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肉眼では見えないほど小さく、「完全に自律的に感知、計算、移動できる」ロボットをアメリカの科学者たちが開発。人間の体内の細胞の状態も自らの意志で監視できる

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開発された「完全に自立して動き、判断する」ロボット。背景は「指紋」で、指紋の溝ほどの大きさです。
ご自身の指紋を見てくだされば、その小ささに改めて驚かれると思います。




世界最小の完全自立型極小ボット

米ペンシルベニア大学工学応用科学部の科学者たちが、

「世界で初めて、完全に自律的に感知、判断、移動できるほど賢い極小ロボットを開発した」

ことが、報じられていました。

論文は以下のサイエンス誌に掲載されています。

感知し、考え、行動し、計算する微小ロボット
Microscopic robots that sense, think, act, and compute

これは、主な用途はずばり「人間の体内で稼働させるため」のもののようで、紹介していた科学記事では、

> 個々の細胞をモニタリングすることが可能になる

という部分もありましたが、人間の体内のあらゆる部分を(少なくとも細胞くらいの大きさの部分までは)調査、監視できるという、医学的に「優れた」マイクロボットのようです。

こうなると、体内の状態の監視には、もうウェアラブル装置(スマートウォッチなどの身体に装着する計測システム)さえ不要となるかもしれません。ここまで小さいと「いつ体内に入れられたかもわからない」ですしね。あと、アメリカの国防高等研究計画局の名前も出ていますので、軍事用途でも幅広い使い方が考えられるのかもしれません。

いろいろとテクノロジーは進歩しますが、ここまで来ると、いいのだか悪いのだか…。これを発明した人たちが優秀な科学者たちであることは間違いないのですが。

このペンシルベニア大学工学の研究を取りあげていた科学メディアの記事をご紹介します。なお、記事の中でには、「これまで、このような極小のロボットを作ることがなぜ難しかったのか」ということについての長い記述もあるのですが、そこは専門的すぎますので、割愛しています。

ここからです。





科学者たちが、塩粒よりも小さく、思考できるロボットを開発した

Scientists create robots smaller than a grain of salt that can think
sciencedaily.com 2026/01/06

研究者たちは、ほとんど目に見えないほど小さいながらも、完全に自律的に感知、判断、移動できるほど賢い極小ロボットを開発した。光で駆動し、小型コンピューターを搭載したこれらのロボットは、可動部品ではなく電界を操作することで液体中で「泳ぐ」ことができる。温度変化を検知し、プログラムされた経路をたどり、さらにはグループで協力して作業することも可能だ。この画期的な成果は、この極小スケールで真に自律的なロボットが誕生した初めての事例となる。


指紋の隆起部分でバランスを取れるほど小さいマイクロロボット。

ペンシルベニア大学とミシガン大学の研究者たちは、これまでに作られた中で最も小型の、完全にプログラム可能な自律型ロボットを開発した。

これらの極小の機械は、液体中を泳ぎ、周囲の環境を感知し、自律的に反応し、一度に数ヶ月間稼働することができ、1台あたり約 1セント (約 1.5円)で製造できる。

各ロボットは、写真を拡大しないとほとんど見えない大きさで、その大きさは約 200× 300× 50マイクロメートルだ。

つまり、塩粒よりも小さいと言える。多くの生きた微生物と同じスケールで機能するため、将来的には医師が個々の細胞をモニタリングしたり、エンジニアが高度な製造工程で使用される小型デバイスの組み立てを支援したりするのに役立つ可能性がある

完全に光で動くこのロボットには、プログラムされた経路をたどり、局所的な温度変化を検知し、それに応じて動きを調整することを可能にする微小なコンピューターが内蔵されている。

この研究は、Science Robotics 誌および米国科学アカデミー紀要(PNAS)に報告された。

従来の小型ロボットとは異なり、これらのロボットは配線、磁場、外部制御に依存しない。そのため、このような小型ロボットとしては初めて、真に自律的でプログラム可能なロボットとなっている

