15人に1人が免疫不全
アメリカで、免役抑制状態にある人たちが急増していることについては、少し前に、米国医師会の調査の論文の概要を翻訳しました。
[記事]アメリカ成人の15人に1人(6.6%)が「免役不全状態」にあることが米国医師会の調査で判明
BDW 2024年2月16日
米国医師会雑誌の論文より
…対象となる成人 29,164人のうち、6.6%が、報告された健康状態、処方箋、治療に基づいて現在、免疫抑制を受けていた。 加重有病率は、免疫抑制状態にある人が 4.4%、免疫抑制剤を服用している人が 3.9%、その両方が 1.8%だった。
JAMA
これについて、エポックタイムズが詳細な記事を掲載していましたので、ご紹介したいと思います。
なぜ、免役不全状態の人が増えているのか、ということについて、専門家たちの意見を載せています。
免役抑制状態の人たちが増えている原因については、確かにひとつに断定できることではないでしょうが、コロナワクチン(あるいはコロナの自然感染)が関係しているというように考えることは、時期的には妥当な気もします。
なお、この調査は、実際に人びとの免役状態を検査したものではなく、米国医師会による聞き取りによる推定です。
ここからエポックタイムズの記事です。
米国の免疫抑制の有病率が倍増、薬物使用と COVID が関係していると専門家たちは述べる
Immunosuppression Prevalence Doubled, Linked to Medication Use and COVID: Experts
Epoch Times 2024/02/21
2021年に、米国成人の推定 6.6%が免疫抑制状態にあった。2013年は 2.7%だった。
米国医師会雑誌(JAMA)の研究論文の推定によると、2013年から 2021年の間に米国の成人の免疫抑制率は 2倍になった。
2021年には、米国成人の推定 6.6%が免疫抑制状態にあった。「この免疫抑制率は、2013年の国民健康面接調査による以前の全国推定値 2.7%よりも高かった」と著者たちは論文に書いている。
研究者たちは、国民健康面接調査の結果を分析することにより、免疫抑制の有病率を推定した。
具体的には、著者たちは 5つの質問に対する回答を分析した。
2万9,000人以上を対象に、健康問題があるかどうか、あるいは免疫システムを弱める薬や治療を受けているかどうかを尋ねた。また、ガンか悪性腫瘍に罹患しているかどうか、ガンの種類、ガンと診断されたときの年齢も質問された。
2013年には 34,000人以上が問診され、世帯の 75%から回答を得た。2021年には、連絡を受けた世帯のうち約半数のみが調査に回答した。
なぜ免疫抑制が増加しているのだろうか
「免疫抑制の増加が記録されていることから、この増加の原因を理解するには研究が必要である」と著者たちは書いている。しかし、免疫抑制の増加は、免疫抑制剤の使用増加による可能性があると研究者たちは述べる。
自己免疫疾患の治療に使用されるアダリムマブの使用は、2014年から 2021年の間に 3.5倍に増加した。
免疫抑制には、「感染症への感受性の増加、臓器拒絶反応の可能性、免疫抑制剤の副作用、がんリスクの上昇、妊娠関連の懸念など、重大なリスクが伴います」とエリー湖オステオパシー医科大学病理学教授のモハマド・ラザク氏は語った。
免疫抑制は加齢とともに自然に発生するが、さまざまな免疫抑制療法を受けていることが原因で発生することもある。このような治療を受けている人々には、臓器移植患者や自己免疫疾患やガンを患っている人々が含まれる。
ヴァンダービルト大学医学部の医学および予防医学の教授であるウィリアム・シャフナー博士は、有病率の上昇は科学と健康の進歩を意味している可能性があると推論した。
「米国では、免疫抑制剤による治療を受けて生存している人がますます増えており、その治療により寿命が延びている。これは、免疫抑制されている人口の割合が増加していることを意味します」とシャフナー博士は述べた。
国民健康面接調査からのデータでも、自己申告によるガン罹患率の上昇が示されている。2015年のアメリカ疾病管理予防センター (CDC) の統計によると、成人の 8.7パーセントが、ガンを報告している。
2021年には、成人の 9.8%が、ガンを患っていると推定されている。2022年の最新調査では、ガン罹患率はわずかに減少し、成人の 9.6パーセントが、ガンを患っていると推定された。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、人々は自分の免疫の健康状態や免疫抑制を受けているかどうかをより意識するようになった可能性もある、と研究報告書の著者たちは付け加えた。
