2019年9月11日の米ニューヨーク・タイムズより
バハマ諸島が、史上最大級のハリケーン・ドリアンの直撃を受けてから、そろそろ10日目になろうとしていますが、それまで被害の全容そのものがはっきりとしていなかったバハマ諸島の被害が明らかになりつつあります。
以下の 9月4日の記事では、バハマ諸島の中のアバコ島という島に関して、「ほぼ完全に破壊された」ことにふれさせていただいています。
このアバコ島に関しては、「無償の建物はひとつもない」という惨状となっていることも判明したようで、ハリケーンによる破壊としては、かつてないほどのものであったようです。
アバコ島の現状
・AP
アバコ島の位置
・Google Map
このアバコ島をはじめとして、ハリケーン・ドリアン後のバハマ諸島での行方不明者の数が、2500人に上っていることが報じられています。
確認された死者数は 50人となっていますが、何しろ、アバコ島をはじめとして、まだ復旧や捜索がなされていない場所が多いようで、その中で、安否が確認されていない人の数が 2500人もいることがわかってきました。
行方不明者の捜索
・CNC3
写真をご覧になってもおわかりかと思いますが、倒壊した建物や設備などの瓦礫が多すぎる状態で、捜索は簡単にはいかない状態のようです。
そもそも、アバコ島などでは、数日前まで、ヘリコプターが着陸できる場所さえ見つからないという状態だったようです。
ドローン(無人機)で撮影された写真では、アバコ島では、損傷を受けていない建物がひとつもない様子がわかります。
ドローンで上空から撮影した現在のアバコ島
このような中で、まだ 2500人の方々の安否がわかっていないということになっています。
もちろん、2500人のすべてが生命の危機と関係しているということではなく、避難所などにいる人々の身元確認も完全にはおこなわれてはいない状態ですので、行方不明者の中には、無事に避難した人や、アメリカに出国した人もいるはずです。
しかし、情報が統制されていない中では、この 2500人という数字も確かなものではないようで、被害の全容が明らかになるには、相当の時間がかかりそうです。
アバコ島の生存者の方々は、取材に対して以下のように言っています。
「アバコは消えました」
日本も、台風15号の影響が千葉県などに深刻な停電と通信被害を起こしていますが、台風やハリケーンが、以前に比べてはるかに、文明を大きく損傷する例が増加し続けています。