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「地球のコアである内核の回転が止まっている」:科学誌ネイチャーに発表された論文の衝撃

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地球のコアが「逆回転」へと

最近、ネイチャーに発表された論文の内容が話題となっていまして、それは、

「地球のコア(内核)が回転を停止したことが見出された」

というもので、同時に、「逆方向への回転が始まっている可能性がある」というものでした。

地球のコアがどのようなものかが明確にわかっているわけではないですが、現在の地質学では、以下のようになっていると考えられています。中央の黄色で示されている部分が内核です。


内核

 

この回転が止まった、と。

これについて、米ニューヨークタイムズ他のメディアが、「これは、何か自然災害的なことにつながるということではない」とする報道をしたりしていました。

しかし、実際のところは、

「その影響はよくわからない」

といったところではないでしょうか。

何しろ、「はじめて観測された」状態なのですから。

この影響等についての見識があるなら、もう少しきちんと書きたいのですが、どんな影響があるのかはわかりませんですので、そういう論文があったというご紹介にとどめます。

 

こういうことが、地球の磁場や、あるいは磁場の逆転などと関係することかどうかもわかりません。

地球というのは、歴史上、「真の極移動」という、極端な地軸の傾きが何度か起きていたことが最近判明しています。

以下は、2012年のハーバード大学の研究をご紹介したものです。

 

[記事] 地球は「角度 50度以上の傾き」の大陸移動(真の極移動)を過去6度経験している
 In Deep 2012年11月21日

 

 

こういうことも、なぜ起きるのかはわかっていないですが、現在のような「コアの回転の停止」というようなことも、多少は関係するのでしょうかね……。

今回のコアの回転の停止の研究についての概要が記されていた日本語版ネイチャーの記事をご紹介します。

論文そのものは以下にあります。

地球の内核自転の数十年にわたる変動
Multidecadal variation of the Earth’s inner-core rotation
nature geoscience 2023/01/23

 

概要は、ここからです。




 


地球の内核の回転が、逆転している可能性がある

Earth’s inner core rotation may be reversing
natureasia.com 2023/01/24

地球の固体の内核の回転が最近止まり、逆向きに回転している可能性があることを報告する論文が、今週 Nature Geoscience に掲載される。

この発見は、回転の変化は数十年スケールで起きている可能性を示唆しており、地球深部の過程がどのように表面に影響を与えるかについての理解を助けるかもしれない。

地球の内核は、固体地球の他の部分と流体の外核により分け隔たられており、地球自体の回転と異なる回転をすることが可能となっている。

内核の自転は、外核で生成された磁場によって駆動されており、マントルの重力効果と釣り合っている。内核がどのように回転しているかを知ることで、これらの層がどのように相互作用をしているかが明らかになるかもしれない。

しかし、内核の回転速度や、回転速度がどのように変化しているかは論争となっている。

Yi Yang 氏と Xiaodong Song 氏は、ほぼ同じ地震により同じ経路で地球内核を通過した地震波の波形と走時の差を1960年から解析した。

その中で、彼らは、2009年ごろからそれまで顕著な時間変化を示していた経路がほとんど変化を示さず、内核の回転が停止したことを示していることを見いだした。

彼らはまた、このことが、内核が、前回の転回点が 1970年代初めに起きた 70年の振動の一部として逆向きに回転していることに関連している可能性を明らかにしている。

著者たちは、この変動が磁場や一日の長さなどの地球表面における地球物理学的観測量の変化と相関があることを示している。

著者たちは、この内核回転の振動は、地球表層システムの周期的変化と一致しており、地球の異なる層間の相互作用を示していると結論付けている。







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