2016年9月16日の米国Aolニュースより
最近、中国科学アカデミーが保有する南京の紫金山天文台が、衝突すれば、核兵器 30億発分のエネルギーを持つとする小惑星「 2009 ES 」を望遠鏡でとらえ、地球と月の 18.8倍の距離を通過したと発表しました。
地球と月の距離の 18.8倍(18.8LD)は、約720万キロとなりますが、天文学的にはこの規模の小惑星としては、かなり地球と近い場所を通過したことになります。
紫金山天文台
・15tianqi.cn
その発表は、中国科学アカデミーのサイトにあるのですが、地球に最接近した日の正確な日付け、大きさ、その他どうも詳細がよくわかりません。
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小惑星の名称は、基本的に「初めて発見された年」と認識していますので、2009 ES と名付けられているということは、2009年に発見されたものということになりまして、それならば、NASA など、世界の天文観測機関に登録されているはずです。
そこで、NASA のジェット推進研究所データベースを見ましたら、2009 ES は登録されており、軌道も計算されていました。
2009 ES は、9月22日現在、下の軌道をとっていて、図の上では地球と重なり、文字が読めないと思いますが、地球のかなり近くにあるようです。
2009ESの9月22日の位置
8月から10月くらいまでの軌道上の動きは下のようになります。
https://www.youtube.com/watch?v=IaQzfaOOMHc
よくわからないですけれど、おそらく、最接近の日はもう過ぎているようです。
普通は、このくらいの接近距離の軌道コースを持つ小惑星は、スペースウェザーに一覧として示されるのですが、この 2009 ES については載っていません。
NASA と中国科学アカデミーでの観測結果の違いの問題なのでしょうかね。
いずれにしてもこの、最近の地球に接近したものとては未曾有の巨大小惑星は(おそらく)無事に通過していったようです。
ただ、何となく釈然としない部分も残るこの小惑星騒動ではありました。