2015年のアジア太平洋西セクター、下の地図の示されている場所ですが、そこで起きた自然災害の発生数は 344件であることが、、国連の経済社会理事会の5つの地域委員会のうちのひとつであるアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)により発表されていました。
アジア太平洋西セクターで2015年に起きた主な災害
上の図にあるうちの主な災害を抜粋しますと、以下のようになります。
- 2月と8月 アフガニスタン 地滑り 317人死亡
- 4月25日 ネパール 地震 8,790人死亡
- 5月 インド 熱波 2,248人死亡
- 7月15日 パキスタン 洪水 219人死亡
- 7月 パキスタン 熱波 1,229人死亡
- 7月 ミャンマー 洪水 110人死亡
- 10月14日 フィリピン 台風 51人死亡
- 10月26日 アフガニスタン 地震 395人死亡
- 11月8日 インド 洪水 325人死亡
- 12月20日 中国 地滑り 91人死亡
報告によれば、2015年に上の地図にある地域は、国としてほとんどすべてが何らかの自然災害の影響を受け、344件の主要な自然災害があったとのこと。この 344件という数は、2015年に起きた全世界の自然災害の約半分にあたるそう。
この 2015年の 344の自然災害の結果として、アジア太平洋地域では 16,000人が亡くなり、そして、影響を受けた人々の数は 5900万人に上ったそう。
また、自然災害により、約 5,000億円の経済的被害をもたらしたと見られています。
アジア太平洋経済社会委員会の専門家たちは、その中で、14,000人の死につながった 52の災害が報告された南アジアが、最も大きな影響を受けたとしています。4月のネパール地震では、最終的に 8,900人以上の方が亡くなったとされています。
ネパール地震(2015年4月25日)
・itv
また、委員会は、自然災害での人的被害が増加している背景には、アジアにおいて、各地で急激な「都市化」が進んでいることを挙げています。
このアジア太平洋地区では、現在、7億人以上が都市部に住んでいて、それら都市部は、地震、洪水などの自然災害の際により大きな被害が出やすいということが報告されていました。
しかし、アジアの都市化と、都市部への人の集中は今後も収まらないはずです。
「都市の希求」という概念が人々から消滅するまでは。
そして、気候の極端化も避けられないことのように思いますし、この「災害の時代」は今後も継続してしまいそうです。