムを超えており、人々の健康に影響を与え始めています」と公衆衛生長官は述べた。
今年のタイの大気汚染レベルは、交通量の増加により高くなっていると公衆衛生長官は述べた。
PM2.5 は、直径 2.5マイクロメートル以下の微粒子状物質を指し、肺に入り込み、呼吸器疾患や心血管疾患、がんなどの重大な健康リスクを引き起こす可能性がある。
グリーンピース・タイの活動家であるアリヤ・ムン・オブ氏は、大気汚染が原因で病気になった人の数は「これまでに見た中で最悪」になる可能性があるという。
現在、タイの複数の都市が厚いスモッグに覆われている。
「チェンマイでは山が見えるのですが、もう見えません。バンコクでは、高層ビルがスモッグの中に消えています」とアリヤ・ムン・オブ氏はラジオ・フリー・アジアに語った。
「これがコロナDの通常の状況となってしまっています。それが、今年のタイにとって特に悪い理由です。また、今年は昨年に比べて雨が少ない」
政府は、住民に屋内にとどまり、家を出るときはマスクを着用するよう促した。タイの公害防止当局は、必要に応じて個人用保護具を使用するよう人々に勧告した。
燃やさないルール
タイのプラユット首相は先月、2月1日から 4月30日までの 3か月間の野焼き禁止規則を課し、山火事と煙霧を抑制する規則を発表した。首相は現在、農業廃棄物を燃やすことを控えるよう農家に促し、以下のように述べた。
「私は本当は法律を使いたくはありません。多くの人に迷惑をかけたくはないのですが、他の人の生活の質と健康についても考えなければなりません」
汚染管理当局は以前、「停滞した気象条件」が車両の排出ガスや農地での季節的な火災を悪化させていると述べ、屋外での活動をなるべく減らすよう人々に促した。
チェンマイ市は 3月11日に世界で 2番目に汚染された都市にランクされ、スイスの大気質企業 IQAir によると、PM2.5レベルは 1立方mあたり 118.4マイクログラムに達した。
同社は、交通からの排気ガス、作物の燃焼、建設による汚染、および工場からの煙の排出が、タイの都市での高レベルの PM2.5 の原因となっていると述べた。
2019年にチェンマイの地方自治体は、 PM2.5レベルが 1立方メートルあたり 700マイクログラムを超えるなど、市内の大気汚染レベルが極度のレベルに達した後、非常事態を宣言した経緯がある。