支援物資を受け取るため、ガザ北西部の支援物資配給所に集まる人々。
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国連、ユニセフなどは即時の人道支援に関する共同声明を発表
国連が支援する飢餓監視システムに、「総合食料安全保障レベル分類」(略称は IPC)という国際的な基準で飢餓の状態を検討する多機関によるパートナーシップがあり、その IPC が、8月22日、
「ガザで飢饉が発生していることを正式に発表」
しました。
国際機関から、正式にガザでの飢饉が発表されるのは、これが初めてとなります。
とはいっても、この IPC が、ガザを「壊滅的な飢餓状態」だと分類したのは 5月13日のことで、つまり、今から 3カ月前には、すでに、ガザの飢餓の状態を「最悪」だと判断していたのです。
以下はその際の記事です。
地球の記録 2025年5月13日
なお、総合的食糧安全保障レベルの分類の段階は以下のようになっています。国連世界食糧計画のページからです。
・1) 食料が十分にある状態(IPCフェーズ1)
・2) 食料不安 (IPCフェーズ2)
・3) 急性食料不安 (IPCフェーズ3)
・4) 人道的危機 (IPCフェーズ4)
・5) 壊滅的飢餓、または、飢饉 (IPCフェーズ5)
5月には、すでに、この IPCフェーズ5 だと判断されていたのです。今は8月ですが、正式発表までに、あまりにも時間がかかりすぎてはいないだろうかと思わないでもないです。
それと共に、この IPC の公式の「飢饉」宣言や、国連や WHO やユニセフなどの「緊急な人道支援の勧告」に「法的な拘束力はあるのか」ということです。
飢饉が宣言されたとしても、それに対しての人道支援が再開されないのであれば、あるいは、戦闘がさらに拡大していのであれば、事態は単に悪くなるだけです。
イスラエルに対して「命じる権限」は、これらの発表や声明にあるのかどうか。
それがないのであれば、国際機関の意味はほとんどないわけで、国連も WHO もなくなったほうがいいとは思いますが、現実として、イスラエルに関しての、
「イスラエル内閣、ガザ市占領計画を全面承認」
という報道が、この同じ 8月22日におこなわれています。
2025年8月22日の報道より
イスラエル内閣は木曜の会議でガザ市占領計画を承認したとイスラエル・カッツ国防相が金曜に述べた。
「我々は、集中砲火、民間人の避難、機動演習によってガザ地区のハマスを打倒するというイスラエル軍の計画を承認した」とカッツ氏は米国のソーシャルメディアXを通じて述べた。カッツ氏は、「ハマスがイスラエルの戦争終結の条件、主に人質全員の解放と武装解除に同意しなければ、地獄の門が開かれるだろう」と語った。
この計画では、約 100万人のパレスチナ人を南へ追いやり、市を包囲し、住宅地区に地上襲撃を行うことが想定されている。
イスラエル側の態度はまったく変化がないようです。
このままだと、最悪、ガザの数十万人が生命の危機に直面するしかないわけですが、その最悪の状況に向かっているようです。
IPC のガザの飢饉の正式な宣言に関する報道です。
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IPCがガザ県で正式に飢饉を宣言、中東で初
IPC formally declares famine in Gaza Governorate, marks 1st in Middle East
middleeastmonitor.com 2025/08/22
アナドル通信によると、金曜 (8月22日)に発表された総合食糧安全保障段階分類(IPC)の新たな分析によると、ガザ地区で飢饉が確認され、数週間以内にデリゾールバラーとハーンユニスの各都市に広がると予想されている。
中東で飢きんが確認されたのはこれが初めてとなる。
国連が支援する飢餓監視システム IPC は、「 2025年8月15日現在、ガザで合理的な証拠に基づき、飢餓(IPCフェーズ5)が確認されている」と発表した。
「 22か月に及ぶ容赦ない紛争の後、ガザ地区の 50万人以上の人々が飢餓、貧困、そして死という悲惨な状況に直面している」
一方、世界食糧計画の食糧安全保障・栄養分析部長のジャン=マルテン・バウアー氏と、パレスチナ占領地における WHO 代表のリチャード・ピーパーコーン氏は、「中東で飢饉が起きたのは初めてだ」と指摘した。
IPCの分析によると、9月下旬までに人口の約 3分の1にあたる 64万1000人が壊滅的な状況に直面すると予測されている。さらに 114万人(58%)が緊急事態(IPCフェーズ4)に陥る可能性が高いとされている。
急性栄養失調は驚くべき速度で増加しており、報告書は以下のように述べている。
「 2026年6月までに、少なくとも 13万2000人の 5歳未満の子どもが急性栄養失調に陥ると予想されており、これは IPC の 2025年5月時点の推定値の 2倍である。これには、死亡リスクが高まっている重症の子ども 4万1000人以上が含まれる」
また、55,500人の妊婦および授乳中の女性が緊急に栄養支援を必要としている。
IPC は、今回の危機の原因を食料システムの崩壊、継続的な暴力、そして援助のほぼ全面的な停止としている。
7月には、80%の世帯が食料調達中に安全上のリスクに直面していると報告し、食料不足の中で食料価格が高騰した。
「さらなる貧困、飢餓、そして死を回避するには、即時かつ大規模で、支障のない多分野にわたる人道支援が不可欠だ」と報告書は警告した。
「即時停戦と紛争の終結なしには、これは不可能だ」
飢饉検討委員会は、この大惨事は「完全に人為的なもの」であり、「たとえ数日でも、これ以上の遅延は飢饉関連の死亡率の全く容認できないほどの上昇をもたらすだろう」と強調した。
イスラエルは 2023年10月以来、ガザ地区で 6万2000人以上のパレスチナ人を殺害した。この軍事作戦により、ガザ地区は壊滅的な被害を受け、食糧不足や餓死者が出ている。
昨年 11月、国際刑事裁判所は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント前国防相に対し、ガザ地区における戦争犯罪および人道に対する罪の容疑で逮捕状を発行した。
イスラエルはまた、ガザ地区に対する戦争行為により、国際司法裁判所でジェノサイド罪の訴追も受けている。