2019年4月12日の報道より
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アメリカ北東部でリンゴの木を滅ぼし続ける謎の病気
最近、世界各地で発生し続ける洪水によって、今後の家禽類や農作物の供給に懸念が出始めていますが、史上最悪レベルの洪水の渦中にあるアメリカで、「リンゴの木が謎の病気で大量に枯れている」という事態が発生していることが報じられています。
この事象を起こしている原因菌やウイルスがわかっているわけでもなく、現在は、「急速なリンゴの減少(Rapid Apple Decline / RAD)」という名称で呼ばれています。
科学誌サイエンスによると、アメリカ北東部のノースカロライナ州では、果樹園の 80%がこの謎の病気によって、大量の枯れ死が起きているとのことです。
謎の病気によって枯れたリンゴの木
今後このリンゴの病気がアメリカで拡大していくようなことがあった場合、食糧供給の問題がまたひとつ増えることになるのかもしれません。
なお、現在も影響が続いているアメリカの洪水の先行きを含めた状況と、食糧供給の問題については、以下の記事で取りあげています。
https://indeep.jp/unprecedented-major-flooding-wll-hit-us-with-200-million-americans-at-risk/
そういえば、先月、オーストラリアで、雹嵐によって「10分間で、400万個のアボカドが破壊された」ことを以下の記事で取りあげさせていただいたことがありました。
https://earthreview.net/hail-storm-smashes-4-million-avocados-australia/
何だかこう、世界中で、「食糧がターゲットになっている」ような事象が続きます。
アメリカのリンゴの木の病気の関して、その報道をご紹介したいと思います。
Rapid Apple Decline – massive die-offs of young apple trees across Northeastern U.S. and Canada
watchers.news 2019/04/12
リンゴの急速な減少 – アメリカ北東部とカナダで若いリンゴの木の大量死事象が発生し続けている
現在、アメリカ北東部とその周辺地域で、未知のリンゴの病気が拡大し、大規模な死滅を引き起こしている。
これは、「急速なリンゴの減少(Rapid Apple Decline / RAD)」あるいは「突然のリンゴの減少(Sudden Apple Decline / SAD)」と呼ばれる未知の病気だ。
この問題は、約 8年前に初めて認識されたが、現在拡大が続いている。
この未知のリンゴの木の病気が出現した原因については、仮説だが、激しい気温変動によって引き起こされたとされている。
この問題は、アメリカ北東部のノースカロライナ州とカナダで認識されており、科学誌サイエンスによると、ノースカロライナ州の果樹園では、最大 80%が影響を受けている可能性があるという。
米ペンシルベニア州立大学の果樹の病理学の助教授であるカリ・ピーター(Kari Peter)氏は、2013年に最初にこの病気による枯れ死が出現してから短期間の間に急激にリンゴの木の大量死滅が観測されたことを受けて、警告を発していた。
ピーター助教授は以下のように述べる。
「激しい気温変動による冬のストレスのために木が弱くなり、最終的に木が衰退して死ぬ原因となる、より弱い病気の影響を受けやすくなったと考えられます。これは、最近の気象を振り返ると、説得力のある仮説です」
「ただ、この問題は非常に困難であり、そして深刻です。また、費用のかかる問題でもあり、この問題を解決するにはかなりの時間がかかるでしょう。業界の多くの人々が問題を解決するために協力しています」
この病気の診断特性は次のとおりだ。
・病気が出現したエリアには、病気により枯れた木と健康な気が混在している場合がある。
・若い木(2 – 8年)が最も影響を受けやすい。
・接ぎ木の接着部が影響を受ける。
・接ぎ木と癌腫の周囲の樹皮が激しくはげ落ちる。
・壊死は移植片の結合部で始まり、それは木の幹の上まで進行する。
・影響を受けた木は通常、堅いままで、海綿状にならない。
・木の葉は、最初、淡い黄色に見え始め、次に赤みを帯びる。そして 2週間以内に木が死滅してしまう場合がある。
・感染した木は倒壊することがあるが、それは 7月下旬から 9月にかけて観察されている。