昨年秋に、以下の記事にありますように、 NASA が、「新しい太陽活動周期が始まった」と発表して以来、弱い活動ながらも、太陽は極小期から次第に黒点活動期に移行しています。
新しい太陽活動周期「サイクル25」が始まったとNASAとNOAAが公式に発表
In Deep 2020年9月16日
黒点も次第に出現することが多くなっていますが、そのような中、
「 4年ぶりにXフレアが発生した」
ことがスペースウェザーで報じられていました。
最後の Xフレア発生は、2017年9月でした。
以下が 7月3日の太陽フレア様子です。右上の部分が爆発した黒点です。
2021年7月3日 X1.5の太陽フレアが発生
spaceweather.com
太陽フレアは、強い順に、
X (数が多いほど強い)
M
C
B
となっていて、今回のフレアは、X 1.5ということでした。
おもしろいのは、この大きな太陽フレアを発生させた黒点は、実は黒点ではなかったのです。
黒点というものは、それが黒点として確認されたものは、すべての黒点に、重複することのないナンバリング(数字)がふられまして、現在は、黒点群 2837 までが示されています。
ところが、今回 Xフレアが発生した領域は、「ナンバリングがされていない」ものでした。つまり、
「黒点として認識されていない領域で Xフレアが発生した」
という珍しい現象となります。
これから黒点として成長していくであろうと予測されていた領域が「成長前にいきなり爆発する」というのは、実に珍しいことです。
私も太陽の情報を見始めて以来 10年以上になりますが、初めて見ました。
Xフレアを発生させた「名のない領域」
NASA
不思議なこともあるものですね。
……というか、「妙に強いエネルギーが太陽内部でどうにかなっていたりしている徴候とかではないよね?」と自分に言い聞かせていましたが、これまで見たことのないような現象が起きるということは、これまでとは何か異なるエネルギーが太陽に生じているということなのかもしれません。
この「黒点になる前に大きなフレアを起こしたことについては、スペースウェザーの記事でも、
> 爆発を起こした領域は昨日は存在せず、太陽活動の予測不可能性を浮き彫りにした。
とあり、専門家たちもややたじろいだようです。
ここ数日は Xクラスのひとつ下の Mクラスのフレアが数回続けて起きていまして、しばらくは太陽活動に注目する時期なのかもしれないですね。
こんなご時世に超巨大フレアが発生して「世界的な大停電を誘発」とかいうようなことになったら、それはそれで大変ですし。
まあ、そこまでなることはないとしても、実際に、太陽活動の先行きの予測は本当にできなくなっていまして、私にしても「弱くなる一方」と考えていたのですが、そういう単純なことでもなさそうです。
心づもりとしては、超巨大フレアが数カ月、数年のうちに発生するかもしれないという可能性は、頭の隅にでも置いておいていいのかもしれません。