インドは、まあ自然豊かな場所が多い国ではありますけれど、最近発表されたふたつのデータで、過去 5年間において、
・トラの襲撃で 349人が死亡している
ことと、
・ゾウとの衝突(あるいは襲撃)で 2853人が死亡している
ということを知りました。
人口の多い国とはいえ、なかなかの数字だと思いますが、ゾウが原因による死亡例もトラによる死亡例も増加傾向にあるようで、以下は、ゾウによる死亡例の 5年間の推移です。
2019年-2023年のインドのゾウによる死亡数の推移
sott.net
2020年に急激に減少したのは、新型コロナによるロックダウンにより外出する人が少なくなったことによると思われますが、そこからは一直線で増加しているようです。
インドでのトラの襲撃による死亡が増加していることに関しての報道と、ゾウが原因での死亡数の増加について、それぞれの記事をご紹介させていただきます。
まあ……太陽活動の増大は動物にも影響を与えますからね。動物たちもイライラしているんじゃないでしょうか。
2022年以降、ウッタル・プラデーシュ州でトラの襲撃による死亡者数が127%増加している
127% rise in human deaths in tiger attacks in UP since 2022
Time of India 2024/07/29
政府の記録によると、2023年のウッタル・プラデーシュ州でのトラの襲撃による死亡者数は過去数年に比べて 127%増加している。
データによると、2019年から 2023年の 5年間で、同州ではトラの襲撃で 59人が死亡した。2019年には 8人、2020年には 4人、2021年には 11人が死亡した。2022年にも 11人が命を落とした。
2023年には、その数は 25人に急増している。
このデータは、ラージヤ・サバー議員のムクル・ワスニク氏とV・シヴァダサン氏が最近提起した質問に答える形で、環境・森林・気候変動担当国務大臣のキルティ・ヴァルダン・シン氏によって提示された。
全国レベルでは、過去 5年間にトラの襲撃で 349人が死亡し、マハラシュトラ州では最大 200人の死者が記録されている。
2023年にトラが原因で死亡した人の数はウッタラーカンド州、ビハール州、西ベンガル州を含む 11州からは得られなかったと言及された。
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人間とゾウの衝突で5年間で2,500人以上が死亡している
Over 2,500 people died in 5 years in human-elephant conflicts: Govt data
business-standard.com 2024/07/26
インド政府のデータによると、過去 5年間に人間とゾウの衝突により 2,853人が死亡し、2023年には死者数が 5年ぶりの高水準となる 628人に達する見込みだ。
キルティ・ヴァルダン・シン連邦環境担当国務相は 7月25日、ラージヤ・サバーでの質問に答え、「ゾウが原因で」2019年に 587人、2020年に 471人、2021年に 557人、2022年に 610人、2023年に 628人が死亡したと述べた。
データによれば、この期間にオリッサ州で 624人の死亡が記録され、次いでジャールカンド州で 474人、西ベンガル州で 436人、アッサム州で 383人、チャッティースガル州で 303人、タミル・ナドゥ州で 256人、カルナタカ州で 160人、ケララ州で 124人となっている。
同省は州森林局と連携し、ゾウ生息域 15州にわたるゾウの回廊 150カ所を現地検証し、州および連邦直轄領に対し、これらの回廊を保護し保全するために必要な措置を講じるよう要請した。
連邦電力省は、送電線やその他のインフラがゾウやその他の野生動物に与える影響を軽減するために、2022年9月にすべての配電会社と送電会社にガイドラインを発行した。
列車事故によるゾウの死亡を防ぐため、鉄道会社と環境省の間で常設の調整委員会も設立された。