コロナの長期の後遺症というようなことが報じられることがあります。
その症状は多彩ですが、その中でも「ブレインフォグ(脳の霧)」とか、あるいは、ストレートに「認知障害」という事例が言われることがありますが、この原因が、
「スパイクタンパク質にある」
ことがブラジルのリオデジャネイロ連邦大学の研究者たちによって突きとめられたことが報じられています。
論文は以下にあります。
(論文) SARS-CoV-2のスパイクタンパク質は、長期的なTLR4 (Toll様受容体4)を介したシナプスと、コロナ後症候群を再現する認知喪失を誘発する
SARS-CoV-2 spike protein induces long-term TLR4-mediated synapse and cognitive loss recapitulating Post-COVID syndrome
この「スパイクタンパク質」というのは、新型コロナに自然感染した場合にも得るものですが、
「コロナワクチンで体内に作り出すものも、このスパイクタンパク質」
だということにも気をつける必要があるかもしれません。
自然感染あるいはコロナワクチン接種によって体内に生成されるスパイクタンパク質が、長期のコロナ後遺症のうちの認知障害につながるということがわかったという論文です。
スパイクタンパク質は、脳にさまざまな影響を与えるようです。
まあ……以下の In Deep 記事に書きましたけれど、「もしかすると」ということですが、今後のワクチン接種では、これまでより強くスパイクタンパク質が生成されるという可能性もないではなく、懸念のひとつにはなるかもしれません。
他にも懸念は多いですが。
[記事] 製剤形式変更により「完全な凶器」と変貌した可能性のあるファイザー社ワクチンがもたらすかもしれない今後
In Deep 2022年6月12日
リオデジャネイロ連邦大学の論文の内容を取りあげていた記事をご紹介します。
なお、この中に「 Toll様受容体4」という、あまり聞き慣れない言葉が出ていますが、私も理解しているわけではないですが、 In Deep の以下の記事で、多少説明させていただいています。
[記事] ガン化していく世界 : ふたつの免疫抑制/免疫不全が発生するメカニズムを知る
In Deep 2021年10月26日
説明ですと、Toll様受容体というのは、
> Toll様受容体(TLR)は動物の細胞表面にある受容体タンパク質で、種々の病原体を感知して自然免疫を作動させる機能がある。 (Toll様受容体)
というもののようです。
自然免疫に重要だと思われるものだと思われます。
この応答が悪くなると、ガンを含めた様々な病気と関係してくるようですが、脳も同様のようです。
脳の炎症が促進されることになる可能性が論文に書かれています。
ここから記事です。
ブラジルからの新しい研究は、長期のコロナ後遺症の認知障害が、Toll様受容体4のシナプスの問題を誘発する SARS-CoV-2 スパイクタンパク質によって引き起こされることを示している
New Study From Brazil Shows Cognitive Impairment In Long COVID Is Caused By SARS-CoV-2 Spike Protein Inducing Long-Term TLR4-Mediated Synapse Issues
thailandmedical.news 2022/06/12
ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学の研究者たちによる新しい研究では、長期のコロナ後遺症に現れるさまざまな認知問題と認知障害は、実際には長期の Toll様受容体4を誘発する SARS-CoV-2 スパイクタンパク質によって引き起こされることがわかった。
この研究からは、COVID-19 に感染した人だけでなく、ワクチンを介してスパイクタンパク質にさらされた人にも影響を与える可能性がある。
Toll様受容体4は、ヒトでは TLR4遺伝子によってコードされるタンパク質だ。Toll様受容体4は、膜貫通型タンパク質であり、Toll様受容体ファミリーのメンバーであり、パターン認識受容体(PRR)ファミリーに属している。その活性化は、細胞内シグナル伝達経路 NF-κB と、自然免疫系の活性化に関与する炎症性サイトカインの産生をもたらす。
Toll様受容体4の発現細胞は、リンパ系(T細胞、B細胞、NK細胞)ではなく骨髄系(赤血球、顆粒球、マクロファージ)だ。
ほとんどの骨髄細胞はまた、リポ多糖(LPS)による TLR4の活性化を促進する高レベルの CD14 (CD14陽性単球)を発現する。多くのグラム陰性菌および選択されたグラム陽性菌に存在する成分であるリポ多糖(LPS)を認識することで最もよく知られている。
進行中の COVID-19 のパンデミックは、前例のない規模で世界の人口に影響を及ぼし、SARS Cov-2 感染の長期的な影響が深刻な懸念として浮上している。
認知機能障害は長期のコロナ後遺症の患者で報告されることがあるが、その根本的なメカニズムは不明なままだ。
ブラジルの研究チームは、成体マウスの側脳室への注入による SARS-CoV-2 スパイクタンパク質への脳曝露が、後期認知障害、海馬シナプス喪失、およびシナプス前終末のミクログリア飲み込みを誘発することを実証した。
この研究結果は、スパイクタンパク質が脳に直接影響を与え、認知機能障害を防ぐための重要な標的が Toll様受容体4であることを特定している。
これは、知る限りでは、長期のコロナ後遺症の認知障害を再現する最初の動物モデルであり、COVID-19 の神経学的転帰を予防または治療するための新しい戦略を開発するための新しい道を開くことが期待されている。