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劇的な出生率の低下に見舞われる地球
全世界の出生率が、60年ぶりの低水準になったと報じられています。
この出生率、出生数の低下というのは、今に始まった話ではないながらも、ここ 2、3年で加速化していまして、今年だけでも以下のようなニュースが報じられています。
・アメリカの2023年の出生率が過去最低を記録
BDW 2025年6月17日
・2024年の日本の出生数が統計開始以来初の70万人割れ。出生率も過去最低の1.15に
BDW 2025年6月4日
・ベトナムの出生率が過去最低に
BDW 2025年1月9日
ちなみに、ヨーロッパには、特殊合計出生率が「 2.0」に達している国はひとつもなくなっています。
世界で最も出生率が低いのは韓国で、特殊合計出生率が 0.77という大変なことになっていますが、低下傾向に歯止めがかかってはいません。出生率が 1.0を下回っているのは、他には以下のような国があります。
・韓国(0.72)
・シンガポール(0.97)
・ウクライナ(0.977)
・中国(0.999)
しかし、世界全部で出生率が下がっているわけではなく、たとえば、今回ご紹介するエポックタイムズに掲載されている以下のマップを見ますと、「アフリカだけは増え続けている」ことがわかります。
赤が濃いほど、出生率が低く、緑が濃いほど出生率が高い国であることを示しています。
それでも、ここにある出生率増加の地域は「世界全体の人口の 4%」にしかあたらないそうで、世界全体としては出生率は減り続けています。
エポックタイムズの記事では、現状と、そして「少子化となった理由」、そして各国の対策などを記した長い記事となっていますが、対策に関しては、
「どの国も経済対策、つまりお金だけ」
です。
「価値観」のほうに介入する少子化対策はありません。
実際には、人間の生活全般に対する価値観が変わったから、このようになっているわけで、つまり、出生数は今後も上昇はしません。20万、30万支払われたところで、一時的にはともかく、全体の出生率の上昇につながることはないと見られます。まして、社会が不況などに陥れば、出生率はさらに大幅に下がります。
今の社会には、まあ、ワクチン等の問題もありますけれど、それ以前として「子どもがほしくない」という女性がこれだけ多くなると、出生率の向上は難しいと思います。
以下、エポックタイムズの記事です。
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人口危機の到来か? 世界の出生率は60年ぶりの低水準に
An Impending Population Crisis? World Fertility Rate Hits 60-Year Low
Epoch Times 2025/09/19
2025年9月2日、ミネソタ州ミネアポリスのジャスティス・ペイジ中学校に登校初日を迎える子どもたち。
世界の出生率は過去60年間で急落しており、専門家はこの傾向が続けば深刻な結果を招くと警告している。
過去 60年間で世界の出生率は急落しており、専門家たちはこの下降傾向が続くと悲惨な結果を招くと警告している。
人口研究所のスティーブン・モッシャー所長は、人口抑制、人口統計、そして中国の専門家であり、低出生率が続くと「人口の高齢化と死亡に伴い、世界経済は徐々に崩壊するだろう」とエポックタイムズにメールで述べた。
「もちろん、これは一夜にして起こるものではないが、一旦それが本格化してしまうと、方向転換するのは不可能ではないにせよ困難になるだろう」と彼は語った。
合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの平均数)と普通出生率(一定期間における人口 1,000 人あたりの出生数)は関連があり、しばしば互換的に使用されるが、異なる用語だ。
普通出生率が低い国では合計特殊出生率も低くなる可能性が高い。
マクロ経済学者のヘスス・フェルナンデス・ビジャベルデ氏は、アメリカンエンタープライズ研究所の 2月の報告書の中で、低出生率を「現代の真の経済的課題」と呼んだ。
