世界は全体的に新型コロナウイルスの混乱の渦中にありますが、インドネシアでは、「デング熱」が猛威を奮い始めていることが報じられています。
3月9日までに、1万6000人の患者が出ていて、死者は 100人に達したと伝えられています。
感染マップを見ますと、比較的全土で発生しているようです。
インドネシアのデング熱発生状況
・BeritaSatu
インドネシアは、最近まで新型コロナウイルスの感染がほとんど確認されていませんでしたが、この数日で感染確認が増加していて、3月9日までに、19人の患者が確認されています。
今後、インドネシアでも新型コロナウイルスの感染が拡大した場合、インドネシアは、新型コロナウイルスと共に、デング熱とも戦わなければならなくなる状況となり得ます。というよりも、これは熱帯や亜熱帯のすべての国と地域にいえることなのかもしれません。
タイでも以下のように報じられています。
タイのデング熱患者、2カ月で約5000人
タイ保健省によると、年初から2月24日までにタイ国内で報告があったデング熱、重症型のデング出血熱とデングショック症候群の患者数は4732人で、このうち2人が死亡した。
昨年 2019年の患者数は12万8964人で、133人が死亡した。
デング熱はデングウイルスを持つ蚊に刺されることで感染する。一度かかると免疫ができるが、異なる型のデングウイルスに感染した場合は再発症する。
感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は通常3~7日。症状は急激な発熱(38~40度)、頭痛、関節痛、筋肉痛など。特効薬はなく、一般的に対症療法が行われる。(newsclip.be)
ブラジルでも、デング熱の症例報告が 2月15日までに 6万件に達したことが報じられていました。
タイでは、「デング熱と新型コロナウイルスに同時に感染していた人が死亡した」ことについても伝えられています。
新型コロナウイルス感染のタイ人男性が死亡 デング熱にも感染
保健省は3月1日、これまでにタイ国内で新型コロナウイルス感染が確認された42人のうちスワンナプーム空港から約15キロ離れたサムットプラカン県バンプリー郡にある免税店「キングパワー」で販売員として働いていた35歳のタイ人男性が2月29日午後6時25分に多臓器不全で死亡したと発表した。
1月27日に民間病院を受診した時にデング熱と診断された後、2月5日の検査で新型コロナウイルス感染が判明した。
男性は試験的に抗ウイルス剤や回復感染者の血漿投与による治療を受けており、2月16日から新型コロナウイルスが全く検出されていないことから、保健省は死因の解明が必要としている。
(バンコク週報)
なお、先ほどのインドネシアのデング熱での致死率は 1%未満ですが、デング熱には、「重症型」があり、こちらの場合は、致死率が、最大 50%に跳ね上がります。
デング熱は、特別な治療を行わなくても重症に至らない場合が多く、死亡率は1%以下といわれる。
ただし、時折、重症型のデング出血熱になることがある。デング出血熱は口や鼻などの粘膜からの出血をともない、死亡率の低いデング熱と異なり、通常でも10%前後、適切な治療を受けない場合は40~50%が死亡するといわれる。
デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測できない。
今年は、今の時点で感染が拡大しているということは、アジアの多くの国で、新型コロナウイルスとデング熱が同時に拡大していく可能性もあるのかもしれません。
ちなみに、日本では、2013年までは、デング熱の発生はありませんでしたが、2014年に 70年ぶりに国内感染が確認されています。
2020年はさまざまな感染症に悩まされる年になっていきそうです。