最期の食糧危機 異常気象

英国の2026年の農作収穫は「過去最悪となる見込み」だと発表される

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nationalheraldindia.com

 

欧州で食糧危機の懸念も

先日、英国のウェールズで「190年ぶりの過去最悪級の干ばつが進行中」ということについて書かせていただきました。

英国ウェールズの「干ばつ」が190年ぶりの深刻なレベルに
earthreview.net 2026年8月1日

その後、「エネルギー・気候情報ユニット」という英国の機関が、

「英国の 2026年の収穫は過去最悪となる」

と発表していました。

これは、1984年からの統計開始以来での比較ですが、少なくとも過去 40年ほどの中では最悪の収穫量となることが現時点で確定しているということのようです。

それだけではなく、ヨーロッパは、すべてではないですけれど、多くの国や地域で、非常に作況が悪くなっています。

フランスで深刻な干ばつによるトウモロコシ等の収穫量が過去数十年で最悪のレベルとなる見込み。全土63県が危機的状況に
earthreview.net 2026年8月8日

これは今年の春の時点では想像もできていないことでした。

この不作の理由は 6月から続く干ばつと高温が主なもので、今回ご紹介する記事に出てくる英国の農家の方も、「これほど乾燥して暑い時期は経験したことがない」と述べているように、かなり異例の状況だったようで、フランス、ハンガリー、スペイン、ドイツ、イタリアなどでも、程度の差はあっても、収量が低下していることが確認されています。

この状況により、EU は穀物の輸入依存度が高まる可能性があり、それが穀物の国際価格にも影響を与える懸念がありそうです。EU の総人口は、約 4億5000万人です。それぞれの国の人口は特別大きくなくとも、27カ国合わせると、このくらいに規模にはなります。

エルニーニョ、あるいは単純に異常気象の結果としての穀物高騰は、そんなに遠い話ではないとは感じます。他の穀物の大きな輸出国であるロシアとウクライナも、戦争により輸出能力が削がれています。

英国の収穫量の予測についての専門メディアの記事です。




 


2026年の収穫は過去最悪の水準となり、3億9000万ポンドの損失が見込まれる

Harvest 2026 on course to be worst on record, with £390m losses
Farmers Guide 2026/08/05

前例のない一連の熱波と降雨不足により、2026年の収穫量は過去最悪となる見込みで、農家は最大3億9000万ポンド (約 838億円)の収穫量損失に直面すると推定されている。

英エネルギー・気候情報ユニット(ECIU)による最新の分析によると、異常に暑く乾燥した夏により、英国の穀物と油糧種子の収穫量は以前の予測に比べて最大 250万トン減少した可能性があり、英国の耕作農家は 3億500万ポンドから 3億9000万ポンド(約 838億円)の収入損失を被る可能性がある。

初期収量予測によると、小麦、春大麦、オート麦の収量は過去 10年間の平均を下回る見込みで、冬大麦は平均的な収量、菜種は平均を上回る良好な収量が見込まれている。小麦の暫定収量予測は 1ヘクタールあたり 6.8トンと、著しく低い値となっている。

英国の主要な耕作作物であり、通常は最も収穫量が多い作物であるが、この暫定的な収穫量が維持されれば、2026年は記録上最悪の収穫年の一つとなるだろうと、英エネルギー・気候情報ユニットの研究者らは警告した。

「小麦の収穫が 54%完了した時点で、この平均収穫量が維持されると仮定すると、英国の穀物と油糧種子の収穫量は 1950万トンとなり、1984年に詳細な記録が始まって以来、2020年の記録を上回り、過去最悪の収穫量となるだろう。これは、菜種については良好な収穫量が予測されているにもかかわらずのことです」と彼らは説明した。

 

「本当に痛烈な一撃だ」

アメリカ農務省海外農業局の 4月の予測、そして、欧州穀物協会(COCERAL)が 3月に発表した以前の予測では、英国の収穫量は過去 10年間の平均と同等かそれ以上になる見込みだった。

しかし、記録的な多雨の冬だったにもかかわらず、4月の乾燥が重要な時期に穀物作物に影響を与え、さらに 5月、6月、7月に相次いで発生した熱波が穀物作物を直撃し、穀粒が十分に成長して収量を増やすために必要な水分を奪ってしまった。

イングランド東部など一部の主要栽培地域では、6月中旬以降ほとんど雨が降らなかったため、猛暑の影響がさらに深刻化し、イングランド南部では 1836年以来の記録の中で最も乾燥した月となった。

ケンブリッジシャーの農家であり、自然に優しい農業ネットワークの CEO でもあるマーティン・ラインズ氏は、今年の収穫は「本当にひどいものでした」と述べた。

「 2年連続でひどい不作に見舞われた後、今年の作物は春の初めには順調で将来性も高そうだったのですが、数ヶ月にわたる干ばつと熱波によって、まともな収穫の見込みは完全に打ち砕かれてしまいました」

「私たちの農場では、これほど乾燥して暑い時期は経験したことがありません。気候変動に懐疑的だった私の知人の農家でさえ、今では事業と生産の将来を本当に心配していると言っています。私たちの業界にとって、まさに過酷な状況です」

「イラン戦争の影響で投入コストが高騰しているため、来年の作付け計画を立てるのはまさに悪夢です。農場で導入した環境に優しい農法のおかげで、土壌の保水力は向上しましたが、こうした極端な状況に適応するには限界があります」

 

「政府は対策を立て始めるべきだ」

世界気象帰属調査による最近の研究では、6月の熱波は 50年前には起こり得なかったことであり、気候変動が「紛れもなく原因である」と結論づけている。

英国農地・事業協会(CLA)のギャビン・レーン会長は、「これは 5年間で 3度目の干ばつだ。かつては異常事態だった干ばつが、英国の農業では日常茶飯事になりつつあり、政府は対策を立て始めるべきだ」と付け加えた。

レーン氏は、貯水池の整備から山火事の予防まで、回復力のある農業システムへの「適切な」政府投資が、農家がこうした新たな極端な状況に対処するのに役立つだろうと述べた。

「また、規模や業種を問わずすべての農家が利用できる、十分な資金を備えた持続可能な農業奨励制度があれば、天候不順で収穫が全滅した場合でも、農家は安定した収入源を確保できるだろう」

「農家はこれまで何度も、適応力と解決策を見出す能力を示してきたが、回復力には限界がある。彼らが引き続き国に食料を供給し続けるためには、適切な支援が必要だ」

「そうでなければ、今回の収穫が彼ら(英国の農家)にとって最後の収穫になるかもしれない」と彼は結論付けた 」




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