
赤ちゃんの脳は電磁波から有意に影響を受ける可能性
インドのムンバイで行われた研究で、スマートフォンや Wi-FI などの電磁波が、小さな子ども(研究対象となったのは、生後2カ月〜12カ月)の「発達遅延を促進している」ことが見出されました。
論文はこちらにあります。
研究によれば、高レベルの放射線に曝露された乳児は「問題解決能力、微細運動能力、社会性における発達遅延の可能性が 3倍高い」ことが示されたそうです。
5G などの強い電磁波は、誰に対してもある程度の影響を与えるでしょうけれど、やはり最も影響を受けるのは、脳がまだ発達中の小さな子どもたちだと思われます。
以前、「お腹の中の赤ちゃんと電磁波の関係」を以下で取り上げたことがありました。
・そして5Gと子どもたちとお腹の赤ちゃんたちの脳
In Deep 2023年3月28日
ここでは、2018年のドイツの報道も取り上げていますが、「青年期の特定の脳領域の発達に悪影響を与える可能性がある」ことがわかったとして、以下のようにあります。
2018年10月8日のドイツ DW の報道より
この研究では、1年分のスマートフォンの放射線への曝露が、青年期の特定の脳領域の記憶能力の発達に悪影響を与える可能性があることがわかった。ここでの「曝露」という言葉は、ほとんどの場合、通話を意味する。
研究者は以下のように述べる。
「吸収された放射線の 80%は、スマートフォンを頭にかざすことによるものです」
興味深いことに、スマートフォンを頭の右側に持ったときに、脳の記憶機能が放射線の悪影響に対して、より脆弱であることを発見した。この部位には、記憶に関連する脳の領域がある。
研究者たちは、スマートフォンの使用と認知の両方に影響を与える可能性のある思春期を含む他の要因を除外するために、より多くの研究を行う必要があると強調する
また、5G というのは、それまでのサービスと違い、長距離通信に弱いこともあり、5G サービスを展開するためには、
「小規模なアクセスポイントを大量に設置しなくてはならない」
ということがあります。
2020年1月の WIRED より
> ミリ波による通信の問題は、通信キャリアが従来から利用している低周波数帯と比べて、長距離通信の信頼性が大きく劣る点にある。
>
> それゆえ、ミリ波の周波数帯で信頼性が高くユビキタスな5Gサービスを提供するには、小規模なアクセスポイントを大量に設置しなくてはならないのだ。
つまり、5G 時代の私たちは、4G の時代よりも多くの電磁波にさらされているという事実があります。当然、赤ちゃんや小さな子どもたちも、それらに曝露され続けていることになります。
ただ、これらの電磁波から逃れることは現実的には難しいことで、現在では、どんな場所に行っても Wi-Fi は設置されており、集合住宅でも、最初から Wi-Fi が設置されている家屋が多いと思われます。
ですので、ここから完全に逃れることは難しいことですが、少しでも、影響のない環境で赤ちゃんを過ごさせてあげるということは重要なのかもしれません(くどいようですが、現代社会では確かに難しいことですが)。
以下は、ムンバイでの研究についての記事です。
ムンバイはインド最大の都市であり、金融センターでもあり、そして、映画産業の中心地でもあるため、都市の無線網はかなり強大なものとなっている可能性があります。
Wi-Fiが密集した家庭の乳児は発達遅延のリスクが3倍に:研究は新たな健康危機を警告
Babies in Wi-Fi-dense homes face triple risk of developmental delays: Study warns of emerging health crisis
naturalnews.com 2025/08/23
無線放射線への高曝露と、問題解決能力や運動能力の発達の遅れとの関連性が指摘されている。放射線レベルが 1mW/m²を超える家庭の乳児は、放射線被曝量が低い家庭の乳児に比べて 3倍もの高いリスクにさらされている。これらの脆弱性は、発達中の脳における高周波吸収の増加に起因している。

ムンバイで新たに発表された研究によると、無線放射線レベルが高い家庭で暮らす乳児は、発達遅延のリスクが著しく高まるという。
研究者らは、 Wi-Fi、携帯電話、近隣の携帯電話基地局からの高レベルの放射線に曝露された乳児は、曝露レベルが低い環境に置かれた乳児と比較して、問題解決能力、微細運動能力、社会性における発達遅延の可能性が 3倍高いことを明らかにした。
