戦争の時代 最期の食糧危機

中国の穀物「輸入」量が過去最高を記録。猛烈な勢いで世界中から食糧を買い続けている

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thediplomat.com




猛烈な穀物の購入ぶり

以前、以下の記事で、「中国が本気で世界中の穀物を買い始めると他国にはよくないかもしれない」というようなことを書きました。

歴史上最悪の食糧危機の「最期のトリガー」を引くのは「中国」。それが故意か故意ではないかは別として
 In Deep 2022年4月21日

 

この記事では、中国政府が、2020年以来、アメリカから膨大な穀物を輸入していることが示されていることなどを取り上げましたが、それは現在も「拡大」していまして、つい最近のカナダの農業系報道メディアでは、

「中国は世界最大の小麦の買い手になる可能性が高い」

報じていました

以下はその記事にあったグラフです。


producer.com

このグラフですと、急増には見えないかもしれないですが、よく見れば、予測では、

「2023年の小麦輸入量は、2018年の 3倍」

です。

「世界中から買いあさっている」という表現をしても不自然ではないかもしれません。

 

世界の農業と食糧分析会社のグロ・インテリジェンス社が、最近、

「中国の穀物輸入が過去最高になった」

ことを伝えていました。

トウモロコシの輸入にいたっては、「 2010年から 20倍以上」になっているのだそうです。

中国は、昨年の全国人民代表大会委員(全人代)で、食糧安全保障の確保を焦点のひとつとしていましたが、忠実に実行されていることになります。

[中国全人代で食糧安全保障の確保が焦点に]という報道 (2022/03/06)

 

それと比較すれば、日本は、食糧安全保障を真剣に考えているとはとても思えず、「食べ物がなくなることなどない」というような幻想の中にいるままです。

グロ・インテリジェンスのレポートをご紹介します。




 


中国の穀物輸入は過去最高を記録。ブラジルへの依存度が高まっている

China’s Grain Imports Reach Record With a Growing Reliance on Brazil
gro-intelligence.com 2023/03/28

中国の穀物と大豆の輸入量の急増は 2023年も続いており、ブラジルからのトウモロコシ輸入は、ブラジルの出荷の 2桁のシェアに達した。

中国が、食糧購入について米国から離れ、食料購入を多様化しようとしているため、中国は、増大する輸入需要を満たすためにますますブラジルに依存することが予想される。

中国の穀物輸入は長年にわたって大幅に増加しており、トウモロコシの輸入は 2010年から 20倍以上に増加している。

今年 2月には、トウモロコシと小麦の両方の輸入が記録的な量に達した。

今月のトウモロコシの輸入量は、前年比で約 60%増加し、米国が全体の約 40%を占め、ウクライナとブラジルがそれぞれ約 4分の1のシェアを占めている。

中国は昨年の春、ブラジルを含む国からのトウモロコシの購入を開始した。

これは、ロシアとウクライナの戦争によってブロックされた穀物の出荷を部分的に置き換えるためだった。今年は、 当社の機械学習ベースの収量予測モデルに基づくと、より多くのトウモロコシの作付面積と好天が記録的な収穫をもたらすように予測されているため、ブラジルはさらに大きな役割を果たすように見える。

ブラジルのトウモロコシの輸出は通常、5月以降にピークに達し、米国の販売との大きな競争となる。

現在、米国のトウモロコシの総輸出量の約 25%が中国に向けられている。2021年の米国のトウモロコシの中国への売上高は 51億ドル (約 6800億円)と評価された。中国は 3月中旬以降、米国の古いトウモロコシを約 275万トン購入した。

中国の穀物と大豆の輸入の増加は、主に国内の豚肉需要に牽引されている。

COVIDパンデミックの制限が緩和されたため、1月と2月に中国の豚肉消費量は前年比で5 0%以上増加した。

このような急速な増加率は持続可能なものではないが、 当社は 2023年と 2024年に、中国の豚肉の需要が前年比で増加し続けると予想している。豚の健全な在庫も、今年の穀物需要を確実なものにするだろう。

中国は、大豆輸入量も最初の 2か月で増加し、前年比で 16%増加したが、2月の量は 1月から減少した。

2月の大豆輸入の大部分は米国からのもので、ブラジルは大雨による打撃を受けた。しかし、今後数か月で大量のブラジル大豆が供給されると予想されているため、中国は来年まで米国の大豆にあまり関心を持たない可能性がある。







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