
2025年11月9日に撮影された3I/ATLASの光学画像。
今度は謎の無線信号
次々と話題を振りまく太陽系外から来た恒星間天体 3I/アトラス(3I/ATLAS)ですが、今度は、
「3I/アトラスからの奇妙な信号を天文台が受信した」
ことが報じられています。
3I/アトラスは、現在の推測では「銀河の中心から来た」とされていますが(In Deep のこちらの記事の後半を参照)、いろいろと変化を示す中での新しい現象となります。
この報告もまた、7月以来、3I/アトラスを観測し続けている米ハーバード大学のアヴィ・ローブ博士による報告です。ローブ博士は、3I/アトラスが「知的な地球外生命による何か」であることを主張し続けている人です。
ただ、無線信号を受信したといっても、自然で発生する信号はいろいろとあります。
また、3I/アトラスの周囲から「ヒドロキシルラジカル」という分子が検出されたことも報告されていますが、このヒドロキシルラジカルの分子が、このような電波の発生要因なのではないかとも言われています。
ヒドロキシルラジカルとは以下のようなものです。
ヒドロキシルラジカルは、活性酸素の一種で、酸素と水素からなる非常に反応性の高い分子です。OH•で表され、細胞内のDNAやタンパク質、脂質などを酸化する作用があり、細胞損傷や老化、生活習慣病の原因とも考えられています。 GEMINI
3I/アトラスは「死の液体」として知られる猛毒ニッケルカルボニルを噴出していることも確認されていますし(過去記事)、いろいろと物騒なものを周囲に撒きながら飛んでいるようです。
英デイリーメールの記事をご紹介しますが、このデイリーメールの記事の後半に出てくる「ワオ! 信号」というのは、以下のようなものです。
Wow! シグナル - Wikipedia
Wow! シグナルとは、天文学における未解決案件の一つ。1977年8月15日に地球外知的生命体探査プロジェクト(SETIプロジェクト)の観測を行っていたオハイオ州立大学のジェリー・R・エーマンが、ビッグイヤー電波望遠鏡で受信した電波信号である。日本語では「ワオ信号」ともいう。
狭い周波数に集中した強い信号で、太陽系外の地球外生命によって送信された可能性が指摘されている。
受信された電波は、恒星間の通信での使用が予想される信号の特徴をよく表していた。これに驚いたエーマンは、プリントアウトした表の該当部分を丸で囲み、"Wow!" と書き足した。そのため "Wow! signal" が信号の名前として広く使われるようになった。
ハーバード大学のアヴィ・ローブ博士によれば、3I/アトラスは、このワオ!信号が発せられたと思われる場所とおおむね同じ場所からやってきているようです。
これについては、3I/アトラスが、予測された軌道をずれ始めたときに書いた以下の記事にあります。
・予測された軌道をずれ始めた天体アトラス。これは「ブラックスワン事象の予兆だ」と述べるハーバード大学教授。そして彼が語る指向性パンスペルミアとは
In Deep 2025年10月25日
謎の星間天体3I/ATLASが地球に接近するにつれ、奇妙な信号が検出される
Strange signal detected from mysterious interstellar visitor 3I/ATLAS as it moves closer to Earth
dailymail.co.uk 2025/11/11

天文学者たちが、太陽系を高速で通過する謎の恒星間天体 3I/アトラスからの無線信号を受信した。
研究者たちは南アフリカの MeerKAT 電波望遠鏡を使用して、10月24日にこの天体の周囲にヒドロキシルラジカル(OH)を検出した。
「これらの分子は、MeerKAT のような望遠鏡が捉えることができる独特の電波特性を残している」と、夏以来 3I/アトラスを研究しているハーバード大学のアヴィ・ローブ教授は説明した。
分子の分析によると 、謎の物体 3I/アトラスの表面温度は約 -45°F (摂氏 -42℃)で、直径は最大 6マイル (約 10キロメートル)に及ぶことが示唆されている。
「この吸収信号は 3I/アトラスからの最初の電波検出となる」とローブ教授は付け加えた。
この検出は、3I/アトラスが地球の軌道面付近を通過してからわずか数日後に行われたため、観測が容易になった。
11月9日に撮影された光学画像では、この物体が、太陽の方向に約 60万マイル (約 100万キロメートル)、反対方向に約 180万マイル (約 280万キロメートル)にわたって巨大な物質のジェットを噴出していることが明らかになった。これは空にある太陽や月の直径とほぼ同じだ。
現在、地球からの距離は 2億300万マイルであり、この距離は 3I/アトラスの活動の規模がいかに大きいかを示す初めての明確な測定値となる。
ローブ教授によると、新たな測定結果から、この星間物体の直径は少なくとも 3マイル (約 5キロメートル)あることが示唆されているという。
「6マイル (約 10キロメートル)かそれ以上になる可能性があります」とローブ氏は付け加えた。
比較すると、2017年に発見された有名な恒星間物体 1I/'オウムアムア (最初に確認された太陽外から来た天体)の大きさはわずか数百フィート (100フィートは約 30メートル)だった。
ローブ教授によると、3I/アトラスのジェットの極端な規模は根本的な疑問を提起している。
もしその物体が自然の彗星であれば、ジェットの速度はもっと遅くなり、観測距離に到達するまでに数か月かかるはずだ。
むしろ、流出物の並外れた質量、密度、明るさは、何か異常なことが起こっている可能性を示唆している。
「これらの数字は、自然の彗星を説明するには難しいのです」とローブ教授は語った。「必要な質量の減少、近日点の急速な増光、そして大きさはすべて異常を示唆しています」
3I/アトラスの真の性質は、この天体が地球に最も接近する 12月19日に判明するだろう。
現時点では、ハッブル・ウェッブのような宇宙望遠鏡によって、ジェットの速度、構成、総質量を最終的に測定できるはずだ。
これらの観測は、3I/アトラスが従来と同じ氷から成る彗星なのか、それとも質量損失がはるかに少ない同様のジェットを発生させる技術的なスラスタ (推進力を発生させる装置)によって駆動されているのかを判断するのに役立つ可能性がある。
一方、NASA のジュノー宇宙船は、2026年3月16日に木星から 3,300万マイルの距離を通過する際に、ダイポールアンテナを使用して低周波の無線信号を探しながら、3I/アトラスを探査する予定だ。
世界中の観測所も 3I/アトラスを監視しているが、その理由の 1つは、この物体の軌道が 1977年の有名な「ワオ!」信号の方向から 9度以内に揃っているためだ。
ローブ氏はさらにこう付け加えた。「 3I/アトラスは、星間物体をリアルタイムで研究できる貴重な機会を与えてくれています。電波と光学データの組み合わせは、彗星が大量の物質を放出し、信じられないほどのスピードで移動し、自然彗星に関する私たちの理解を揺るがすような動きをしていることを示しています」