新型コロナウイルス感染症と免疫抑制
研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ウイルスが免疫系の機能と秩序を混乱させ、免疫機能不全や免疫不全を引き起こす可能性があることが示されている。
Nature Reviews Rheumatology に掲載された 2023年の研究では、COVID 患者は自己免疫疾患を発症するリスクが高く、潜在的な免疫不全に関連している可能性があることがわかった。
COVID のパンデミックは、すでに免疫力が低下している人々にとって特に困難をもたらしたかもしれない。免疫力が低下している人が COVID に感染すると重症化する傾向があり、ワクチンの効果は低いようだ。
ラザク氏は、パンデミック中に実施された公衆衛生対策も、これらの人々が医療や免疫抑制の治療を受けるのに障害を生み出した可能性があると述べた。
他の研究者や医師たちは、COVID ワクチンも免疫抑制や免疫不全に寄与する可能性があると主張しているが、一部の研究では反対の結果が得られている。
クリーブランドクリニックの調査によると、COVID ワクチン接種の繰り返しの追加接種は、その後の COVID 感染のリスクにさらすことが示されている。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載されたコロンビア大学の著者たちの別の論文では、ワクチン接種後のワクチン抗体レベルが高い人は、感染症との関連性がより強いことが示された。
ごく最近のオーストラリアのレビュー論文は、免疫力が低下した個人に対して繰り返し COVID ワクチン追加接種を行うと、集団内の免疫活性化が損なわれ、感染症やガンに対してより脆弱になる可能性があることを示唆した。
ラザク氏は研究論文の中で、インフルエンザワクチン接種を繰り返し受けた人々で報告されているインフルエンザ感染の増加を指摘し、頻繁な追加接種が免疫抑制に関連しているのではないかと推測した。
シャフナー博士は、ワクチン接種の繰り返しに関連した感染症の増加が一般的な免疫抑制の兆候であるかどうかには議論の余地があると述べた。
シャフナー博士は、「これは非常に議論の余地のある問題です」と述べ、ワクチン接種の繰り返しに関連して COVID 感染のリスクが増加したとしても、「免疫系の全般的な抑制を示す重大な証拠」はないようだと付け加えた。
しかし、北欧の専門家たちによる研究は、COVID やインフルエンザワクチンを含む非生ワクチンは、免疫系を「怠惰」にし、感染症と戦う能力を弱める傾向があることを示唆している。対照的に、生ワクチンは免疫システムを訓練してより優れた戦闘機となるようにするという。
消化器科医でプロジェナバイオーム社の最高経営責任者(CEO)であるサビーヌ・ハザン博士は、COVID ワクチンが腸内の善玉ビフィズス菌を減らすことで免疫抑制を引き起こす可能性があると述べている。
ハザン博士によると、COVID mRNAワクチン接種後、治験参加者のビフィズス菌レベルが半分に低下したことが示されたという。
ビフィズス菌は腸の免疫力を高めるのに欠かせない。ハザン博士の以前の研究では、腸内のビフィズス菌が減少している人は重篤な新型コロナウイルス感染症のリスクがあり、ビタミン Cや D、イベルメクチンなどのビフィズス菌を補充する治療法が患者の生存率を改善したことを示した。
ここまでです。
後半に出てくる「ワクチン接種による腸内のビフィズス菌の減少」については、以下の記事で取り上げています。
[記事]ワクチンが「腸内細菌の多様性を極端に悪化させる」ことが判明。接種したお母さんから授乳された赤ちゃんのビフィズス菌が「ゼロ」になる事例も
In Deep 2023年10月29日
ここでご紹介した記事には以下のような下りもあります。
> 博士は、ワクチン接種を受けた母親から母乳を与えられた赤ちゃんでビフィズス菌を持たない例を目撃した。
接種者のお母さんからの授乳により「その赤ちゃん腸内のビフィズス菌が消滅してしまった」のです。
ビフィズス菌は、乳児期の赤ちゃんの腸内マイクロバイオームの最大 95%を構成するという重要なもので、ビフィズス菌を失った赤ちゃんたちも、一時的にしても、免疫に問題を抱えることになりそうです。
これは、最近世界中で広がっている赤ちゃんたちの病気の拡大とも関係しているかもしれません。