日本の国立天文台のウェブサイトに、9月6日、「回転する小惑星ジュノー」というページが上がりました。
これは、国立天文台がアメリカやヨーロッパなどと協力して、チリのアタカマ砂漠で運営しているアルマ望遠鏡という大型電波干渉計によって観測された「ジュノー」という小惑星についてのものでしたが、この小惑星は、小惑星という存在でありながら「直径が 240キロメートル」もあるのです。
そんなサイズの小惑星は聞いたことがないですので、ご紹介しようと思った次第です。
チリのアタカマ砂漠で運営されているアルマ望遠鏡
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アルマ望遠鏡は、日本、台湾、アメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパにより共同で運営されており、正式名は「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」というもので、その英語の頭文字から ALMA =アルマと呼ばれています。
そのアルマ望遠鏡がとらえた小惑星ジュノーは、火星と木星の間の軌道を回っている直径 240キロメートルと超巨大なものです。
下が、静止画から作成された小惑星ジュノーが回転する様子です。
この小惑星がある場所は、下の位置の軌道にあり、火星に近い場所に軌道を持っています。
このように図にしますと近く見えましても、小惑星ジュノーの地球からの距離はおよそ3億キロメートルほどもあり、とても遠くにあるものです。ですので、これが地球に関係するというものではないのですけれど、それにしても、太陽系の中にこんなに大きな小惑星があるということを初めて知りました。
240キロという大きさが、小惑星としてどのくらい大きいかといいますと、たとえば、探査機ロゼッタにより調査が進められた「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」は、最も長い部分の直径が約4キロメートルです。
その「4キロメートル」程度の天体でも、地球の地表と比較しますと、下のようになるのです。下の写真は、ロサンゼルス市の街と大きさを比較したものです。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星とロサンゼルスの比較
240キロメートルというのは、この 60倍の大きさですからね。
「そういう大きさのものが、それほど激しく遠いわけでもない太陽系内にあるんだ・・・」と、何だかしみじみと思いました。
もちろん、こういうサイズのものが地球に接近することはないでしょうけれど、いろいろなものが近隣宇宙にあるということを理解した次第です。