
戦地のロシア軍兵士。TASS
ウクライナ側の総犠牲者数は100万人に
ロシアの TASS 通信が、ロシア国防省の報告にある統計を報じていまして、それによれば、2025年だけで、7月までのウクライナ軍兵士の損失数が「 30万人に達した」と報告しています。
ロシア側の発表ですので、完全に正しいかどうかはわからないですが、昨年までの一連の数値と合わせても、比較的矛盾のない数字かと思われます。
ここでは「損失」という表現にさせていただいていますが、これは死者数という意味だけではなく、つまりは「戦闘不能状態になった兵士」を指します。
行われているのは戦争ですので、何人を殺したというようなことに意味があるわけではなく、相手の戦闘能力を削ぐのが目的ですので、死者も含めて、戦闘を継続できない負傷者、行方不明者などが含まれます。
昨年 2月のロシア国防省の発表では、戦争開始以来のウクライナ兵士の損失が 44万人に上ったとしていましたので、それから約 1年半で、戦争開始以来の損失が 100万人に達したというのは、増加率としては特に変わりはありません。
ウクライナでは、かなり強制的な徴兵が行われていることが問題となっていますが、それ以上に、「まともな訓練を行わないまま戦場に送られてしまう」ということがあり、特に新兵の生存率が非常に低いです。
昨年 9月には、「ウクライナ軍の司令官」が、
「 1年前に入隊した新兵のうち、現在残っているのは 1割か 2割」
だと声明で述べていたことが報じられていました。ロシア側が述べていたのではなく、ウクライナ軍のトップがそう述べていたのです。
以下の記事にあります。
・昨年秋に部隊に入隊したウクライナ新兵のうち残っているのは「100人のうち10人か20人」というウクライナ軍の現実
地球の記録 2024年10月2日
その声明によると、
・訓練水準が低いため、新兵全員が武器の持ち方を知らなかった
・新兵の平均年齢は現在 45歳
・過去 1年間の徴兵部隊の人員喪失率が 80~ 90%
とのことで、この状況は今はさらに進んでいると思われます。そもそも、この昨年の時点で「新兵の平均年齢が 45歳」という状況で、人手不足が極限になっていることがわかります。
どちらの軍にしても、苦労しているのは兵士たちばかりということもあり、しかも、犠牲者は今後も増えていきますので、本当は終戦に至るのが最もいいのだとは思いますが、その目処は立っていません。
7月31日にロシア国防省から発表された数値についての報道です。
2025年初頭からのウクライナ兵の死者が30万人を記録したとロシアが報告
Russia records 300,000 Ukrainian losses since start of 2025
The Cradle 2025/08/01

ロシアメディアは 8月1日、国防省の週刊報告書を引用し、2025年にウクライナ軍兵士数十万人が死亡または負傷したと報じた。
ロシアの通信社 TASS によれば、ウクライナ軍は今年初めから約 30万人の死傷者を出した。
同メディアは、ロシア国防省の週報および日報によると、ウクライナは 7月に約 3万6000人の兵士を失い、2025年の最初の 6か月間で 26万5000人以上の兵士を失ったと指摘した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今年初め、ウクライナは 2022年以降 10万人の兵士を失ったと述べていた。モスクワによれば、2024年だけでウクライナ軍の犠牲者は 59万人、2022年の戦争開始以来の犠牲者は 100万人を超えるという。
ロシア国防省は金曜日、同軍がドネツク人民共和国(DPR)のウクライナの居住地 7か所を占領したと発表した。
「南方戦闘集団の部隊は敵の防衛線深くまで進撃を続け、ドネツク人民共和国のチャソフ・ヤル市を解放した…中央戦闘集団の部隊はドネツク人民共和国とドネプロペトロフスク州の領土で攻勢作戦を継続した。彼らはドネツク人民共和国のボイコフカ、ベルギカ、ノヴォクラインカの各集落を解放した」とロシア国防省は声明で述べた。
今月初めにトルコが主催したロシアとウクライナ間の第3回停戦協議は大きな進展を生むことはできなかった。
米国とロシアは今年 3月にサウジアラビアで会談し、紛争終結への道筋を築くことで合意していた。
しかし、ドナルド・トランプ米大統領は最近、ワシントンがウクライナに「大量の」武器を送ると発表しており、これは重大な政策転換と評されている。
トランプ大統領はまた、合意に至るための 50日間の期限を定め、期限が過ぎればロシアに 100%の関税を課すと表明した。今週初め、トランプ大統領はこの期限を短縮する計画を発表した。
「今日から約 10日か 12日後に新たな期限を設定するつもりだ」とトランプ大統領は月曜日 (7月28日)、スコットランドで英国のキア・スターマー首相との会談中に述べた。「待つ理由はない…進展が見られない」
ウクライナと米国は、ウクライナ国内のドローン製造産業への米国の投資を盛り込んだ画期的な合意について詳細な交渉を行っていると、ウクライナのユリア・スヴィリデンコ首相が 7月18日に発表した。