チリの報道より
今年3月の、
・南米チリで有毒な「藻」の大発生で2300万匹の養殖サーモンが大量死し、同国の魚輸出産業の崩壊の危機に
2016/03/14
という記事でご紹介した、チリの歴史で類を見ないサーモンの大量死を始めとして、今年のチリの海域では海洋生物の大量死が相次ぎました。
2016年3月10日のチリの報道より
そして、今年1月から4月末の時点までの大量死の総計が「サーモンだけで 39,942トン」に上ることが当局から発表されました。サーモンの数としては 2,500万匹ほどにも相当するとのことです。
イワシは 8,000トンが打ち上げられています。
すべて、今年に入ってからのことで、特に過去数週間に集中しています。
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前述したサーモン 2300万匹の大量死以外では、今年になってから以下のようなものがありました。小規模なものは、他にも多数起きていたものと思われます。
2016年のチリの主な大量死
イカ 2016年1月
サンタマリアの海岸一面に死亡したイカが打ち上げられました。この時はイカだけが打ち上げられました。
イワシ 2016年4月に複数回
写真は、一面に打ち上げられたイワシの海岸を歩く地元の漁師さん。
[参考記事]南米チリで連続する大規模な魚の大量死。今度は600トンのイワシが海岸に打ち上げられる (2016/04/14)
マテガイのようなもの 2016年4月
・CNN
これら大量死の総計がついに、サーモンで4万トンとなるという事態になっています。
サーモン4万トンというと、どのくらいかといいますと、たとえば、データでは、日本でサケの漁獲高2位の岩手県が、
・サケ漁獲量 16,052トン
とありますので、日本第2位の漁獲量の県で1年間に捕獲されるすべてのサケより多いということになります。
南半球のチリは、これから冬に向かいますので、今後は藻の発生は抑えられていくと思いますが、問題はこれから夏になる北半球で、同じような「藻の大発生」が起きた場合、チリと似たようなことが起きる可能性が常にあることかもしれません。
何しろ今は世界中の海で「藻が劇的に増えている」のです。
[参考記事]「大量死が著しく増加している原因」も「アルツハイマー病が著しく増加している原因」も、どちらも同じ理由が絡んでいるかもしれない — それは「世界中で増大する藻=シアノバクテリア」 (In Deep 2016/02/21)