異常な現象 疾病と感染症

幼児期に複数回のワクチン接種を受けた子どもは自閉症を含む神経発達障害のリスクが非常に高くなることを示した米国の査読済み論文

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自閉症と診断される率は最大440%増加

アメリカだけではないのでしょうが、特にアメリカで「自閉症と診断される子どもが著しく増加している」ことが、数年前からよく報じられます。

2023年の米 CDC が発表した週次レポートでは、

「2020年の時点で、アメリカの 8歳の子どもの 36人に 1人が自閉症である」

とされていました(参考記事)。

以下は、1970年からの 50年間のアメリカでの自閉症と診断された数を示しています。

1970年 - 2018年までの米国の自閉症率の推移 (CDCの数値による)

indeep.jp

1970年には、1万人に 1人が自閉症だと診断されていたのが、2018年には、36人に 1人が自閉症と診断されています。

日本でも、2022年7月の報道で、「ADHDや学習障害、自閉症の子どもが過去最多に」という文部科学省の調査が報じられていました。

2022年7月11日の報道より

全国の国公私立の小中高等学校で、通常学級に在籍しながら、週に数回だけ、障害などに応じて、他の教室で特別な指導を受けている児童生徒は、合わせて16万4693人。調査開始以来、最多となった。

内訳としては、ADHD(注意欠陥多動性障害)の児童生徒は3万3825人、学習障害は3万612人、難聴は1956人、弱視は237人、情緒障害は2万1833人、自閉症は3万2346人、言語障害は4万3632人だった。

この中でも、ADHDと学習障害においては、2019年度の調査から、およそ1万7000人も増加した。また、自閉症については、調査項目に追加された2006年度は3912人だったのが、14年間でおよそ8倍増えたことになる。

fnn.jp

日本でも、自閉症と診断される子どもの数が急速に増えているようです。

主要国ではどの国でも増えていると思われますが、その原因はよくわかっていません。

もちろん、単純にひとつの原因があるとは私は思っていません

2歳までに週14時間以上スマホ等のスクリーンを見ていた赤ちゃんは、その後、自閉症と診断されるリスクが80%増加した」という報道もあったほど(翻訳記事)で、いろいろと複雑なものだとは思いますが、その様々な理由のひとつに、ワクチン接種が挙げられることがあります。

これもアメリカだけではないですが、数十年前と比較すると、今は赤ちゃんに対しての予防接種の種類が大変に多く、ご紹介する論文の概要の冒頭は以下のように書かれています。

> 米国での就学までに必要な予防接種は 1950年代から 3倍近く増加し、現在は 17種類の感染症が対象となっている。

アメリカでは、子どもが小学校に上がるまでに 17種類のワクチン接種を受けなければならないということのようです

 

今回ご紹介するその論文では、「予防接種と、自閉症を含む神経発達障害に関係がある可能性がある」と結論付けており、そして、

「接種する回数が増えれば増えるほどリスクが高くなる」

と書かれていました。

2011年にも、同じような研究があり、「予防接種を受けるほど自閉症と言語障害の子供が多くなる」という論文が発表されていました(翻訳記事)。

以下は今回ご紹介する論文にあるグラフです。

接種回数が多い子どもにおいて、神経発達障害と診断される率がはるかに高いことが示されています。青が未接種オレンジが接種したグループです。

9歳のメディケイド児童におけるワクチン接種状況別の神経発達障害のオッズ比

publichealthpolicyjournal.com

すべて有意なオッズ比となっていますが、学習障害やチックなどいくつかの項目においては、かなりの倍率となっています。

学習障害については、実際のところは「明らかになっていない学習障害の子ども」は、かなり多いようにも思います(私自身も、あるひとつの学習障害を持っていましたが、実生活にはさほど影響がないため、わかりにくいままでした)。

その論文の概要をご紹介します。





ワクチン接種と神経発達障害:メディケイドに加入している9歳児を対象とした研究

Vaccination and Neurodevelopmental Disorders: A Study of Nine-Year-Old Children Enrolled in Medicaid
Public Health Policy Journal

背景:

米国での就学までに必要な予防接種は 1950年代から 3倍近く増加し、現在は 17種類の感染症が対象となっている。しかし、スケジュールの拡大が子供の健康全般に及ぼす影響は依然として不明だ。

予防接種を受けた子供と受けていない子供を比較した予備研究では、予防接種を受けた子供は受けていない子供に比べて、細菌感染症、アレルギー、神経発達障害(NDD)と診断される可能性が有意に高いことが報告されている。

この研究の目的は、メディケイド・プログラムに登録されている 9歳児における予防接種と神経発達障害の関係を明らかにすることである。

具体的な目的は、

1) 予防接種は自閉症スペクトラム障害 (ASD) やその他の神経発達障害と関連している

2) 予防接種を伴う早産は、予防接種なしの早産と比較して神経発達障害の確率が高くなる

3) 予防接種回数の増加は自閉症スペクトラム障害のリスク増加と関連している、という仮説を検証すること

である。

 

方法:

研究対象集団は、フロリダ州メディケイドプログラムに誕生から 9歳まで継続して登録されている小児で構成された。

ワクチン接種率は、ワクチン接種関連の処置および診断を含む医療訪問回数によって測定された。

有病率オッズ比を計算するために横断的分析を実施した (上記の目的1と2)。特に自閉症スペクトラム障害の相対リスクを計算するために、後ろ向きコホート設計を使用した (目的3)。

 

結果:

9歳児 47,155人の請求データの分析から、

1) ワクチン接種は、測定されたすべての神経発達障害のオッズを有意に増加させること

2) 早産でワクチン接種を受けた小児のうち、39.9% が少なくとも 1つの神経発達障害と診断されたのに対し、早産でワクチン接種を受けていない小児では 15.7%であった (OR 3.58、95% CI: 2.80、4.57)、

3) 自閉症スペクトラム障害の相対リスクは、ワクチン接種を含む訪問回数に応じて増加する

ことがわかった。

ワクチン接種を1回だけ受けた子供は、受けていない子供に比べて自閉症スペクトラム障害と診断される可能性が 1.7倍高かったのに対し、11回以上受けた子どもは、ワクチン接種を受けていない子どもに比べて自閉症スペクトラム障害と診断される可能性が 4.4倍高かった。

 

結論:

これらの結果は、現在のワクチン接種スケジュールが複数の形態の神経発達障害に寄与している可能性があること、ワクチン接種と早産の組み合わせは、ワクチン接種なしの早産と比較し神経発達障害オッズ増加と強く関連していること、ワクチン接種を含む受診回数の増加は自閉症スペクトラム障害のリスク増加と関連していることを示唆している。







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