イギリス南西部先端にあるコーンウォールの海岸に、1月と2月までの8週間に「 100頭以上のイルカが死んで打ち上げられている」ことが報じられています。
このペースは通常の何倍というものとなっていて、その原因などの解明が急がれているとのこと。
英国コーンウォール
・Google Map
今回は現地の報道をご紹介しますが、ただ、最近のヨーロッパの海岸は、イルカやクジラの大量死が頻繁に起きていまして、以前のヨーロッパのイメージとは少し違います。
最近の記事でも、
・ドイツの海岸に打ち上げられたクジラの胃の中は「プラスチックのゴミで満杯」だった (2016/04/25)
・10月中旬に世界各地で連続したクジラの座礁。南極ではこれまで知られていない種のクジラの死体も発見される (2016/10/22)
などで、ヨーロッパでの最近の「海の異変」を取りあげたこともあります。
2016年10月20日のクジラの座礁
世界中のどこの海でも、今は異変がとても多くなっていますが、原因については基本的にはわかっていないのですから、今後こういう現象が収まるのか増加するのかはわかりません。
ただ、この数年に関しては増加の一途にあるように思えますので、突然減るというのは考えにくい面はあります。
では、イギリスのイルカの大量死についての現地の報道です。
記事の中に、「漁業のトロール船が原因ではないか」とする専門家の意見が出てきますが、漁業にトロール船が使われているのはここ最近の話ではなく、100年は経つ上に、英国においては、トロール漁は最盛期より大幅に減っていますので、有力な原因と考えるには無理がありそうです。
短絡的な理由を原因に求めている限りは、いつまで立っても、イルカやクジラの大量死の真実には近づかないような気もいたします。
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Dolphin 'massacre' claim as 100 wash up in eight weeks
devonlive.com 2017/02/22
8週間で100頭のイルカが打ち上げられていることについて、イルカの「大量虐殺」だとの主張も
コーンウォールの海洋野生生物のある専門家は、イギリス南西のこの海域で大量のイルカが死んでいることについて「虐殺だ」と述べる。
このわずか8週間に、106頭のイルカが打ち上げられているのだ。
コーンウォールでは、昨年からイルカの座礁が増加しているが、それでも 2016年は1年間を通じてのイルカの座礁は 205件だった。2015年以前は、すべて 100件以下だった。
それが今年は2ヶ月間程度で 106頭のイルカが打ち上げられているというのはあまりにその数が多く、専門家たちは原因について議論している。
この原因について、大規模な漁業のトロール船が原因ではないかと述べる専門家もいる。サバ、ニシンなどの漁のためのトロール船は、それらの魚の生息域がイルカと競合しているという。哺乳類は、トロール船で使用されるネットに巻き込まれると、水面下にもっていかれて窒息するのだと専門家はいう。
2016年のクリスマス以来、コーンウォール州のメーバーギシーからサウスデボン州のプリマスにかけて、数十頭の死んで腐ったイルカが運ばれてきている。
コーンウォールに隣接するデヴォン島でも、今年だけで 30頭以上のイルカが死亡しているのが発見されている。
地区の環境保全の担当であるデボン・ワイルドライフ・トラストのスポークスマンは「これらの死の正確な原因を突き止めることは難しい可能性がありますが、現在発生しているイルカの大量死は、その数から考えても、保護のための大きな緊急性を提供するものです」と述べている。
今後、地区政府や漁業関係者など、当事者たちの話し合いも含めた協力が行われることが期待されている。