国連大学の調査による世界171カ国の自然災害のリスク度
国連の機関の中で、唯一、日本に本部がある「国連大学」という機関があります。
大学とついていますが、いわゆる学生が勉強するという意味での大学ではなく、研究機関と考えるとよろしいかと思います。
国際連合大学 - Wikipedia
国際連合大学は、東京都渋谷区に本部を置く、国連の自治機関。
国連およびその加盟国が関心を寄せる、緊急性の高い地球規模課題の解決に取り組むため、共同研究、教育、情報の普及、政策提言を通じて寄与することを使命としている。
国連システムおよび国連加盟国のシンクタンクとしての機能を持つ。
その国連大学が、8月25日に、全世界 171カ国の自然災害に対してのリスクの順位を発表しました。それを色分けしたのが冒頭の地図です。
濃いピンク(■)の「リスクが非常に高い」から、濃い緑(■)の「非常に低い」までの5段階にわけられていますが、日本は、この中の最上位の「リスクが非常に高い」に分類されています。
171カ国中の順位は 17位と、主要国の中では異例の高さであり、日本がかなり高い自然災害のリスクを持っている国ということが調査結果から明らかになっています。
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この調査は、
・地震
・台風
・洪水
・干ばつ
・海面上昇
の5つの自然災害に対しての、28項目について分析したもので、日本は災害に耐える力は欧州各国と並ぶ上位にありますが、「災害へのさらされやすさが世界で4番目」となっていまして、17位という高い結果となったようです。
確かに、その5つの自然災害のうちの「干ばつ」以外は、ほとんど日常的に体験しているのが私たち日本人で、台風にしても地震にしても、わりと大きな被害を繰り返し受けています。
ちなみに、他の主要国では、
・中国 85位
・アメリカ 127位
・ロシア 128位
などとなっていて、日本の高さが目立ちますが、しかし、中国にしてもアメリカにしても、今年のこれらの国々の自然災害の状況を見ていますと、たとえば、中国は、今年、洪水により壊滅的な被害に遭っていて、そして、中国の洪水の規模は年々増しています。
アメリカやロシアも国土面積が広いですので、国全体が巻き込まれるような自然災害はなくとも、洪水や竜巻、ハリケーン、そして干ばつ、大雪、などの自然災害はやはり激しさを増しています。
ですので、「地球全体が変化している」中では、国別の順位というものはあまり関係ないような気もしますが、「自然災害が増えている」ということについても、過去 30年間で世界の自然災害の発生件数が「2倍に増大している」という事実も、国連大学の資料でわかります。
1980年から1982年までの期間の自然災害の数は全世界で約 400件で、経済的損失は 500億ドル(約 5兆億円)でしたが、2013年から 2015年では、自然災害の件数は約 900件にのぼり、経済的損失は 3000億ドル(約 30兆円)となっているのでした。
上のグラフは「緑」が洪水を示していますが、洪水の著しい増加が見てとれます。
そして、おそらく、今後もこの洪水の増加は止まらないように思います。その理由は、別の機会に書くかもしれないですが、太陽活動なども含めて、わりと具体的に挙げられると考えています。
なお、この調査での上位 10カ国は、
バヌアツ
トンガ
フィリピン
グアテマラ
バングラデシュ
ソロモン諸島
ブルネイ
コスタリカ
カンボジア
パプアニューギニア
となっていて、これらの国の自然災害が非常に高いことをあらわしています。また、171カ国中 171位、つまり「最も自然災害のリスクが低い」のは、中東のカタールでした。