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中国最大の淡水湖が過去70年で最大の干上がり。電力不足も深刻に

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中国最大の淡水湖である鄱陽湖の最近の様子。 soundofhope.org




中国の干ばつは次第にカタストロフ的なレベルに

中国では全体的にかなり長い猛暑と雨不足が続いていまして、水力発電の比率が比較的高い(約 20%)中国では、現在、多くの生産工場の一時停止を命じる通知が出されていることが報じられています。

そのような中、中国最大の淡水湖である鄱陽湖 (ポーヤン湖)が、「干上がった」という報道がなされていました。

この「干上がった」というのはやや大げさで、実際には、水域が大きく縮小したということで、「 1ヵ月前」より約 66%水域が縮小したということです。

とはいえ、衛星写真では、水域の減少はこの 66%という数値以上にも見えます。

以下の、左が昨年 7月、右が「現在」です。

昨年と今年の鄱陽湖の水域の衛星写真

soundofhope.org

この水の減少が急速に起きたことが、SNS に投稿された動画でわかります。

以下は、鄱陽湖の大体同じ場所から撮影された動画のスクリーンショットですが、左が「先月」、右が「現在」です。1ヵ月で「水から土に」なったことが示されています。

今年7月と8月の鄱陽湖の比較

bridgeduan

中国の干ばつもかなり壊滅的になっているということのようですが、ただ、ある程度は、サイクル的にこういうことは起きていまして、今から 11年前の 2011年にも、「鄱陽湖が干上がる」という報道をご紹介したことがあります。

 

[記事] 今世紀最大の中国の干ばつで枯れ上がる揚子江と中国最大の淡水湖
 In Deep 2011年05月27日

 

今回の干ばつは、当時を上回っている可能性はあるのかもしれないですが、かなり長い期間でのサイクルから見れば、特別に異常なことともいえないことなのかもしれません。

ただ、以前と異なるのは、「中国の工場生産が止まると、西側諸国の経済と、企業の業績に大きな影響が加えられる」ということかもしれません。11年前の中国は、今のように全世界に影響を与えるという国ではなかったです。

これから台風などのシーズンに入りますので、それで水資源が回復するかという感じでしょうか。

この秋に大雨などに恵まれなかったとすれば、今後、中国国内への影響だけではなく、日本企業などへの影響も厳しいかもしれません。

ここから鄱陽湖に関しての報道です。




 

中国最大の淡水湖である鄱陽湖が干上がり、干し魚が並ぶ川となる

中国第一大淡水湖鄱阳湖干涸成河 鱼晒成鱼干
soundofhope.org 2022/08/22

長江流域での継続的な高温と少雨の影響により、長江の水位は急激に低下し続けているが、中国最大の淡水湖として知られる鄱陽湖の湖もそれに続いて急速に水位が 10メートル以上も低下した。湖の大部分の水域が姿を消し、乾燥し、ひびの入った浜辺となっている。

浜辺には取り残された多くの魚が干からびている。

中国共産党の公式報道によると、8月19日、鄱陽湖の象徴的な水文観測所である星子観測所が 10メートルの低乾水位を下回り、鄱陽湖は予定より早く乾季に突入した。

今年は、1951年に記録が開始されて以来、鄱陽湖が低乾季に入る最も早い年となった。報告によると、鄱陽湖の水位は、継続的な高温と少雨、および長江からの水不足の複合効果により、急速に低下した。

8月19日、鄱陽湖の興子観測地点の水位は 9.87メートルで、過去最高水位の 22.63 メートルの半分以下だった。

報告によると、鄱陽湖の水位はさらに低下し続けており、国家衛星気象センターの監視データは、湖の面積が大幅に「縮小」していることを示している。

8月18日、江西省の鄱阳湖の水域は約 1,113平方キロメートルで、2022年7月10日より約 66%減った。つまり、わずか 1ヶ月あまりで約 66%減ったことになる。

衛星画像から判断すると、現在の鄱陽湖はもはや湖のようには見えず、主な湖面が消失し、川のように見える。ほんの 1か月前は鄱陽湖は中国最大の淡水湖だった。

さらに、中国共産党の公式報道によると、重慶の嘉陵江にある大きな干潟が水面から出現し、揚子江の武漢地域では、水位が前年同期より 2階建ての建物以上低くなった。本来なら、この時期の揚子江は、洪水が起きるが、今年は「洪水期に干上がった」と報じられている。

報告によると、8月4日から 8月18日にかけて、多くの観測所の水位が半月近くにわたって大幅に低下した。宜賓ステーションの水位は 8月5日の 6.25メートルから 8月18日には3.4メートルまで低下した。







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