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洪水と観測史上最低の気温に見舞われているオーストラリアの最近の洪水で「クイーンズランド州の作物が一掃された」と報じられる

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2022年2月のクイーンズランド州での洪水。 floodlist.com




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洪水により作物に壊滅的なダメージが

オーストラリアは、今年に入ってから、規模の大きな洪水に何度も襲われており、最近のクイーンズランド州の洪水においては、「果物や野菜の作物が一掃された」とオーストラリア ABC ニュースが報じています。

オーストラリアで洪水が繰り返されているのは、主に、東部のニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州で、以下の場所になります。

 

7月上旬の洪水は、この両方の地域に影響を与えたようで、ニューサウスウェールズ州については、以下の報道にあります。

(報道) オーストラリアの食糧生産地で深刻な洪水。5万人が避難 (2022/07/07)

 

5月には、クイーンズランド州で、1ヶ月近くも続いた大雨により大洪水が起きていました。以下の記事で取りあげています。

 

[記事] オーストラリアのクイーンズランド州で季節外れの豪雨。2日で4ヵ月分の雨が降る
 地球の記録 2022年5月16日

 

今年のオーストラリアの他の洪水については、海外の洪水情話メディアのフラッドリストによれば、以下のようになっています。

 

2022年のオーストラリアの主要な洪水

・2022年4月上旬 ニューサウスウェールズ州で豪雨による洪水 (記事

・2022年3月下旬 ニューサウスウェールズ州で洪水 (記事

・2022年3月中旬 ニューサウスウェールズ州で洪水 (記事

・2022年3月上旬 ニューサウスウェールズ州で洪水 (記事

・2022年2月下旬 クイーンズランド州で洪水と鉄砲水の被害 (記事

・2022年1月上旬 クイーンズランド州で洪水 (記事

 

オーストラリアは、もともと干ばつに苦しんでいましたので、雨そのものはありがたいものかと思うのですが、このように洪水が繰り返されていては、農業などへの影響もかなりのものとなってきているのではないかと思います。

今回のクイーンズランド州の洪水について、オーストラリア ABC の報道をご紹介します。

なお、オーストラリアでは、気温も非常に低く、クイーンズランド州は 7月の気温としては観測史上最低となっていることも報じられています。




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季節外れの豪雨と気温の低いクイーンズランド州の天候が、果物と野菜作物を一掃した

Fruit and vegetable crops wiped out by unseasonal rainy, cold Queensland weather
abc.net.au 2022/07/06

 

季節外れの雨がクイーンズランド州のより多くの作物を一掃しており、スーパーマーケットの食糧価格の事態が悪化する可能性がある。

レタスやイチゴなどの生鮮食品の価格はすでに高騰しており、今は他の果物や野菜もそれに続く状況となっている。

オーストラリア気象局が、この時期としては異常な状態として説明しているように、クイーンズランド州の一部では、広範囲にわたり雨が降り続いている。

オーストラリア最大の果物と野菜の生産者の 1つであるクロス・ファミリー・ファームは、豆からトマトへの大きな損失を記録している。

生産者のトレバー・クロス氏は、以下のように述べた。

「農場の豆の多くは雨天のためにすべて死んでしまいました。おそらく、これが私たちが最も影響を受けたものです」

「ズッキーニは、地表にありますが、ズッキーニは雨が苦手です。また、気温が低すぎて成長できないため、収穫はかなり低くなると見られます」

「トマトには、ひび割れがたくさん見られ、葉の病気も見られます」

クロス氏は、今後数週間から数ヶ月で、野菜や果物の供給が影響を受け、価格が上昇すると警告した。

「すべての一般的な農作物に問題が発生するでしょう」と彼は言った。

 

上昇する食料価格

スタート・フレッシュ・フルーツマーケットの共同所有者兼マネージャーであるエイプリル・エラッツィ氏は、卸売価格はすでに上昇しており、今後どれだけ高くなるかは明確ではないと述べた。

エラッツィ氏は、以下のように語った。

「ズッキーニは現在、市場で 1箱あたり約 80ドルで販売されています。これは、通常の価格の 2倍以上です」

「雪豆は、 1キロあたり約 40ドルに達しました。他の場所ではもっと高価なものを見てきました」

今はイチゴの収穫時期だが、バンダバーグのイチゴ生産者であるマイケル・マイヤーズ氏は、彼の農場で、最近 40ミリメートルの雨が降ったと述べた。

マイヤーズ氏は、以下のように言う。

「基本的に今週のイチゴは完全に失われました」

「それらはただ水ぶくれをして水を吸収しています。そこにあるイチゴのいくつかは、触るとぬるぬるしたような状態となっているのです」

クイーンズランド州では、5月のイチゴ収穫開始が雨により遅れているため、すでに供給不足が発生しているが、マイヤーズ氏はこれにより状況はさらに悪化すると予想している。

「この雨は非常に広範囲に及んでいます…。影響を受けなかったイチゴ農場はないと思われます」と彼は言った。

マイヤーズ氏は、以下のように述べる。

「今年は 12万本のイチゴを植えましたが、今は 4万本だけが残っています」

「これらのイチゴの一部をジャムやソース用に回収することはできますが、それにしても十分な割合はごくわずかです」

 

作物にとっての「パーフェクトストーム」

長期にわたる雨天とそれに続く最近の寒波は、他の多くの作物にも「最悪の状況」を生み出している。

フリーマンズ・オーガニック・ファームのデビッド・フリーマン氏は、カスタードアップルの約 70%をすでに失い、アボカドの木の多くも失っていると述べた。

フリーマン氏は、以下のように言う。

「雨による土壌の飽和、日照不足、および低温のために、残念ながら、土壌真菌であるフィトフトラを通してアボカドの木が失われ始めています」

「今年の初めから 2,000ミリメートルを超える雨が降り、日照が 42日しかなく、これは作物に影響を与えることになります」

「この天候は、一部の生産者たちにとってのブレークポイントになるでしょう」

フリーマン氏は、この問題は業界全体に及ぶだろうと述べた。

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