学術誌「Cureus」に掲載されたこの研究では、生後 2~ 12ヶ月の乳児 105人を対象に、家庭内の無線周波数電磁場(RF-EMF)放射線を測定し、神経発達への影響を評価した。
この研究結果は、電磁場(EMF)に対する小さな子どもの脆弱性に対する高まる懸念と一致する。
環境保健トラスト(EHT)の放射線科医、ロバート・ブラウン博士は、この結果を「悲惨な状況」と呼び、発達中の赤ちゃんの脳と水分イオン含有量の増加が、彼らを放射線の影響を受けやすくしていると強調した。
研究の著者らは、高被ばく家庭(放射線量の中央値:32.36 mW/m²)の乳児は、低被ばく家庭の乳児に比べて、微細運動発達の遅れが 2.74倍、問題解決能力の障害が 3.67倍高いことを指摘した。
低被ばく家庭(0.62 mW/m²)では情緒・社会問題を示す乳児はゼロであったのに対し、高被ばく家庭では 11.5%に見られた。
「私たちは、社会経済的要因や出生体重を考慮しても、放射線被曝量の増加と神経発達の悪化の間に相関関係があるという明白なパターンを目の当たりにしています」と、研究の筆頭著者であるスザンヌ・バーディック博士は述べた。
研究の実施方法
研究者たちは、選択的放射線測定器を用いてムンバイの家庭における無線放射線量を測定し、乳幼児を高、中、低の被曝グループに分けた。
保護者は 1年間、毎月神経発達スクリーニングの質問票に回答し、積み木を積む、音に反応するといった能力を評価した。統計分析の結果、社会経済的地位などの変数を調整した後でも、放射線被曝が発達遅延の重要な予測因子であることが確認された。
放射線の閾(しきい)値は公衆衛生擁護者を警戒させた。高被曝グループの住宅は 32mW/m²を超え、建築生物学者が「極めて懸念される」としている 1mW/m²の制限をはるかに超えていた。ただし、連邦通信委員会 (FCC)は 10,000mW/m²まで許容している。
「これらの連邦通信委員会の制限は危険なほど時代遅れだ」と、チルドレンズ・ヘルス・ディフェンスのファリハ・フセイン氏は述べた。エンジニアのエリック・ウィンドハイム氏は、携帯電話の基地局の近くや超インターネット接続世帯を除けば、米国ではこれほど高い数値はまれだと付け加えた。
専門家は政策転換と国民の意識改革を呼びかけ
この研究は、無線技術の規制に関する幅広い議論を巻き起こしている。
チルドレンズ・ヘルス・ディフェンスのミリアム・エッケンフェルズ氏は、無線放射線とがんや DNA 損傷との関連を示す査読済み研究の台頭を指摘し、「親にはこれらのリスクについて知る権利がある」と彼女は述べた。
ブラウン博士は、業界の不合理な見落としを指摘した。
「健康な成人の場合でも、スマートフォンを脚に装着(※ ポケットに入れるなど)したわずか 5分後に異常な血球凝集反応を示しました。乳児に及ぼす累積的な影響を想像してみてください」
環境保健トラストのジョー・サンドリ氏は、メーカーに対し「シンプルな技術的修正」を採用するよう促し、「業界はスピードだけでなく安全性でも競争を始めなければならない」と強調した。
米国小児科学会は長年にわたり、子どもが携帯電話の電磁波を大人の 2倍吸収すること、そして妊婦は胎児への被曝リスクが高まることを警告してきた。
バイオイニシアティブ報告書(2012年)も同様に、無線電磁波と自閉症との潜在的な関連性を指摘し、被曝量の低減を訴えた。
ディフェンダーズのアーカイブに引用されている 200件以上の研究は、電磁波曝露と小児白血病、胎児期に携帯電話を使用していた子どもの白血病、そして青年期の認知障害を結び付けている。
インドの研究は、高周波の電波をデバイスに詰め込む 5Gインフラの世界的な拡大の真っ只中に発表された。
「これは単なる利便性の問題ではありません。5Gは新たなリスクをもたらします」と、研究の共著者は指摘する。「規制当局の透明性と、家族にとってより安全な代替手段が必要です」
家族のための簡単なステップ
これには、さらなる研究が必要だが、実践的なアドバイスは存在する。専門家たちは以下のことを推奨している。
・家庭内、特に寝室での無線機器の使用を減らす。「睡眠中の曝露を最小限に抑えるため、夜間は Wi-Fi をオフにすること」と米国小児科学会はアドバイスしている。
・Wi-Fi の代わりに光ファイバー経由の有線インターネットを使用する。
・子どもの近くにいるときはスマートフォンを機内モードにする。
「多くの親にとって、電源を切ることは犠牲を伴いますが、子どもの将来を守るためにはそれだけの価値があります」とブラウン博士は語った。