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中国の新華社通信が、中国北部の内モンゴル自治区での深刻な干ばつの状況を報じていました。
新華社によれば、6月7日までの時点で、内モンゴル自治区全土の 45%に相当する地域が、非常に激しい干ばつに見舞われているとのこと。
「内モンゴル自治区全土の 45%」とありますが、内モンゴル自治区の面積は、日本の 3倍以上もあり、比較しますと、日本と内モンゴル自治区の国土面積は以下のようになります。
日本の国土面積 37万7900 平方キロメートル
内モンゴル自治区の国土面積 118万3000 平方キロメートル
地図で示しますと、以下のようになります。
こう、内モンゴル自治区の「形」と「日本列島の形」は、なんとなく、どことなく似ているような気が以前からしていますが、それはともかく、このように、内モンゴル自治区の 45%が深刻な干ばつにあるということは、日本の面積を上回る地域が干ばつ状態にあると考えられます。
内モンゴル自治区の農業畜産局によると、地域の干ばつ面積は「 4,436万ヘクタール」に達しているそうです。
農業畜産局の報告ということは、これは農作地などを示しているというようにも思いますが、この「 4,436万ヘクタール」というのが、どれほどのものかといいますと、日本の農林水産省の資料によりますと、日本の「全耕作地」の面積は、おおむね 450万ヘクタール前後ということになっていますので、内モンゴル自治区の干ばつの影響は、日本の農耕地面積の 10倍近くの面積に及ぶという途方もない影響が出ていると考えられます。
なお、内モンゴル自治区は、乾燥した気候のため、農作そのものより「畜産」が盛んなようで、資料では、内モンゴル自治区には、400億頭以上の食草家畜が飼育されているのだそうです。
そして、この極端な干ばつが、農業と畜産に影響を与えないかどうかが問題となっているようです。
たとえば、中国の財務省と緊急管理省は、内モンゴル自治区と中国南西部の雲南省に、干ばつ救援のために、1億3,000万元(約 20億円)の緊急資金を割り当てたと報じられています。
中国もいろいろな意味で食糧問題への懸念が続いていると思われ、農業への悪影響はとにかく避けていきたいという思いはありそうです。
以下の In Deep の記事では、イナゴ(サバクトビバッタ)の全世界への食糧への影響を取り上げました。
・国連が「聖書にあるような災害」という表現を使うほどのイナゴの大群。その数は以前の「8000倍」に。地球の7000万人以上が食糧への影響を受けるとの警告も
In Deep 2020/06/10
中国政府が、内モンゴル自治区と、そして、雲南省に対しても緊急資金を提供しているということは、中国各地と、あるいはモンゴルなどを含めても、異常気象による、農作への影響が拡大している可能性もあります。
今後、まあ、その可能性は高くはないでしょうが、仮にイナゴの大群が、インドとパキスタンの国境から中国に侵入するようなことがあった場合、アジアの食糧事情は一気に緊急事態化する可能性があるかもしれません。
アジア地域の気象と気温には注目し続けたほうが良さそうです。