2016年12月31日に撮影された本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星
2017年2月7日に撮影された同じ彗星。「尾」がありません
・spaceweather.com
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今月 11日に地球に最接近し、明るく輝く光景が観測できることが予測されている彗星があります。
この名前がまたどうにもならないほど長いのですが、その理由は、彗星の名称というのが、基本的に「最初の発見者」の名前がつけられることによります。この彗星は 1948年12月に「3人」によって同時に発見されました。それぞれは、日本のアマチュア天文家の本田実さん、チェコの天文学者のアントニーン・ムルコスさん、そして、スロバキアの天文学者のリュドミラ・パイドゥシャーコヴァーさんの3人でした。
それで、ついた名前がこの3人の名前をとって、本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星・・・。
2014年に、欧州宇宙機関 (ESA) の探査機ロゼッタが調査したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星もずいぶん長い名前でしたが、それを上回るものとなります。
まあ、名前はともかく、その彗星が、最も最近撮影された写真により「彗星の尾を失っている」ことがわかったのです。1ヶ月ほど前には尾があったことが確認されていますので、その間に何かがあったことになります。
2月7日に撮影された他の写真
この現象について、スペースウェザーの記事は、天文学者の推定として 2016年12月31日以降に、彗星が金星の軌道内で太陽に近づいた際に、太陽の熱で彗星の核が大量に気化したのではないかとしています。
つまり、本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星は「現在、核を失った状態」にあるのではないかということです。これは推定に過ぎないですが、だとすると、最接近する頃には、彗星の輝き自体が減少していくということになるのかもしれません。
あるいは、尾が観測されないのは何か他の理由なのかもしれないですが、この彗星に一体何が起きたのか。2月11日に地球に最接近した時に、どのような形で観測されるのかに興味があります。