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東アフリカから中東で続く大雨と洪水の中でイナゴの孵化がさらに活発化。第二波は前回の数十倍の規模になる可能性がある

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・国連難民高等弁務官事務所のツイートよりイエメンのアデンの光景。UNHCR




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東アフリカと中東の各地が、この2週間ほど、大雨と洪水による激しい気象に見舞われています。

アフリカでは、ジブチ、エチオピア、ケニア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、ブルンジなどの、その多くは通常は砂漠地帯である土地において、異常ともいえる豪雨が降り続いていることが報じられています。

数時間で半年分の雨が降ったアフリカのジブチ

Niimegal

また、中東のイエメンでも、通常では同国では起こり得ないような大雨により、黙示録的な洪水被害が出ていることが伝えられています。

以下は、イエメンのアデンという都市で 4月21日に撮影された動画です。

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これらの洪水被害も大変なのですが、ふだんは国土の多くが砂漠であるこれらの地域で、この雨により、イナゴ(アフリカトビバッタ)が繁殖しやすい要素が高まっているのです。

今年の 2月に発生したようなイナゴの大群の襲来の第二波が発生する要素が増加していると国連食糧農業機関は指摘しています。

3月の時点で、国連は「次のイナゴの発生の第二波は、前回の 20倍になる」と予測していましたが、このアフリカと中東各地の大雨により、状況はさらに悪化する可能性が出てきました。

3月31日 ケニア・キプシンにて

theguardian.com

今後、夏に向けて、パキスタンなどでもさらにイナゴの大発生が続く可能性があると共に、それらが「中国やインドに向かう」可能性があります。巨大な人口を持つこれらの国で、ただでさえ新型コロナウイルス対策で農業が停滞している中で、さらに大きな農業被害があった場合、影響は深刻です。

以下の記事にありますように、すでに米の大生産国である中国さえ、他国から米を大量に購入している状況となっています。

https://indeep.jp/global-mega-starvation-is-coming-soon-2020/

国連食糧農業機関は、イナゴの発生状況を次のように発表しています。

4月22日発表のイナゴ発生状況

Relief Web

東アフリカ

・ケニア。中央および北部地域で、より多くのイナゴ産卵が差し迫っている。
・エチオピア。南部で大群が増加している。
・ウガンダ。北東部のカタクウィ地区で大群の増加が報告された。

アラビア半島

・イエメン。アデンでの大雨と洪水がこの1週間続いており、イナゴ増殖の要素が増加した。
・サウジアラビア。ペルシャ湾近くと内部で新しい大群発生の兆候が続く。
・イラク。いくつかの州で孵化が進行。大群化は制御されている。
・オマーン。いくつかの小さな群れの孵化がUAE近くで確認される。
・UAE。一部の地域で孵化しているが、制御されている。

南西アジア

・イラン。南西海岸に沿ってさらに多くの大群が形成されており、状況が懸念される。
・パキスタン。いくつかの地域で大群が形成。インド国境近くで繁殖わ確認。

今のところは、今後の状況がどうなるかはわからないですが、新型コロナウイルス以上に大きな問題となる可能性もあります。

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