1960年には、世界では平均的な女性は生涯で 4~ 5人の子どもを産んでいた。2023年までにその数は 2.2人に半減し、人口置換水準(ある世代から次の世代へと人口が入れ替わる水準)である 2.1人に近づいている。
今年 7月、アメリカ国勢調査局は、世界人口が今年 81億人に達すると予測した。専門家は、この数字は 1960年の 30億人から増加しているものの、注目すべきは人口増加のペースだと指摘している。
同局は、「成長率は数十年前の 1960年代にピークに達し、それ以降は低下しており、今後も低下し続けると予測されている」と述べた。
フェルナンデス=ビジャベルデ氏は、出生率の低下はすぐには影響を及ぼさないかもしれないが、半世紀も経たないうちに出生率の低下が世界経済に影響を及ぼすだろうと警告した。
出生率が低い、あるいは出生率がマイナスの国は、労働力の減少と高齢化に伴うコストの増大に直面することになるだろう。
世界の出生率
国勢調査局によると、世界人口のわずか約 4%が、女性 1人あたり 5人以上の子どもを持つ高出生率の国に住んでおり、これらの国はすべてアフリカにある。これらの国でも、出生率は概して以前より低下している。
同局は、世界の人口のほぼ 4分の3が出生率が人口置換水準以下である国に住んでいると報告した。
世界で最も人口の多い国であるインドの出生率は、過去 60年間で着実に低下している。国連人口基金は 6月、インドの出生率が女性 1人あたり 1.9人となり、1960年の 5~ 6人から減少していると報告した。
1990年、中国の出生率は一人っ子政策にもかかわらず 2.51だった。国連人口部によると、2023年までに女性1人当たりの出生率は 1人未満にまで低下した。
アメリカ合衆国では、出生率が持続的に低下している。1972年には人口置換水準を下回り、2023年には 1.62と史上最低を記録した。
人口の多い国での女性1人あたりの出生数の推移
アジアとヨーロッパの国々の出生率は世界で最も低く、韓国(0.72)、シンガポール(0.97)、ウクライナ(0.977)、中国(0.999)ではいずれも出生率が 1を下回っている。
ヨーロッパ、北米、東アジアの多くの地域で出生率が人口置換水準を下回っている。
60年代を振り返る
西洋世界では、1960年代に始まった出生率の低下は、経口避妊薬の登場、中絶の合法化、無過失離婚の広範な採用と同時に起こった。
アメリカ合衆国では、1960年にアメリカ食品医薬品局(FDA)が最初の経口避妊薬を承認した。全米出生率調査(National Fertility Study)の報告書によると、5年以内にアメリカの出生率は「大幅に」低下した。1976年には、アメリカの出生率は過去最低の 1.7にまで低下した。
1973年、ロー対ウェイド事件 (人工妊娠中絶を規制するアメリカ国内法を違憲無効とした1973年の米最高裁判所の判決)の最高裁判決を受け、アメリカ合衆国では中絶が合法化された。当時、イギリス、ノルウェー、シンガポールなど、他のいくつかの国でも中絶が合法化されていた。
アメリカの決定に続いて、デンマーク、韓国、フランス、西ドイツ、ニュージーランド、イタリア、オランダなど、多くの国が中絶を合法化した。現在、中絶を完全に禁止しているのはわずか 22カ国だ。
研究によれば、中絶の合法化が出生率の大幅な低下をもたらしたという。
1975年に国際疫学誌に掲載された研究によると、ロー対ウェイド判決の直後、ニューヨーク州北部の出生数は 3分の1に減少した。
1999年にアメリカ公衆衛生ジャーナルに掲載された各州の調査によると、中絶が合法化された後、米国の出生率は平均して 4%低下した。
2007年にメキシコ市が妊娠初期の中絶を合法化した後にペンシルベニア大学の研究者らが実施した調査では、中絶と出生率の低下との関連性について、より最近の見解が示された。2007年時点で人口約 880万人だったメキシコシティ連邦区は、メキシコで最初に中絶を合法化した地域だ。この都市の法律が 20代の女性に与えた影響は「顕著」だったと、研究の著者らは結論づけている。中絶合法化により、メキシコシティの出生数はさらに 4%減少したと推定されると述べている。
