2021年1月10日 パキスタン・カラチ。見えている電気は自家発電によるもの。
AFP
パキスタンで大規模な送電システムのクラッシュにより「全土がブラックアウト」という異例の事態が起きています。
パキスタンの人口は、2億1200万人ですが、そのほぼすべての人たちが影響を受けるという、世界の停電事例でもあまり聞いたことがない状態となりました。
パキスタンの位置
Wikipedia
パキスタンの電力相は、停電の原因について「送電システムの周波数の突然の急落によって引き起こされた」と述べています。
パキスタンの面積は 79万平方キロメートルもあり、約 38万平方キロメートルの日本列島の倍にも迫る面積を持つ国でもあり、そのような国で全土が停電に陥るというのは珍しいことだと思います。
単純な原因とも思えないですが、今の「何でもあり」のこの世では、こういうことも他の国や地域でも起き得るのかもしれないとはいえ、「極寒の中」でこういう大停電が発生することだけは勘弁してほしいところです。
日本でこのような大規模な停電が起きる可能性はほとんどないでしょうけれど、地域的には大雪や、寒波による電力使用量の逼迫などによる使用制限が発生しないとも限らないですので、非常用の暖房設備は何かひとつあってもいいかもしれないですね。
このパキスタンの停電について、米国 CNN の報道をご紹介します。
停電によりパキスタン全土が暗闇の中に
CNN 2021/01/10
パキスタンにおいて、全国規模での電力網の崩壊が発生し、1月9日の夜に 2億1200万人のパキスタンの人々が電力を失った。
パキスタンのオマー・アユブ・カーン電力相は、「全国的な停電は、送電システムの周波数の突然の急落によって引き起こされた」とし、エネルギー相は「パニックにならないように」と国民に述べた。
声明の中でエネルギー省は、パキスタンのシンド州南部にあるグドゥ火力発電所で障害が発生し、その後、全国の発電所が停止したと述べた。
カラチでは、多くの人たちが自家発電機用のガソリンの購入に殺到したため、ガソリンスタンドには長い列ができたという。
現在、パキスタンのさまざまな地域で電力を回復するための取り組みが進行中だ。パキスタン最大の都市であるカラチでは、都市に電力を供給している会社の情報によると、現時点(1月10日時点)では電力は復帰していない。
エネルギー相は、首都イスラマバードでは、1月10日午前、主要部分で電力が復旧したとツイートした。
停電にもかかわらず、パキスタンのすべての航空便は機能し続けていると主要航空会社である PIA のスポークスマンは述べた。国内のすべての主要空港にはバックアップ発電機があるためだという。
パキスタンでは停電自体は珍しくはなく、そのため、ほとんどの主要な病院、空港、その他の機関には独自の発電機がある。また、停電に備えて、経済的に余裕のある人たちは、ガソリン発電機を家に置いてある場合が多い。