2016年12月22日のロシアのSNSへの投稿
ロシアの SNS に、「北極圏にある永久凍土の場所でジャガイモが育っている」という投稿がなされ、話題となっています。 永久凍土とは、
永久凍土とは少なくとも2冬とその間の1夏を含めた期間より長い間連続して凍結した状態の土壌を指す。(Wikipedia)
というように定義されていまして、「ずっと大地が凍結している状態の場所」ということになります。 そういう場所に「作物が育っている」というのが本当なら、非常に大きな環境の変化が起きている可能性を示します。 Sponsored Link
家庭菜園でジャガイモが育っているのは、ロシアのネネツ自治管区のサレハルトという場所です。投稿によれば、育っているといっても、ほんのわずかな成長だということですが、育成されているということです。 サハレルトは下の位置にあります。
ロシア・ネネツ自治管区サレハルトの場所 ・Google Map
ロシアの永久凍土は、シベリアや北極圏などを中心に広く分布していて、下のようになっています。
ロシアの永久凍土の分布
これを見ますと、サハレルトは、地図の分布で青色の部分、つまり、「どの季節でも、どの場所でも常に永久凍土」という場所であることがわかります。 永久凍土の場所に植物がないわけではなく、氷の土壌の表層は草で覆われていたりする光景を写真で見ます。
永久凍土の一例
しかし、土が凍ったままの状態で広く根を張るタイプの作物が育つということは、あまり考えられないことで、つまり、本当にサハレルトにジャガイモが育っているとすれば、「北極圏の永久凍土が崩壊している」という可能性もあります。 特に、最近の北極は大変に暖かいことが報じられています。
今年の12月 北極は記録的温かさ
sputnik 2016/12/25
今年11月と12月の北極は記録的な暖かさで、例年より5℃も高くなっている。ВВСが伝えた。
学者たちは「カトリックのクリスマスには、北大西洋から暖気が流れ込むため、さらに記録が更新される可能性がある」と懸念している。その結果、気温が0℃を越えた場合、例年よりも20℃も高くなってしまう。
地球全体が暖かくなっているのなら、めでたい(?)ことですが、現実には北極より南にある多くの地域は、最近の下のような記事でご紹介しているように、異常に低い気温が続いています。
・北極より寒い北米:カナダは氷点下50度に近づき、アメリカでも各地で100年以上の記録を破る桁外れの寒波に (2016/12/20)
・異常な寒さに見舞われているロシア : 北極が -7℃の時に、ロシア中部では気温が -50℃にまで下がる地域も (2016/12/21)
これらから言えるのは、今の地球に、「気候の大転換」が起きていると考えるのが妥当なのかもとも思います。
北極圏の永久凍土や凍結状態が「崩壊」するかどうかは、来年の春以降の状況ではっきりしてくると思われます。