別の例として、査読付き学術誌「PLOS One」の報告書では、2002年にネパールで中絶が合法化された後、「避妊の普及率が比較的低かったにもかかわらず、合計出生率はほぼ半分に減少した」と結論付けている。
ネパールの人口保健調査データによれば、2001年から 2011年にかけて合計特殊出生率は 4.1から 2.6に低下した。
ネパールの調査では、同国の合計特殊出生率が低下しただけでなく、「希望出生率も低下した」ことが判明した。
これに沿って、全米経済研究所は 2004年の報告書で、中絶合法化後の出生数の減少は永続的な影響であると述べた。
「中絶が合法化された当時の出生率の低下の多くは、その結果女性がその後子供を産まなくなったという点で永続的なものだった」と報告書は結論づけ、子どもを持たない女性の数が増加したと指摘した。
ガットマッハー研究所は、1973年から 2021年の間に米国で 6,300万件以上の中絶が行われたと推定している。世界保健機関によると、世界では年間 7,300万件の中絶が行われている。
さらに、いくつかの研究では、離婚率の急上昇と出生率の低下との間に関連性があることが指摘されている。
1960年代後半、離婚法の改革により、夫婦が一方の過失を証明せずに結婚生活を終わらせることが容易になったため、西側諸国では離婚率が急上昇した。
2014年に労働経済学誌に掲載された研究では、「離婚法改革の導入は出生率を低下させ、その効果は永続的であるようだ」と結論付けられている。
経済的な懸念
今日では、住宅費や育児費の高騰などの経済的な懸念が出生率低下の要因としてよく挙げられる。
好景気と世界で最も低い出生率を併せ持つ韓国では、国連の調査により、同国の出生数が記録的に低い主な理由は「財政的制約」であると示された。
調査では、韓国の回答者の 58%が子育ての障害として経済的な制約を挙げており、これは世界平均を12~ 19ポイント上回っている。都市化が進むこの国では、約 3分の1の回答者が、住宅スペースの不足や住宅費・家賃の高騰といった住宅問題に直面していると回答している。また、28%が育児の問題を挙げている。
米国では、2024年7月にピュー・リサーチ・センターが実施した調査によると、子どものいない 18歳から 49歳の成人のうち、36%が子どもを育てる余裕がないと回答した。
2024年の別の調査では、18歳未満の子どもを持つ米国の親 2,000人のうち 5人に1人以上が、費用がかかりすぎるため、もう子どもを持つ予定はないと回答した。回答者の 20%は、育児を最も大きな経済的ストレスとして挙げている。
労働省によると、多くのアメリカ人にとって保育料は法外な額だ。2022年、1人の子どもを終日保育する年間費用は 6,552ドル (約 96万円)から 15,600ドル (約 230万円)で、これは世帯収入の中央値の 8.9%から 16%に相当する。
一部の郡では、センターベースの保育の年間賃料の中央値が、2022年の全国中央値 15,216ドルを超えた。
家族研究所のプロナタリズム・イニシアチブのシニアフェロー兼ディレクターであるライマン・ストーン氏によると、経済的な懸念があるにもかかわらず、文化的、宗教的要因は所得水準よりも出生率に大きな影響を与えている。
2024年に関する彼の分析は、彼が「貧しい人々のほうが裕福な人々よりも多くの子供を産むという一般的な固定観念」と呼ぶものにもかかわらず、「所得が出生率に及ぼす異文化間で安定した影響はない」ことを示唆している。この固定観念は、所得の低いサハラ以南のアフリカ諸国の高い出生率によって裏付けられている。
ストーン氏の研究によれば、米国では高所得の黒人女性とヒスパニック系女性は子どもが少ない傾向にあり、一方、高所得の白人女性は低所得の白人女性よりも子どもが多い傾向があるという。
米国では外国生まれの女性はどの所得水準でも出生率が高く、所得水準と出生率の間にはほとんど関係がないことが分かる。
一方、米国のアーミッシュや超正統派ユダヤ教徒の女性は、収入に関わらず、他のアメリカ人女性と比べて平均して約 2倍の子どもを産んでいる。
出生率低下の現在の要因
家族の規模に関する意思決定には、他の多くの要因が影響する。