「私たちは自律型ロボットを 1万分の 1の大きさにしました」と、ペンシルベニア工科大学の電気・システム工学助教授であり、論文の筆頭著者でもあるマーク・ミスキン氏は述べている。「これにより、プログラム可能なロボットの全く新しいスケールが拓かれるのです」

 

微小ロボットの液体の中での泳ぎ方

魚などの大型遊泳動物は、ニュートンの第三法則 (※ ある物体が別の物体に力を及ぼすとき、その物体は必ず最初の物体から同じ大きさで反対向きの力を受ける)に基づき、水を後方に押し出すことで前進運動を生み出し、泳ぐ。しかし、この小型ロボットは全く異なるアプローチを採用している。

ロボットは曲げたり屈曲したりする代わりに、電界を発生させ、周囲の液体中の荷電粒子を優しく押し出す。イオンが移動すると、近くの水分子も一緒に引きずり込み、ロボットの周囲の流体に効果的に動きを生み出す。

「まるでロボットが流れる川の中にいるかのようです」とミスキン氏は言う。「しかし、ロボット自身も川を動かしているのです

この電界を調整することで、ロボットは方向転換や複雑な経路の追跡、さらには魚群のような集団で協調して移動することが可能となり、1秒間に体長 1つ分の速度に達することができる。

この遊泳法は可動部品のない電極を使用するため、ロボットは驚くほど耐久性に優れている。ミスキン氏によると、マイクロピペット (※ 微量の液体を取り扱うための器具)を使ってサンプル間を繰り返し移動させても損傷しない。LED の光で駆動するこのロボットは、数ヶ月間も遊泳を続けることができる。

 

この微小な体に知性を詰め込む

真の自律性には、単なる移動以上のものが求められる。このロボットは周囲の環境を感知し、判断を下し、自ら電力を供給できなければならない。これらすべての構成要素は、わずか数ミリメートルのチップに収まらなければならない。この課題に、ミシガン大学のデヴィッド・ブラウ氏のチームが挑んだ。

ブラウ氏の研究室はすでに世界最小のコンピューターを開発した記録を保持している。

5年前、アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)のプレゼンテーションでブラウ氏とミスキン氏が出会った時、二人はすぐに互いの技術が互いに補完し合うことに気づいた。「ペンシルベニア工科大学の推進システムと私たちの超小型電子コンピューターは、まさに相性が良いと感じました」とブラウ氏は語る。しかし、そのアイデアを実際に動くロボットにするには、5年の開発期間を要した。

最大の障害の一つは電力だった。「電子機器にとって最大の課題は、ソーラーパネルが非常に小さく、発電量がわずか75ナノワットしかないことです」とブラウ氏は語る。

「これはスマートウォッチの消費電力の10万分の1以下です」システムを機能させるために、チームは極めて低い電圧で動作する特殊な回路を設計し、消費電力を 1000分の1以上削減した。

 

感知しコミュニケーションするロボット

これらの進歩により、研究者たちは、真の意思決定能力を持つ初のサブミリメートルロボットが誕生したと考えている

彼らの知る限り、これほど小さなロボットにプロセッサ、メモリ、センサーを備えた完全なコンピュータを搭載した例は他にない。この成果により、ロボットは周囲の環境を感知し、自律的に反応することが可能になった。

ロボットには、摂氏 0.3分の1℃という小さな変化も検知できる電子温度センサーが搭載されている。この機能により、ロボットはより温かい領域へ移動したり、細胞活動の指標となる温度値を報告したりすることができ、個々の細胞をモニタリングすることが可能になる

それでも、現在のこのロボットは単なる出発点に過ぎない。

ミスキン氏は「これはほんの始まりに過ぎません」と語る。「私たちは、目に見えないほど小さなものに脳、センサー、モーターを搭載し、何ヶ月も動作させられることを実証しました。この基盤ができれば、あらゆる知能や機能を積み重ねていくことができます。これは、マイクロスケールのロボット工学に全く新しい未来への扉を開くものです」

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