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「突然変異したスーパーシラミ」の生息域がアメリカのほぼ全州に拡大。初登場以来、半年ほどで全米を制圧

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2016年8月3日のアメリカ報道より

Mutant ‘Super Lice’ Outbreak Has Now Spread to Nearly Every State

 

アメリカには、スーパーボールとか、いろいろと「スーパー」がつくものがありますが、今度は「スーパーライス」の登場です。

ライスといっても、ご飯のほうではなく、lice =シラミ、のほうです。

これは、突然変異によって、薬剤に対して耐性の遺伝子を持つようになった「薬剤が効かないシラミ」のことで、これは、今年の春にアメリカで初めて報じられたもので、その際に、

アメリカで、スーパー南京虫に続いて、「スーパーシラミ」が全国を侵略中
2016/03/12

という記事で、下のアメリカの報道をご紹介したことがありました。

2016年3月3日のアメリカ報道より

Latin Times

その際は、上のありますように「アメリカの 25州で確認」とされていたものが、今回、改め調査したところ、「テストした 48州中 42州において、サンプルの 100%がスーパーシラミだと確認」とされ、ものすごいスピードで、スーパーシラミが全米に拡大していることがわかったのです。

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科学誌「メディカル・エントモロジー誌(Journal of Medical Entomology / 医療昆虫学)」に最近発表された研究結果によれば、アメリカでのスーパーシラミの分布状況は下のようになっています。

青いのは「採取されたサンプルの100%がスーパーシラミ」だった州です。

countryliving.com

2つの州(ハワイ州とウェストバージニア州)のデータがない他は、ほとんどが、「青」、つまり、サンプルの 100%が薬剤耐性シラミだった州となったわけですが、他の州も「 50%から 99%」がスーバーシラミ(緑の州)、「 100%薬剤耐性シラミだった地域と、そうでない地域が混じっていた州」(赤の州)となっていて、結局は、

「アメリカのほぼすべての州で、ほぼ 100%、スーパーシラミが生息している」

ということになり、おそらく、もうじき、アメリカでは、「完全に 100%」がスーパーシラミになっていくことだと思われます。

2010年頃、アメリカで発生が始まった「スーパー南京虫」は、その後、わりとすぐ、日本にも入ってきました。スーパー南京虫の日本での状況は、2012年の NHK クローズアップ現代「忍び寄る“スーパーナンキンムシ”」などで特集されています。

スーパーシラミのほうも、アメリカから日本へと「輸入」される日も、そんなに遠くないのかもしれません。

これからは、さらに国際的な交流も多いですし、あっという間に広がりそうです。

前回のスーパーシラミの記事の際に記しました、アメリカのラテン・タイムズに載っていた「スーパーシラミの流行について知っておくべき5つの事柄」を再度記しておきます。

スーパーシラミの流行について知っておくべき5つの事柄

1. 2015年以来、ペルメトリンなど伝統的なシラミ用の薬剤で殺すことができないシラミが全米を襲っている。

2. シラミは確かに不快だが、悪いニュースばかりではない。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、シラミは病気を媒介する虫ではない。

3. スーパーシラミは人の髪の毛の直接接触によって拡大していったと考えられる。CDC は、クシや帽子、ヘアブラシ、枕、ヘルメットなどの共有を避けるべきであるとしている。

4. シラミは暗闇の中で最も活発に動き回るため、睡眠中に、皮膚や頭皮などのただれ、かゆみなどで睡眠が阻害されることがある。

5. 完全な治療法が存在する。それは、アメリカ食品医薬品局( FDA )が承認したエアーアレ( AirAlle )を使ったシラミ治療所での治療だ、治療費は 170ドル(約 17,000円)となる。

シラミ治療器エアーアレ

スーパー南京虫にしても、スーパーシラミにしても、最近の「アメリカ発」はわりとストレートに厄介なものが多いようです。

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