ペンシルベニア大学ウォートン校の経営経済学・公共政策教授、ケント・スメッターズ氏は、女性の教育や就労機会へのアクセスは、しばしば「晩婚化、出産の延期、そして家族の規模の縮小」につながると述べている。スメッターズ氏は、出生率の低下に関して、この要因が「圧倒的に最大」だと考えている。
中国では、出産を奨励する政策が緩和されているにもかかわらず、女性は依然として出産に消極的であることが研究で示されている。
2015年、中国政府は初めて一人っ子政策を緩和したが、中国国営メディアによると、2年後の出生数は実際には 3.5%減少した。
人材紹介会社 Zhaopin が 2017年5月に中国の働く女性 4万人を対象に実施した調査では、調査対象となった子どものいない女性の約 40%が子どもを欲しくないと回答した一方、子どもが一人いる働く母親の約 63%がこれ以上の子どもは欲しくないと回答した。
回答者らは、時間とエネルギーの不足、経済的な問題、そしてキャリアへの懸念を理由に挙げた。
モッシャー氏は、中国では 40年近くも続いた反出生プロパガンダが子どもや出産に対する考え方に悪影響を及ぼしてきたと語った。
ホワイトハウスの取り組み
ドナルド・トランプ大統領が7月に署名した「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法」には、新生児への財政支援や児童税額控除の拡大など、新しい家族を支援する条項が含まれている。
この法案は、2025年から 2028年の間に生まれる子どもたちのために、連邦政府が 1,000ドル (約 15万円)を預託する貯蓄口座を創設するものだ。
親やその他の関係者は、受益者が 18歳になるまで、税引き後の金額で年間最大 5,000ドルまで積み立てることができる。雇用主は最大 2,500ドルまで拠出できる。口座内の資金は課税されずに増加し、承認された用途への引き出しには低い税率が適用される。
米国のこの新法案では、17歳未満の子どもを持つ家庭に対する税制優遇措置も拡充される。連邦児童税額控除は 2025年に子供1人当たり 2,000ドルから 2,200ドル (約 32万円)に増額され、今後はインフレに合わせて調整される。
所得税の納税義務がない世帯であっても、2025年度には子ども 1人あたり最大 1,700ドルの税還付を受けることができる。トランプ大統領は2月、体外受精(IVF)へのアクセスを拡大し、治療にかかる自己負担額と健康保険費用を削減することを目的とした大統領令に署名した。
世界中での取り組み
フランスでは、対象となる家庭は出産ごとに少なくとも 1,080ユーロ(約 19万円)の補助金を受け取ることができる。また、6歳未満のこどもの保育料の最大 85%が補助される。
イタリアでは、2025年1月1日以降に生まれた、または養子縁組された子供1人につき、1,000ユーロ(約 17万円)の一時金が支給される。また、育児費用を賄うためのボーナスも支給される。
扶養児童がいる家庭には、子ども 1人につき月額 50ユーロから 175ユーロ(約60ドルから200ドル)の手当が支給されるほか、21歳未満の母親には追加の給付金と幼稚園のバウチャーが支給される。
韓国のソウル市は、新生児がいる世帯への住宅支援の拡充、新婚夫婦や大家族への公営住宅や追加給付の提供、市内全域での緊急保育や 24時間保育の利用拡大、パートナーを探している独身者向けのマッチングイベントの開催などを通じて、出生率向上に 2025年に約 23億ドル (約 3400億円)を支出する予定だ。
シンガポールの出生率向上策には、政府が共同出資する制度が含まれており、対象となるカップルの公立病院における不妊治療費用の最大 75%を補助する。また、2025年4月1日以降に生まれる赤ちゃんには 5,000ドル (約 74万円)の補助金も支給する。
日本の石破茂首相は、日本の出生率低下を「静かな緊急事態」と呼んだ。日本の出生率は 2024年に 1.15と過去最低に落ち込む見込みだ。1月の施政方針演説で、石破首相はこの低迷に対処するための対策を発表した。
日本の主な取り組みには、育児休業給付金を両親の手取り収入の 100%に引き上げること、賃金を引き上げる、2020年代後半までに最低賃金を時給 1,500円にすることを目指すことなどが含まれる。