大量死 異常な現象 疾病と感染症

中国でのアフリカ豚コレラによる殺処分頭数が「1億頭」を超える

投稿日:

2019年9月4日の米CNNの報道より


CNN




 

アフリカ豚コレラという豚の感染症が中国などで発生してから、1年ほど経とうとしていますが、その猛威は収まっていません。

中国では、7月までの 1年間で、「 1億頭」もの豚が殺処分されたことが報じられています。

以下は、それを報じる米 CNN の記事です。


China could release emergency pork reserves after losing 100 million pigs to swine fever
CNN 2019/09/04

中国は豚コレラで一億頭の豚を失い、政府は、緊急用の備蓄豚肉を放出する可能性を示唆

アフリカ豚コレラが猛威を奮っている中国では、これまで国内の豚の3分の1が殺処分された。

このことから、中国の政府当局は、世界最大の豚肉市場を安定させるための劇的な措置について議論している。

中国は、豚肉の巨大な産地であり、地球上のすべての豚の半分がいる。豚肉は、中国の食事の主食ともいえ、その不足は中国の社会的安定を損なう可能性があることを意味する。また、豚コレラの蔓延が、世界の豚肉供給の安定を脅かす可能性もある。

中国当局はすでに、養豚場や、価格の高騰に苦しむ可能性のある家族への補助金など、養豚市場を強化する計画を立てているが、現在、さらに危機に対処するための取り組みを強化している。

政府の統計によれば、豚肉の小売価格は過去 1年の間に 70%近く高騰した。卸売価格の平均は、 8月の最終週で前年同時期と比べて 90%高いが、専門家たちは、さらなる値上がりを予想している。

中国当局は、必要に応じて、政府が備蓄する緊急用の冷凍豚肉を放出することを約束した。放出するかどうかは市場の動向を見極めた上で決定する。

中国農務省が発表した統計によると、7月現在、過去 1年の間に中国国内で殺処分された豚は 1億頭を超えた。

中国はすでに、一部の都市で特定の量の豚肉を購入することを市民に制限する配給制度を導入している。また、一部の地方自治体は、高騰する価格を相殺するために豚肉の割引をおこなっている。

たとえば、南部の南寧市では、豚肉は今月、平均市場価格の少なくとも 10%引きで販売された。同時に、南寧市の市民は、1日の豚肉購入限度が 1キログラムに制限されている。

アナリストたちは、豚肉の価格は、今後数ヶ月間高騰し続けると予測している。

また、中国の豚肉生産量が今年 25%減少する可能性があると推定する。これは、150万トンに相当する。


 

ここまでです。

豚コレラの問題は日本でも同じように深刻で、飼育頭数などの点から、中国の 1億頭などという数とは桁がちがうにしても、この 1年間で、13万頭が殺処分されています。

しかも、以下の日本農業新聞の記事にありますように、日本でも「拡大していく一方で、終息の気配が見えていない」のです。

豚コレラ発生1年 終息兆し見えず 養豚場、4県40例

日本農業新聞 2019/09/10

国内で豚コレラが26年ぶりに発生して9日で1年を迎えた。これまで養豚場での発生は4県40例、殺処分された豚は13万頭超に上る。現在も毎週のように発生が相次ぎ、終息の兆しは一向に見えず、対策を徹底してきた農家の疲弊感は強まっている。

豚コレラ発生農場は1年間で岐阜県から愛知県、三重県、福井県へと広がり、8日までに40例となった。ウイルスを広げて終息を困難にする陽性の野生イノシシは長野県、富山県、石川県でも確認が相次いでいる。

発生農場の殺処分と消毒による早期封じ込め、農場への侵入を防止する飼養衛生管理基準の徹底で発生を食い止めようとする現場の努力が続くが、終息の見通しは立っていない。

このようなことになっていまして、そして、中日新聞の「豚コレラ拡大、一日最速420メートル 年明けに関東到達か」という報道では、来年までには関東にまで豚コレラが拡大するのではないかという専門家の予測を取り上げています。

他にも、アジアでは、ベトナムやフィリピン、韓国などでも豚コレラの感染が確認されていまして、いろいろな国で手がつけられない状態となっているようです。

豚肉価格などへの影響が出てくるのは当然として、あまりにもこの拡大が続くような場合、将来的には、豚肉そのものが手に入りにくい状況となっていく可能性もあるのかもしれません。

自然災害での農業被害や、豚コレラなどの感染症の拡大など「食」に関しての問題がとても多く露見し続けています。

過去数十年、比較的安定が保たれていた世界の食糧サプライチェーンが、少しずつ崩れてきている気配さえも感じる最近です。







-大量死, 異常な現象, 疾病と感染症
-, , , , , ,

Copyright© 地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー , 2024 All Rights Reserved.